中世王朝物語の引用と話型 中島泰貴 著 中世王朝物語の引用と話型 中島泰貴 著
2010年2月

中世王朝物語の引用と話型

中島泰貴 著

A5判上製 定価5,800円+税

ISBN 978-4-89476-459-0

ひつじ書房



中世王朝物語とその周辺作品を対象にした、中世的な話型と、王朝物語の引用との関連性についての研究。本書の対象とする中世的な話型とは従来の研究史の中で「悲恋遁世譚」、あるいは「しのびね型」と一般に称されてきた話型のみを指す。本書は、「しのびね型」という話型生成の中に、「中世」という時代に「王朝」物語を繰り返し再生するという一見矛盾した営みを解く、その鍵を見いだそうとするものである。




***

目次

はじめに

序章 中世王朝物語における引用と話型
一 本研究の立場
二 研究史上の位置づけ
三 本研究の意義と目論見
四 本書の構成

第一章 「しのびね型」としての「隆房集」―物語文学史への一視点―
一 はじめに
二 「隆房集」と「しのびね」
三 「隆房集」と「石清水物語」
四 「隆房集」と「海人の刈藻」
五 「隆房集」の時代
六 終わりに

第二章 「葎の宿」題号考
一 はじめに
二 問題の所在
三 「葎」の表現史
四 歌語としての「葎の宿」
五 「葎の宿」と本歌取り
六 「伊勢物語」との関係

第三章 「しのびね型」試論
一 はじめに
二 古本「しのびね」の位置づけ
三 帝と臣下の関係―現存本「しのびね」―
四 帝と臣下の関係 ―「葎の宿」―
五 「しのびね型」の世界観

第四章 「石清水物語」の引用と話型
一 はじめに
二 「引用」される「物語」
三 「罪」を語る「物語」
四 「物語」を共有する男たち(1)―伊予守・秋の侍従―
五 「物語」を共有する男たち(2)―伊予守・帝―
六 終わりに

第五章 「海人の刈藻」の引用と話型 ―秩序の作り方―
一 はじめに
二 「引用」の位相(1)
三 「引用」の位相(2)
四 「心」をめぐる物語
五 引き継がれる物語
六 終わりに

第六章 「うたたね」における物語引用の位相 ―物語引用と回想表現―
一 はじめに
二 作品冒頭部の解釈をめぐって(1)
三 作品冒頭部の解釈をめぐって(2)
四 物語引用の姿勢
五 王朝的世界からの隔絶

第七章 「うたたね」における語り手と物語―「なり行かん果」への眼差し―
一 はじめに
二 語りの「枠」と「場」
三 物語的世界からの距離感
四 中世王朝物語との関わり
五 終わりに

結び
あとがき
初出一覧
索引

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【執筆者紹介】(刊行時)

中島泰貴(なかじま やすたか) 国立岐阜工業高等学校 准教授

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