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2026.3.18(水)

「桜」と「さくら」



もうすぐ春分の日です。桜の季節にもなってまいりました。……ということは花粉の季節に突入しているということでもあり、弊社でも目や鼻の症状に悩む人が続出です。私もひとごとではなく、点鼻薬や目薬が手放せない日々を送っています。

さて、現代の言語研究に欠かせないツールといえばコーパスですが、私も大学時代にたいへんお世話になったものです。『現代日本語書き言葉均衡コーパス』(BCCWJ)は、登録制の「中納言」のほうをよく使っていました。ゼミの先生からは、気になる言葉遣いや表現があればひとまずBCCWJで検索してみるように言われていたので、大学生の私にとって「検索」といえば、1にGoogle、2にYahoo!、3にBCCWJといった具合でした。

今は中納言の契約期限が切れているので、ひさしぶりに「少納言」のほうで検索してみました。調べてみたのは、韻文(短歌・俳句・詩)における「桜」と「さくら」の用例数です(私は短詩が好きなので、調べてみたくなりました)。「桜」は71件、「さくら」は26件でした。漢字の用例数はひらがなの約2.7倍です。
一方、韻文以外のジャンル・メディアの用例では、「桜」が6252件、「さくら」が1137件なので、漢字の用例数はひらがなの約5.5倍です。相対的に、韻文においてはひらがなの「さくら」の使用頻度が高そうです。私自身、短歌をつくるときにはひらがなのほうの「さくら」を使いがちですし、他の方の作品を読んでいても「さくら」の表記をよく見るように思います。やわらかい雰囲気が出るからでしょうか。

ひとつの単語に対してどういった表記がもっとも一般的に用いられているか知りたいことは日常的によくありますが、BCCWJで検索すると自分だけの肌感が根拠あるものになるので、心強いです。言語の研究者ではない道に進みましたが、これからもお世話になること間違いなしです、いつもありがとうございます。





2026.3.13(金)

5度目の学会出展



先週末、広島大学で開催された社会言語科学会(JASS)に出展してまいりました。東京駅から約5時間かけてキャンパス最寄りのバス停に到着すると、まず目に飛び込んできたのは、現代的でおしゃれなバス待合室でした。広島大学の先生や学生の方々がデザイン等に協力された建築物で、「コノハテラス」という名前が付いているそうです。ガラス張りで白を基調としたデザインでありながら、どこか木の葉のようなあたたかみが感じられ、印象的でした。

9月の入社以来、学会出展への参加は今回で5度目でした。回を重ねるごとに、お会いしたことのある先生方も少しずつ増え、お話しできる内容の幅が広がってきたことを実感しています。初対面では名刺交換と簡単な自己紹介で終わることも多いのですが、2度目以降は「前回お話しした○○はいかがでしたか」といったように、前回のやり取りを踏まえた会話ができるようになります。もともと人とお話しすることが好きなこともあり、多くの先生方に弊社ブースへお立ち寄りいただけたことを大変うれしく思いました。書籍展示教室への導線を工夫してくださった広報委員の先生方や、会場校の先生方にも心より感謝申し上げます。

また、現地での学会出展では毎回「書籍を並べる」作業がありますが、回数を重ねる中でそのスピードが徐々に上がってきたことも、今回実感したことのひとつでした。判型は見た目で分類できますが、ジャンルや著者は、関連書籍を把握していないと効率よくレイアウトすることができません。初めて参加した学会では、段ボールから書籍を取り出したまではよかったものの、その後の配置を思い描くことができず、戸惑いながら手を動かしていたことを思い出します。今回の学会のちょうど1週間ほど前に事務所の本棚を整理したのですが、その経験も活用できたような気がしています。

この春は、弊社から私1人で参加する学会も予定されています。これまでの経験を生かしながら、よりよい形で役目を果たせるよう、今後も日々学びを重ねていきたいと思います。





2026.3.11(水)

書評掲載 『『人間失格』の「のです」をどう翻訳するか』



3月に入り、昨年12月に刊行した宮内伸子先生の『『人間失格』の「のです」をどう翻訳するか』の書評が読売新聞と産経新聞に連続して掲載されました。現在、どちらの書評もネットで読むことができます。

■読売新聞 3月1日(日)
「浮かぶ日本語の特殊性」評・金沢百枝(美術史家・多摩美術大教授)

■産経新聞 3月8日(日)
<書評>西洋言語との視点の差異 『人間失格』の「のです」をどう翻訳するか 宮内伸子著

この本の内容については弊社Webサイトのほか、以前のスタッフ日誌でもご紹介しています。

本の詳細

スタッフ日誌 2025年12月

全国紙、それも2紙に続けて書評が掲載されるのは弊社の本では珍しいことです。
惜しむらくは、紙面に掲載された書影では、帯が取られていることです。通常は帯なしの書影を使うのでそれはわかるのですが、この本は幅広で書名も帯に大きく載せるタイプの、本体の装丁と一体になった帯にしています。書店でも帯付きで並んでいるはずですので、書評を見て探しに行った人の目に入らないのではないかと心配です。

みなさま、お探しの際はクリーム色の帯に、朱色の書名を目印にどうぞ!






2026.3.4(水)

「漢字力」の衰え



明日は、啓蟄です。先日、某クイズ番組の「と」から始まる漢字の読み方を答えさせる問題で、「蟄もる」が出題された際、「啓蟄」という単語とその意味を知っていながら、すぐに答え(「とじこもる」です)が浮かばなかったことが悔しく、今年は妙に意識してしまいます。

小さいころから漢字が好きで、小学校の宿題の漢字ドリルや漢字練習帳も苦に感じたことがありませんでした。漢検準1級を取得するため1か月間猛勉強をした中学生のときも、大変ではありつつも、とても楽しかった記憶があります(無事に合格できたからかもしれません)。

しかし、大学生になってから、漢字に限らず文字を手書きする機会が格段に減りました。すぐには気がつきませんでしたが、大学を卒業するころになって自分の「漢字力」があまりにも低下していることを自覚し、恐ろしかったです。「啓蟄」を考えてみても、読めはしますが書けないと感じます。読めるのに、パソコンやスマートフォンでは打てるのに、手書きはできないという事態は、まさに現代病ですね。

いつかは漢検1級を取得したいと思い始めて10年ほど経ちます。さらっと流し読みしてしまいそうになる漢字も、手書きができるか?という視点で立ち止まって考えてみるところから始め、「いつかは……」だった目標を「5年以内に!!」として、ここに宣言したいと思います。






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