1997年11月1日 出版ビジネスセミナー

7日に上記のセミナーで、話しをする。人数が集まらないと流れるという話しだったが、どうやら、少人数でも強行してしまうようだ。雨天決行ということらしい。DTPの意味と可能性、それに加えて、出版の史的考察に挑みたい。

詳細は下記の通り。

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●出版ビジネススクール

○テーマ 小出版社の生き残り作戦

      ・出版の冬の時代をどう乗り切るか?

      ・生き残りのための戦略としてのDTPとインターネット

      ・本の情報をいかにして広め、ストックするか

○講 師 松本 功(ひつじ書房代表取締役)

○日 時 1997年11月7日(金曜日) 6時より8時30分まで

○場 所 日本電子出版協会会議室

    (千代田区神田駿河台2-11-1 駿河台サンライズビル3F)

○会 費 5000円

○主 催 出版ビジネススクール事務局

     千代田区神田神保町2-23 TEL3234-7623 FAX 3238-9420

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 1997年11月4日 ひとつお金を返し終わった

ばかばかしいタイトルとお思いになるかもしれないけれども、以前、お金を借りた話しも書いたし、それなら返した話しも書いてもいいだろう。今まで、いろいろと借金をしてきたが、2度目に借りたお金を5年かかって昨月で返し終わった。これは、まことにありがたくも、うれしいことである。

ただ、まだまだ残念なことに、信用ではなくて、親に保証人になってもらって借りているのが、現状だ。父は、ひつじの校正をしてもいてくれているのだが、これ以上、世話になるわけにもいかない。今は、昨年に出した本が売れなかったつけをなんとか解消しているところだが、もう少し辛抱して、こつこつ進めていかなければならない。

というわけで、ということでもないが、今夜は11月発の泊まりである。どうにか『日本語文法 体系と方法』も校了に近づいた。束見本もとったし、あとわずかである。

 1997年11月10日 言語学書に営業は十分か?

先月のこの日誌で、言語学書の営業はない、ということと、辞書と教科書に力を入れていて単校本が営業されていない、ということを日誌で述べた。この発言は、正確でないところがあった。また、私のことばで再構成され、聞き書きの部分で、本人の発言を正確に伝えていない部分があったので、その部分は削除した。この点で、私の日誌に、事実でないところがあったことを、認め、謝罪したい。

今回も、名古屋に出張し、名古屋では面積的にそれほど大きな売り場面積を持っていない書店でも、言語学の棚はあったようだ。それにしては、東北は、どうして言語学の棚が不十分だったのだろうか。正確な分析ときちんとした営業活動が、今後必要と言うことだろう。東北だけでなく、山陰もどうだろうか?先日、ある県の書店をたまたま見たとき、人文書のコーナーはあったが、その中に言語学の場所はなかったように思う。

やはり、地域によっては、不十分であるということは、あると思われる。これを打開するのは、言語学に関わる出版人の責任なのではないだろうか。

 1997年11月12日 POST再販制の時代を乗り切るための準備をしよう

トーハンと日販の口座が取れて、次の段階にはいったから、簡単に批判が出来なくなった。今までは、トーハンが、再販護持の根拠にしていた、「文化を守る」という発言に対して、「口座を開いてくれていない我々は、文化ではないということであるし、守られていないのに、支持できるかい。」というものだった。もちろん、今でも守られてはいないし、再販制が出版文化を守っているかというと、全然、そうではないという気持ちは変わっていない。しかし、口座が取れた今、POST再販のことを、他人に対する批判だけでなく、実践的に、前向きに考えるためには、とりあえず以下の2点の実行が必要だ。

1 注文品と委託品の区別が付くようにすること

2 委託に全面的に依存しないためには、刊行の2カ月前には、近刊情報を書店さんに提供できるようにすること

などのことが、最低でも必要です。

1については、注文品と委託品のスリップを別々に作って、出荷ごとにひとつひとつ挟み込むこと。

2については、刊行計画を長期的に立てると同時に、詳しい先行注文が、可能なだけの本の紹介の文章を作ると同時に、配布する。

これらのことが、できていなければ、批判は、口だけに終わってしまう。このための人的なコスト、手間、時間をかける準備は、まだまだです。しかし、来年度くらいまでには、用意したい。


 1997年11月13日 21世紀の出版を考える本を書こう

目録『未発』で、予告を出していたが、21世紀の出版社を考える実験の本を、書き始めようとようやく決断した。今の段階で問題点を整理して、今の段階での解決策、問題提起を行いたい。当然、ホームページにて草稿を、公開して、ご批判を仰ぎたい。『日本語文法 体系と方法』を今週の火曜日、『意味と発話行為』の版下を本日、印刷所に渡した。あと『女性の職場のことばのいま』の表紙を作ったら、始めることにしたい。『日本語形態論』は、どうしかたって? おっしゃるとおりです。今、著者が索引の印付けをやっております・・・。


 1997年11月18日 書評ホームページのバナーをお付け下さい

書評ホームページのバナーを真理ちゃんに作ってもらった。よろしければ、みなさんのホームページにバナーを貼って下さい。URLは、www.shohyo.co.jp/としていただければ、幸いです。

 1997年11月20日 同報メールとファックスを多目的に使おう

16日付けの朝日新聞の読書欄の「味読 乱読」で吉見さんがひつじ書房の『読むということ』やリベルタ出版の『メディアリテラシー』を取り上げてくれた。まことにありがたいことである。新聞は、日曜日だったのだが、月曜日、リベルタ出版さんと相談して、共同でファックスを書店さんに送った。380軒だったので190通づつであった。私は、やはり、何か流すべき情報が会ったときに、即座に情報を送れる仕組みを作るべきだと思っている。今回、祥ちゃんに、土曜日出てもらって、ファックスの電話番号をファイルメーカーというデータベースに入力した。データベースに入れたからには、これはデータベースから、ファックスを送れるようにすべきだろう。今夜、夜も更けてから、インターネットで調べてみたところ、マック用には2種類ファックスを扱うソフトがあるようだ。Faxshareとテレコムマネージャーというソフトである。Faxshareの方は、メールサーバーと組み合わせて使えるようだが、基本は4Dというデータベースソフトだ。テレコムマネージャーは、ファイルメーカーであった。私は、テレコムマネージャーが、ファックス用のソフトFAXstfとあわせても、1万強なので、こちらにしようと思っているが、数百軒の場合は、リクルートのサービスと組み合わせて、テレコムマネージャーよりも大規模用のソフトを使った方がいいとその会社は薦めていた。さて、どうしようか。

ファックスで、定期的に400店に情報を流すことができれば、ひつじの存在を知ってもらうことが出来るし、応用編として、言語学関係の出版社とくんで、言語学書のニュースレターを送るとか、メディアリテラシー関係の情報を流すとかも可能だろう。迷惑でないといいが。

これと、今、葉書での注文にはe-mailの連絡先を書いてもらっている。許されるのなら、ひつじの情報も2カ月に一回くらいメールで流したいと思う。すべての人が、ひつじのホームページを定期的に見来てくれるわけではないのだから。こっちも言語学書、全体の情報も流そうか。


日誌 97年10月

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