大学内の書店を大事にしたい
2022年4月20日(水)

大学内の書店を大事にしたい

(4月20日にメール通信で配信した内容がもとになっています。日付けもその日付けにしています。)

ある先生から、教科書出版の企画の話がありまして、出版されたあかつきには教科書として採用していただきたいという話の中で大学にそれまであった書店が無くなってしまったという話しになりました。コロナ禍で大学に学生さんたちがやってこないということで、学内の売店の売り上げが減ってしまったということが原因とのことです。

ABCニュースによると「コロナ理由で初の大学生協解散へ 大阪の桃山学院大 授業オンライン化などで売り上げ大幅減」という報道があります。予想されるのは、需要が減ったということに加えて、大学にいけない中でリモートで授業を受講せざるを得なかった場合、紙の教科書であった場合にもオンライン書店で購入することになってしまって、購買がオンライン書店に流れてしまったということが少なくないということがあるのではないでしょうか。上の話は、大阪の桃山学院大の場合でしたが、東京ですとICUで三省堂書店が1月に店を閉めてしまい、その後に店舗のある書店は入っていないということです。

コロナ禍以前にはお客が入っていて今回のコロナで苦況に陥ったのか、というのはわかりませんが、「食堂および売店の運営業者変更について 三省堂書店、(中略)につきまして、同社において事業の継続が困難なことから、2022年1月31日(月)をもって閉店することになりました」(国際基督教大学 2022/01/07)とのことです。事業の継続が困難になったということが原因とのことです。こちらは、丸善雄松堂が教科書を販売するようですが、常設の店舗はなくなるようです。

大学の中の書店というのは本を読んで勉強したり、教科書買ったりという時に学生に一番身近な存在だと思われます。大学の規模によっては、品揃えが充実してないということはありえることだと思いますが、すぐ立ち寄れるような近くに書店があることは大学生活にも重要なことと思います。

学内に書店があることが重要であると考えると安易にオンライン書店で購入するようにいうこと、することは、学内書店の息の根を止める危険性があると思います。教科書の採用をされる大学の先生方は、学内の書店が事業を持続することが可能になるよう、学内書店で購入できるように学生さんに推奨していただきたいと思います。学内の書店も、学生さんたちにとって一番身近な拠点であるということを考えて、ぜひ事業を発展させていってほしいものです。

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