動詞九章

動詞九章 高橋太郎著 ひつじ書房
11月10日★


動詞九章

高橋太郎著

4200円+消費税

ISBN4-89476-213-7

ひつじ書房

 
●●●目次

第1章 動詞とはどんな品詞か
1.動詞とは
2.文と単語、そして名詞と動詞
3.文の内容とのべかた
4.ムード、テンス、活用
5.述語、用言、そして動詞
6.運動をあらわすこととアスペクト
7.運動への参加者、格支配、ヴォイス
8.意志動作と使役・やりもらい・もくろみ
9.まとめ

第2章 動詞の語形とパラダイム
1.語形、カテゴリー、パラダイム
2.パラダイムのシステム
3.副動詞、動名詞、文法的な派生形容詞
4.その他の形式
5.終助辞、接続助辞のついたかたち
6.動詞のとりたて語形
7.語形つくりのてつづき

第3章 アスペクト(その1)
1.いちばん基本的なこと
1)アスペクトとテンスの4語形
2)完成相と継続相
3)動作動詞と変化動詞
2.アスペクトと局面
2.1.アスペクトは基本的に局面とかかわること
1)アスペクトに局面がかかわること
2)局面の基本的なとりだしかた
3)始発の局面をとりだすばあい
4)変化の局面をとりだすばあいと変化完成の局面をとりだすばあい
5)結果の局面をまるごととりだすばあい
6)移動動詞の局面構成
7)以上のことから
2.2.局面をとりださない動詞
8)瞬間的な動作をあらわす動作動詞
9)局面に分析できない、まるごと動詞
2.3.ふたつの局面をとりだす、パーフェクト
10)パーフェクトと、その局面のとりだしかた
11)結果パーフェクトと変化パーフェクト
3.その動詞のあらわす個々の運動を局面に分析せず、それをふくむ、よりおおきなプロセスをとらえるアスペクト
1)くりかえしをあらわすばあい
2)以前のできごとを経歴・記録としてあらわすばあい
4.完成相と継続相の対立が基本的でないばあい
1)「いく」「くる」のばあい
2)心理体験を、体験しながらそのまま直接のべるばあい
3)静態をあらわすばあい
4)現象からぬきだした属性をあらわすばあい
5.アスペクトの発展
1)「する」と「して いる」の対立の発展
2)アスペクトからテンスへ

第4章 テンス(その1)
1.現代日本語のテンスについて
1)テンスとテンス語形
2)完成相のテンスと継続相のテンス
3)デキゴトをあらわさないと、テンスから解放される
4)以前の完成をしめす「して いる」「して いた」
2.完成相のテンス
1)完成相非過去形のテンス
2)完成相過去形のテンス
3.継続相のテンス
1)継続相非過去形のテンス
2)継続相過去形のテンス

第5章 ヴォイス
1.ヴォイスとヴォイス動詞
1)ヴォイスとは
2)ヴォイスの種類
3)文法的なヴォイス動詞と語彙的なヴォイス動詞
2.ヴォイス動詞とその用法
1)能動動詞
2)うけみ動詞
3)使役動詞
4)相互動詞
3.ヴォイスのサブカテゴリーと、その対立構造
4.ヴォイス動詞による統合価の拡大
5.ヴォイスからの解放
6.ヴォイスの発展
1)可能動詞とうけみ形式の分化
2)ヴォイスの発達

第6章 テンス(その2)
4.テンスの変質とテンスからの解放
1)述語性の喪失とテンス
2)ムード性の変質とテンス
3)デキゴト性の消失とテンス
5.文脈とテンス
6.テンス形式の発展
6.1.継続相のパーファクトの用法をとおして、前現在・前過去へ
1)継続相によるパーフェクト
2)継続相による経歴・記録の用法
3)継続相による前過去・前現在の用法
4)時間位置を6箇所にすることと、テンスの発達
6.2.〈過去〉というとらえかたと〈現在以前〉というとらえかた
1)「しなかった」と「して いない」
2)「すでに」「まだ」と共存するかたち
6.3.非終止形において以前や過去をあらわす継続相形式
1)以前をあらわす「して いる」の中止形
2)過去をあらわす継続相の条件形
6.4.反実仮定の表現にあらわれる継続相形式をどうとらえるか
6.5.〔考察〕時間の表現と現代

第7章 アスペクト(その2)―アスペクト的なものの表現にかかわるいくつかの形式―
4.局面動詞と、局面分割のあらわれる場
1)局面動詞とは
2)外観を前提にした精密化のなかで
3)他の運動との時間的な関係
5.対象変化動詞と、対象にかかわるアスペクト
1)「して おく」のアスペクト的な用法
2)「して ある」のアスペクト的な性格
6.ちかづき動詞ととおのき動詞のアクツィオンスアルト的な性格とアスペクト
1)移動動作にかかわるばあいのアスペクト
2)ある時までの持続をあらわす「して くる」と、あるときからの持続をあらわす「して いく」
3)出現の過程をあらわす「して くる」と、消滅の過程をあらわす「して いく」
4)変化の進行をあらわすばあい
5)「して いく」「して くる」のアスペクト的な性格
7.状態の発生と状態の終了
1)「して しまう」は状態の結末とかかわる
2)「ふとりはじめる」と「ふとって くる」のちがい
3)「して しまう」と「して くる」の対比
8.運動の局面構成と静態の局面構成

第8章 動詞が述語でなくなるとき
1.単語の性格に影響する機能
1)単語の品詞性―意味・機能・形態―
2)機能と品詞性
2.動詞が連体形になるとき
1)デキゴトをあらわす連体句節の述語動詞のテンス
2)デキゴトをあらわす連体句節の述語動詞のアスペクト
3)規定語になった連体形の形態論的な性格
4)以前をあらわす「して いる」の連体形
3.動詞が中止形になるとき
1)中止形が述語性をもつ用法
2)中止形が拡大成分としてはたらくとき
3)形態論的な性格
4)以前をあらわす「して いる」の中止形
4.動詞が条件形・譲歩形になるとき
1)条件形・譲歩形の性格
2)条件形・譲歩形でつくられた句節の性格
3)条件節の用法
4)条件形が条件をあらわさないばあい
5)条件形の用法のまとめ
6)条件形から発展した形式
7)譲歩節の用法
5.動詞が副動詞や動名詞になるとき
1)副動詞
2)動名詞

第9章 動詞が動詞らしさをうしなうとき
1.はじめに
1)この章のテーマ
2)動詞らしさをうしなうとき
3)動詞がほかの品詞にかわるとき
2.動詞の中止形から副詞・後置詞へ
1)動詞の中止形から副詞へ
2)動詞の中止形から後置詞へ
3.動詞の連体形から形容詞相当語・後置詞へ
1)動詞の連体形から形容詞的なものへ
2)動詞の連体形から後置詞へ
4.条件形から後置詞・陳述副詞・接続詞へ
1)動詞の条件形から後置詞へ
2)動詞の条件形から陳述副詞へ
3)動詞の条件形から接続詞へ
5.指示動詞の中止形、条件、譲歩形から接続詞へ
6.動詞の述語形式からコピュラへ
1)コピュラについて
2)動詞の述語形式からコピュラへ
7.本動詞から補助動詞などへ

文献のために
索引



●著者紹介
高橋太郎(たかはしたろう)

1927年京都市にうまれる。京都大学文学部卒。国立国語研究所(言語体系研究部長)を定年退職ののちも、精力的に動詞の研究をつづけながら、麗澤大学、立正大学、関西外語大学ほかで学生の教育にも力をそそぎ、数おおくの若手研究者をそだてる。
博士(文学)。国立国語研究所名誉所員。
主著に『幼年教育講座4 日本語の教育』(共著、黎明書房)、『現代日本語動詞のアスペクトとテンス』(秀英出版)、『動詞の研究 動詞の動詞らしさの発展と消失』(むぎ書房)などがある。




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