本を出して、さらに知っていただくこと
2021年3月26日(金)

本を出して、さらに知っていただくこと

(3月24日にメール通信で配信した内容がもとになっています。)

 コロナ禍で2020年の前半に刊行を抑えていたということもありまして、年末から、多くの書籍を刊行しています。怒濤の刊行といってもいいくらいかとも存じます。1月に4冊、2月に14冊、3月にも14冊を刊行する予定です。ここまでで、32冊ということになります。3月中に刊行したいと考えていまして、4月にずれ込んでしまった書籍もあります。かなり沢山の本を刊行していますことになります。忙しく、仕事が多くてたいへんでした(今も続く)が、コロナ禍の中でも仕事があって、ありがたいということだと思います。

 本を刊行するだけではなく、刊行してそれで終わりではなく、売れていってくれませんと採算が採れないことになります。出たということが知られて、いろいろな議論が起こって、研究が進んでいく、本が売れて、できることなら、その研究分野が活性化してほしいところです。私たちの刊行するもの、広く受け入れられるテーマのものではあまりありませんので、勢いよく売れるということはほとんどないのですが、どうにかそのようなことを引き起こしたい、巻き起こしたいと思っています。そういう点で、本が出たことを伝える書評がとても大事なのですが、今回、メール通信で紹介しましたように『発話の権利』と『「させていただく」の語用論』が、読売新聞で書評していただきました。2冊とも飯間浩明先生に書いていただいています。ありがたいことです。両方とも書籍のテーマを適格に捉えた書評でたいへん、ありがたいものでした。『「させていただく」の語用論』は、TBSラジオのアシタノカレッジで武田砂鉄さんに取り上げてもらい、また、リアルサウンド ブックでも取り上げてもらい、さらにはアベマTVでも取り上げてもらいました。リアルサウンド ブックは、本来は音楽系のメディアのようで、研究書を取り上げたのは、はじめてなのではないでしょうか。アベマTVは、千原ジュニアさんが司会のニュースショーという冠の付いた番組で、TVといってもインターネットで配信される番組でしたが、取り上げてくれたことはありがたいことです。椎名先生の研究が、人の関心を引くものであったということだと思います。たぶん、twitterで流したものが、どこかでメディアの方々の目にとまったのだろうと推測します。おかげさまで、売れ行きもとてもよく、在庫もなくなりそうです。面白い内容の研究書ですので、まだ、読まれていない方はぜひ、お読み下さい。

 広く関心を呼ぼうということで、新聞などの書評欄向けに献本しますが、なかなか取り上げられることはありません。世の中には書評紙が、読書人と図書新聞と2紙ありますが、みな様ご存じでしょうか、そこにも取り上げられないことが多いです。書評紙は、社会科学系といわゆる教養的な人文学系が多く、言語系はほとんど取り上げられません。そういった書評紙にも取り上げられないですので、自前で書評を書いていただくことを始めました。依頼するわけですので、身びいきになってしまいかねないのですが、うちわ褒めにならないような方にお願いしています。『発話の権利』を田上孝一先生、『認知言語学と談話機能言語学の有機的接点』(中山俊秀・大谷直輝編)を森篤嗣先生に書評してもらいました。田上先生は倫理学の立場から、森先生は日本語学・日本語教育の立場からです。ぜひ、読んでみて下さい。さらには、『認知言語学と談話機能言語学の有機的接点』の執筆者による座談会を開いていただいて、公開を開始しました。こういうこころみは、本が出たことを知ってもらうことと関心を持って下さりそうな方にお知らせするということで、書籍に未来の読者むけにリンクを付けていくということです。ネットワークの網の糸を張っていくこと。様々なジャンルの研究に糸を張ってつなげていくことですから、なかなか重大です。上手く行くかどうかは、自信がもてませんが、挑戦していきたいと思っています。売るための宣伝というふうに思われるかも知れないですが、まずは知ってもらうために重要なのです。ちなみにといいますか、『認知言語学と談話機能言語学の有機的接点』の編者の中山俊秀先生は、先日、「チコちゃんに叱られる!」の「言葉の不思議 」で、なぞを解説する学者として出ていました。

 アマゾンなどもカスタマーレビューという書評の場所があります。ぜひ、ひとこと、書いていただけましたら、ありがたいです。あるいはご自身のブログをお持ちでしたら、批評、紹介して下さるとありがたいです。言及されること、さらには議論が起こっているということ自体が、プラスの意味を持っていると思います。無視されるのが一番辛いです。何とか、ことばが交わされるように上手く持っていきたいと願っています。

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執筆要綱・執筆要項こちらをご覧下さい。



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