現代日本語の疑問表現―疑いと確認要求― 現代日本語の疑問表現―疑いと確認要求― 宮崎和人著 ひつじ書房
2005年2月

現代日本語の疑問表現
―疑いと確認要求―

宮崎和人著

5200円+消費税

ISBN4-89476-235-8

ひつじ書房


モダリティ研究の一環としての日本語の疑問文の研究。話し手の思考過程の反映である〈疑いの文〉,話し手の認識の妥当性や聞き手の認識のあり様について確認を求める〈確認要求文〉に焦点を当て,疑問文は,単なる判断不成立や情報要求の文ではなく,疑念解消や情報の共有化を目指す,話し手の主体性にこそ,その本質があることを明らかにする。



目次



序章
1.本書の目的
2.本書の構成と概要
氈@「モシカスルト」類と疑問文の共起
1. はじめに
2. 「モシカスルト」類と「モシカ」「ヒョット」
3. 従来の研究における「モシカスルト」類についての記述
4. 「モシカスルト」類が共起する文の範囲と類型
 4.1 仮定条件節への生起
 4.2 確言の文
 4.3 概言の文
  4.3.1 「カモシレナイ」
  4.3.2 「ダロウ」
 4.4 疑問文
  4.4.1 質問文
  4.4.2 疑いの文
  4.4.3 否定疑問文
   4.4.3.1 「シナイカ」
   4.4.3.2 「シナイダロウカ」
   4.4.3.3 「ノデハナイカ」
   4.4.3.4 「ノデハナイダロウカ」
  4.4.4 確認要求表現
 4.5 否定表現を含む複合辞との共起
5. 可能性の想定と仮定

 推量の疑問化と「コト」
1. はじめに
2. 先行研究について
3. 「コトダロウ」の用法の観察
 3.1 叙述文における「コトダロウ」
 3.2 疑問文における「コトダロウ」
4. 「ダロウ」「コトダロウ」における疑問と非疑問の対立

。 意志と推量の疑問形式
1. はじめに
2. 広義判断形式としての「シヨウ」と「ダロウ」
3. 疑問文のタイプによる未決定段階の表示
 3.1 wh疑問文
 3.2 選択疑問文
 3.3 yes-no疑問文
4. 選択候補提示と有力候補提示
5. 〈勧誘〉〈意見要求〉用法における融合型の視点制約

「 認識的モダリティとしての〈疑い〉
1. はじめに
2. 〈疑い〉の形式の基本的性質
3. 〈疑い〉と可能性―〈疑い〉の形式と「カモシレナイ」―
 3.1 可能性の認識
 3.2 可能性の選択と導入
4. 〈疑い〉の形式としての「ダロウカ」と「ノデハナイカ」
 4.1 「ダロウカ」が表す〈疑い〉の三タイプ
 4.2 〈疑い〉の形式の情報提供機能
 4.3 〈疑い〉の形式の連続的使用
 4.4 〈疑い〉の形式の〈問いかけ〉的使用
 4.5 複合形式「ノデハナイダロウカ」(「ノデハナカロウカ」)
5. 〈疑い〉と推量―〈疑い〉の形式と「ダロウ」―
 5.1 「ダロウ」・「ダロウカ」の対立と「ノデハナイカ」
 5.2 副詞との共起関係から見た三形式の関係
 5.3 疑問文としての機能から見た三形式の関係
 5.4 〈確認要求〉用法における「ノデハナイカ」と「ダロウ」の相違
6. 〈疑い〉の形式の位置づけ

」 確認要求表現の類型
1. はじめに
2. 「ダロウ」の二用法
3. 先行研究の概観
 3.1 用法派生説
 3.2 用法分化説
 3.3 「ダロウ」の確認要求用法の下位分類
4. 推量用法と確認要求用法の関係
5. 確認要求の類型化の観点
6. 〈聞き手依存型〉の確認要求形式
 6.1 推量から確認要求へ―「ダロウ」と「ノデハナイカ」―
 6.2 「ネ」の確認要求機能
7.〈聞き手誘導型〉の確認要求形式
 7.1 「ダロウ」と「デハナイカ」の互換性と確認の対象
 7.2 「ダロウ」と「デハナイカ」の対称性
 7.3 「ダロウ」と「デハナイカ」の聞き手誘導機能の相違
8. 「ネ」と「デハナイカ」の互換性
9. 「ダロウ」における用法派生のメカニズム

、 認識の現場性と確認要求機能
1. はじめに
2. 「ネ」の研究史と問題の所在
3. 独話助辞「ナ」と対話助辞「ネ」
 3.1 聞き手めあて性と文体的特徴
 3.2 「ナ」の諸用法と文体的特徴の有無
  3.2.1 丁寧体の文
  3.2.2 伝聞したことを表す文
  3.2.3 「カナ」
  3.2.4 「ダロウナ」
  3.2.5 「ヨナ」
  3.2.6 間投助辞・呼びかけ語の「ナ」
4. 「ナ」と「ネ」の接点
 4.1 「ナ」の認識的意味
 4.2 「ナ」と認識的意味を共有する「ネ」
5. 「ネ」の確認要求形式化
 5.1 確認要求形式化のメカニズム
 5.2 「ダロウ」「デハナイカ」との類似・相違
6. 行為要求文と「ネ」

・ 確認要求と当為性判断
1. はじめに
2. 従来の研究における「ダロウネ」の取り扱いと問題点
3. 「ダロウネ」と問いかけ性
4. 確認要求表現としての「ダロウネ」
 4.1 確認系「ダロウネ」の使用条件
 4.2 〈当為確認〉における命題構成
 4.3 〈当為確認〉から〈懸念確認〉へ
  4.3.1 「ダロウネ」と否定
  4.3.2 「ノデハナイダロウネ」
5. wh疑問型「ダロウネ」
6. 確認要求と当為性判断

ヲ 否定疑問文の述語形態と機能
1. はじめに
2. 「ノデハナカッタカ」と「ノデハナイカ」
 2.1 「デハナイカ」の類型と「ノデハナカッタカ」
 2.2 テンスの対立について
 2.3 確認要求表現としての性格の違い
 2.4 概言副詞との共起
3. 否定疑問文の体系と「ノデハナカッタカ」
 3.1 否定疑問文の述語形態
 3.2 動詞述語の場合
  3.2.1 「シナカッタカ」と「Vノデハナカッタカ」
  3.2.2 「Vノダッタ」と「Vノデハナカッタカ」
  3.2.3 「Vノデハナイカ」の位置づけ
  3.2.4 例外的な用法
  3.2.5 動詞述語類のまとめ
 3.3 名詞述語の場合
  3.3.1 動詞述語の場合との違い
  3.3.2 〈推測確認〉
  3.3.3 〈仮説提示〉
  3.3.4 〈記憶確認〉
  3.3.5 名詞述語類のまとめ
4. 「ノデハナカッタカ」と「ハズダ」「ヨネ」

参考文献
索 引
あとがき


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