パスタが教えてくれたこと
突然ですが、私は麺類が大好きです。麺類のなかでも特にパスタが好きで、朝食として食べる日もあるくらいです。中学生だった私はある日、レストランのメニューで「トマトソースのスパゲティ」という表記を見かけ、「パスタとスパゲティは何が違うのだろう?」と疑問に思いました。
調べてみると、「スパゲティはパスタの一種」という包含関係にあることがわかりました。しかし、一度は納得したもののしばらくすると、どちらが上位概念だったかを忘れてしまい、そのたびに調べ直すことを繰り返していました。そんななかで知ったのが、パスタという言葉が「ペースト」と同じ語源を持ち、「粉を練ったもの」を意味するという事実です。この背景を知ったことで、単なる知識としてではなく、意味のまとまりとして理解できるようになり、以後この関係を忘れることはなくなりました。当時愛用していた「ロゼット洗顔パスタ」という洗顔料の商品名の由来まで腑に落ちたこともあり、知識同士が結びつく感覚を強く覚えています。
この経験から、単語を覚える際には、語源や成り立ちといった「核となる意味」を押さえることが非常に有効だと実感しました。語源がはっきりしない単語もありますが、可能な範囲で背景を理解し、関連付けて記憶することで、知識が点ではなく線や面として定着していくように感じます。それまで自分は記憶力があまり良くないと思い込んでいて、学校では英単語の小テストのたびに憂鬱な気持ちになっていました。しかし、実際には丸暗記が苦手なだけで、意味を理解したうえで整理すればむしろ安定して覚えられるタイプなのだと気づきました。この気づきは、学ぶことそのものに対して前向きになれる大きな転機でした。
現在の業務においても、この姿勢は非常に重要だと感じています。ひつじ書房での業務には、手順やルールを覚える場面が多くありますが、「なぜこの工程が必要なのか」「どの業務とどうつながっているのか」を理解することで、作業の正確さや判断の速さが大きく変わると感じることが増えてきました。意味を理解していれば、イレギュラーな対応が必要になった際にも、状況に応じて考え、応用することができます。
年度末が近づき、日々の業務が慌ただしくなる中ではありますが、だからこそひとつひとつの作業を単なるルーティンとして処理するのではなく、その背景や目的を意識しながら取り組むことを大切にしたいです。業務の意味を理解し、関連付けて覚える姿勢を持ち続けることで、忙しい時期であっても安定した質で業務を行えるよう努めたいと決意を新たにしています。
|