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2020.8.3((月))

Wordでレイアウト設定 版面横幅編


Wordでレイアウトをこまごまと変更する時の挙動は分かりづらく、今回レイアウトの設定を少し詰めてみたので、備忘録的に記します。

今回29字×22行のフォーマットを作成したいと思いました。長くなるので、今回は文字数の点のみに絞ります。

私の手元のWordを開いて、「文章のレイアウト」を見ると、40字×36行になっていることが分かります。数えてみても1行に40字入っています。



これを29字×22行に変更しました。



無事1行あたり29字となっています。しかし、お分かりでしょうか。字間が妙に空いています。これは気になります。あまり気にならないかもしれませんが。
「字送り」というのは文字の真ん中から次の文字の真ん中までの距離を表すもので、これを変更すれば字間が詰まりそうなものです。しかし、これを変更すると文字数も連動してしまい、使えません。



上記のように、和文の本文は、通常文字の間隔は空けません。正方形が並ぶ形、これをベタ組みと言います。

Wordの方で、ベタ組みにするためには、文字間にスペースが入らないように版面の横幅を小さくする必要がありそうです。そのため、余白の変更をしないといけません。


・設定編

今回は文字のサイズを12ポイントにすることにしました。本文のサイズを12ポイントに変更して、ここではポイントだと計算しにくいので、ミリに直して考えます。1ポイントの大きさは、0.35277...ミリです。

そこから版面の横幅を計算できます。0.3527(ミリ)×12(ポイント)→1文字あたりの大きさ4.2324ミリ×29(字)=122.7396ミリ、これが文字の入る範囲、版面の横幅となります。
紙は標準的なA4にしています。A4の紙の横幅は210ミリです。

つまり、210(A4のサイズ)-122.7396(版面の横幅)=87.2604

これが余白の大きさとなります。左右に余白が入るので、2で割ると、43.6302ミリが、左右それぞれの余白となることが分かりました。デフォルトでは30ミリが左右の余白となっています。



ここに入力してみましょう。文字数も再度入力します。


するとこうなります。



???
1行に29字入っていません。「これは」の3文字が溢れています。なぜかと言うと、見た目上は12ポイントの文字ですが、レイアウト上はデフォルトの10.5ポイントという風にWordが認識しているからです。試しにこの文字を選択して、10.5に変更すると一行に収まります。つまり、見えない10.5ポイントのマス目が29文字分ここには入っていて、12ポイントの文字を入力するとあぶれた分が次の行に行ってしまっているということなのでしょう。何を言っているか分からないと思いますが、私も分かりません。はい。

そのためどうするかと言うと、レイアウトの設定から、文字ポイントを変更する必要があります。「フォントの設定」から(文字数29字になっているのにな…)、



文字サイズを12ポイントに変更しました。



変更をすると文字数の設定が狂っているので再度29字にしてOKを押すと、無事収まったようです。



しかし、ポイントをミリに換算した際に、端数の7が続くのを切り捨てているし、余白の設定も後から見ると、小数点第二位以下は切り捨てられています。



だから、本当は微妙な端数の関係で綺麗に収まるはずはないのですが、そのあたりはWordがわずかに文字間を調整しているのでしょう。


以上がWordで版面の横幅を設定するときの流れとなります。

まとめると、

1.初めに本文のポイントサイズ、1行あたりの文字数を任意に決定。
2.版面の横幅を計算。
3.[文書のレイアウト]に余白を入力。
4.[文書のレイアウト]に文字数、[フォントの設定]に文字サイズを入力。

という流れになるでしょうか。

素直に考えて、[文書のレイアウト]で文字サイズと1行あたりの文字数を入れたら、余白が自動で変更されて欲しいものですが、そうはなりません。まずは余白から設定する必要があります。

これはなぜかと考えると、おそらくWordがアメリカの会社によって作られたものだからではないでしょうか。
欧文を入力する為に作られたものだからです。

上で見たように、和文の文字は正方形で作成されていますが、欧文のアルファベットは、一文字ずつ大きさが違うので、文字サイズと文字数で自動的に版面が決まるということがありません。



版面に合わせる際には、単語間のスペースで調整をしています。
レイアウト関係のデザイン書を見ると、版面の設計でまず初めに基本として出てくるのは、だいたいが黄金比に基づいた版面設計です。


『グラフィックデザインにおける秩序と構築』(ビー・エヌ・エヌ新社 2020)

このように、本を開いたときに、美しく見える比率で、版面の範囲を決める手法です。(他にも様々な比率と、その際の印象がこの本にはまとめられていて、おすすめです)

和文で考えたとき、こういう風に初めに版面の範囲を決めてから、本文の文字数を設定するということもできなくはありませんが、小数点以下の数字が出てきそうなことが予想できると思います。和文組版では、これまで私が見聞きした限り、文字サイズを小数点以下まで細かく設定するということはありません。あったらすみません。

基本的に、和文組版とは考え方が違うのかなぁと感じます。

出版社として、執筆のための本文フォーマットをWordで作るということはよくあることですが、きちんと設定するためにはとても大変です。

ただ、ここまでベタ組みを前提に書いてきましたが、Wordをそのまま印刷するわけではないので、そもそもベタ組みにする必要はないとも考えられます。実際、これまでそこまで厳密に考えてはきませんでした。

字間が少しくらい開いていてもほぼ気づかないし、むしろディスプレイ上はある程度字間が空いている方が見やすいかもしれません。そのあたりはきちんと考えた方が良いでしょうね。

※文書のレイアウト設定欄にある、「標準の字送りを使用する」にチェックを入れると、「フォントの設定」さえすれば自動的にベタ組みとなり、余白は右側で調整されることが分かりました。その場合、右側の余白で調整がされるので、文章が真ん中に来なくても気にならなければ楽な方法だと思います。他にも良いやり方があればお教えください






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