進化言語学の構築―新しい人間科学を目指して 藤田耕司・岡ノ谷一夫編 ひつじ書房 進化言語学の構築―新しい人間科学を目指して 藤田耕司・岡ノ谷一夫編 ひつじ書房
2012年3月

進化言語学の構築―新しい人間科学を目指して

藤田耕司・岡ノ谷一夫編

A5判上製 定価4,200円+税

ISBN 978-4-89476-594-8

ひつじ書房


『進化言語学の構築』の誤植について

本文中の以下の箇所に関しまして、誤りがありました。ここに訂正し、深くお詫び申し上げます。
第10章(186頁)

図7の(a)、 (b)の図が逆になっている。正しくは、「(a)相互作用1000 回目の基本要素の配置」は右の図を指し、「(b)相互作用1 万回目の基本要素の配置」は左の図を指す。
*要約*

進化言語学は言語能力の起源・進化を通じて人間の本性の根本的理解を目指す、学際色豊かな研究領域である。この新しい人間科学の最前線の姿を伝えるべく編集された本書は、言語学、認知生物学、生物人類学、脳機能イメージング、遺伝子進化学、ロボット工学、コンピュータ・シミュレーション等々、多彩な関連分野の第一線に立つ研究者たちによる全13章からなる我が国初の専門論文集である。巻末には白熱した討論会の模様も収録した。2012年3月『第9回言語進化の国際会議』(EVOLANG IX)京都大会開催記念出版。




ご注文は、最寄りの書店さんでお願いします。
お店に在庫が無くても、お取り寄せができます。
書店から注文用のチラシ



*目次*


まえがき

第1章 進化言語学の構築を目指して(藤田耕司・岡ノ谷一夫)

1.1 はじめに
1.2 人間科学としての進化言語学
1.3 進化言語学の豊かな学際性
1.4 進化言語学を取り巻く学界の状況
1.5 本書の構成と各論文の位置づけ


●言語学編

第2章 進化言語学の方法論―反証主義と“妥当性”(池内正幸)

2.1 はじめに
2.2 反証主義
2.3 言語進化研究における反証主義
2.4 言語進化研究における“妥当性”
2.5 おわりに

第3章 パリ言語学会が禁じた言語起源(山内肇)

3.1 はじめに
3.2 学術的な背景
3.3 社会的な背景
3.4 結語
3.5 補記

第4章 統語演算能力と言語能力の進化(藤田耕司)

4.1 はじめに
4.2 回帰的統語演算と言語進化
4.3 回帰的Mergeの起源・進化
4.4 残された問題と展望
4.5 むすび

第5章 ブローカ野における階層構造と回帰的計算(遊佐典昭)

5.1 はじめに
5.2 言語進化研究
5.3 内在言語としての言語
5.4 ブローカ野
5.5 むすびに

第6章 行動、認知、社会性に動機づけられた言語―認知言語学と発話行為論の観点から(野澤元)

6.1 はじめに
6.2 一般認知能力に支えられた言語
6.3 複雑な統語構造の起源―非適応論の誤解
6.4 発話行為論から見た言語の機能
6.5 複雑な統語構造と事実確認性の芽生え
6.6 信号に反映される認知
6.7 より事実確認的な信号の出現
6.8 おわりに


●生物学編

第7章 進化言語学の生物学的構築(岡ノ谷一夫)

7.1 はじめに
7.2 相同的推論
7.3 相似的推論
7.4 おわりに

第8章 言語の進化=生き方の進化という観点から(内田亮子)

8.1 はじめに
8.2 人類進化の概要
8.3 言語を可能にする脳
8.4 音声コミュニケーション、身体と道具文化
8.5 霊長類の社会性とコミュニケーション
8.6 社会的認知機能と共同育児説
8.7 文化と言語の「進化」
8.8 言語「進化」とゲノム変異研究
8.9 おわりに

第9章 言語障害と分子遺伝学から考える言語進化(岩本和也・笠井清登)

9.1 はじめに
9.2 精神疾患としての言語障害
9.3 FOXP2と発達性言語協調障害
9.4 言語障害の分子遺伝学からわかること
9.5 言語機能のゲノム基盤(languagenome)の理解に向けて
9.6 おわりに


●シミュレーション・モデリング編

第10章 相互音声模倣による乳幼児の母音獲得の構成的モデル(浅田稔・吉川雄一郎)

10.1 はじめに
10.2 発達の様相と認知発達ロボティクス
10.3 相互音声模倣が導く初期言語発達
10.4 おわりに

第11章 われらの脳の言語認識システムが生み出す音楽(東条敏)

11.1 はじめに
11.2 生成文法と言語の複雑さ
11.3 音楽の進化史
11.4 音楽情報処理
11.5 音楽の進化史が語るもの―おわりに

第12章 言語進化の動的理解生物言語学と構成論的モデルによるアプローチ(笹原和俊)

12.1 はじめに
12.2 生物学から見た言語進化の諸問題
12.3 鳥類の歌の構造原理
12.4 歌の発達学習ダイナミクス
12.5 歌文法の進化ダイナミクス
12.6 まとめと今後の展望

第13章 繰り返し学習モデルによる文法化の構成論的研究―創造性と言語の起源における言語的類推の役割(橋本敬)

13.1 はじめに
13.2 文法獲得の繰り返し学習による文法化の構成論的モデル化
13.3 シミュレーション結果
13.4 言語的類推による創造性
13.5 言語の起源と進化の仮説
(付録:モデルの解説)


★巻末付録
【座談会】「進化言語学を考える」
用語解説

索引
執筆者紹介



書店が最寄りにない場合は、オンライン書店でご注文ください。

 

 



お急ぎの場合は、小社あてにご注文いただくこともできます。
郵便番号、ご住所、お名前、お電話番号をメールか、FAXでお知らせください。
送料420円でお送りします。
新刊案内へ
ひつじ書房ホームページトップへ