ひつじ書房創立20周年記念シンポジウム 2010/8/24更新書くことの倫理場所 日仏会館(恵比寿)地図はこちら日時 2010年9月26日(日) 開場12時30分・開演13時
13:00-13:15 ご挨拶 松本 功(ひつじ書房代表取締役) テーマ説明 助川幸逸郎(横浜市立大学非常勤講師) 13:20-13:45 電子化によって書物/文学とそのディスクールおよび受容にどんな変化が生じるのか 前田塁(文芸批評家) 大仰かつ大風呂敷的な演題だが、その主眼はふたつ。そしてそのどちらも、本来とうに私たちが知っていることである。ひとつには、書物/文字(とそのディスクール)が、書き換え可能なデバイスを持つことで、その存在じたいどう書き換わってゆくのか。もうひとつには、そもそもディスクールは受容時点で意味決定がなされるというテクスト論的な捉え方において、受容の様態に変化が生じることは、ディスクール(の意味決定)自体にどのような変化を生じさせるのか。捉えがたい未来について、文学の領域がそこでどのような役割を担うのかとともに可能な時間内で整理・検討する。 13:45-14:10 名作は誰のもの? 〜アメリカの読み捨て本vs.明治文学の金字塔 堀啓子(東海大学) 「外国語の読める者は何も幼稚な頭から生み出した愚にも付かぬことを並べて見るよりかせつせと翻訳をして見るが可い。翻訳をすると、原書の思想も味へるし、且文章の稽古にもなつて一挙両得だ。」そう、弟子に説いたのは明治の文豪・尾崎紅葉である。紅葉みずから実践していた〈翻訳〉には、今でいうところの〈翻案〉も含まれる。 14:10-14:20 休憩 14:20-14:45 国際金融とネット言論の倫理〜メタレベルなき世界での合意形成をめぐって 岡川聡(金融問題研究家) リーマンショック以降、金融市場という名の各種電子取引空間は、一般的にはハイエナの跋扈する無法地帯・無秩序なパワーゲームの場として捉えられている。確かに世界の金融市場を統括する政府・国際機関は存在しないし、市場の規模・無国籍性・変化のスピードを考えると、今後一層ウエ/オカミからの統制は効かなくなってくるであろう。そんな環境下でも実は金融市場内には一定の秩序が存在し、緩い内部規範の下、自己審査に基づく内在的罰則により各種取引は有効に成立している。その秩序を守らんとする内的動機を「流動性の倫理」と名付け、自然発生的に成立した外国為替直物市場を題材に考察してみたい。また「流動性の倫理」を用い、政府・国際機関と市場との今後の在り方を考えてみることが、現在のメディア状況下で『書くことの倫理』を考察する上でも、有効な手掛かりとなることも明らかにしていきたい。 14:45-15:00 フェティシズムの現代的意義(講演補足+まとめ) 助川幸逸郎(横浜市立大学非常勤講師) 十五年ほど前まで、不特定多数の人間に発信される情報は、出版社や放送局といった特定の場所から発信されていた。そして、「この情報は、公にする意義のあるものなのか」・「これを公にすることに、倫理的な問題点はないのか」などについては、編集者やプロデューサーのチェックを経ることが建前になっていた。 15:00-15:15 休憩(質問用紙回収) 15:15-16:30 パネルディスカッション・質疑応答事前申込みが必要となります。席数に限りがありますので以下のお申し込みページからお早めにお申し込み下さい。専門学校生・大学生は無料です。大学院生および社会人は1,000円となります。
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