研究会の趣旨][過去の研究会の活動][ホームページ

2004.6.1更新

第2回メディアとことば研究会
場所: 東洋大学、大阪大学(TV会議)
日時: 2003年6月7日(土)

発表者:
東京 岡田光弘(国際基督教大学)
大阪 真田敬子(神戸大学大学院文学研究科)


【東京会場】
発表者: 岡田光弘(国際基督教大学)
タイトル:
スキーという表象
キーワード:
ヴィデオ分析、インストラクションの言葉、可能にするテキスト、前提の分析

概要:
 「言葉はもともと魔法だった」(Steve de Shazer)といわれるが、そうした魔法を支える仕掛けについて、スキーヴィデオを題材として解析できればと考えている。 ここでいう、スキーヴィデオとは、スキーとは、何かを表象するヴィデオである。そ うしたヴィデオは、スキーの楽しさ、スリルを「感じ」させてくれる。また、時には、スキーヴィデオは、「知的に」、スキーと他の(スノー)スポーツとの異同などについて情報を与えてくれるものになっている。いずれの場合でも、ヴィデオを観るということは、特定の映像をどのような視点でみるべきかという具体的なインストラクションの言葉と結びついて成り立つ出来事であるといえるだろう。

 スキーヴィデオのなかでも、ある種のものを、特に、インストラクション・ヴィデオと呼ぶことができるだろう。そうしたものは、まさに「百聞は一見にしかず」という言葉が当てはまるように、それを観て、解説(インストラクション)を聞くこと で、何かができるようになるというセールスポイントを持っている。インストラクションの言葉とは、特定のシークエンスにおいて、画像と並置されることで、画像の何をどう観るべきかを指し示すものである。本報告では、以上の視角から具体的なスキーヴィデオを題材に、その組織化とそこで伝えられている内容について解析していく。


【大阪会場】
発表者: 真田敬子(神戸大学大学院文学研究科)
タイトル:
女性雑誌における読者紹介記事の談話分析
キーワード:
批判的談話分析(CDA)、女ことば、アイデンティティ、商業主義

概要:
 女性雑誌の研究は、社会学や文学からの研究に加え、近年、批判的談話分析や言語とジェンダー研究など、言語学からのアプローチが盛んになり、学際的に研究が進められています。
 本発表では、日本の女性雑誌の中でも特に一般女性を読者モデルとして多数掲載する雑誌を対象に、女性雑誌が一般女性をどのように表象し、どのようなアイデンティ ティを構築し、それによって読み手にどのようなメッセージを伝えようとしているかを、談話分析によって明らかにしたいと思います。また、時間があれば、雑誌掲載経験者を対象に行った小規模なフィールド調査についても報告したいと思います。
 女性雑誌と読者の関係の様々な側面について、皆様と議論ができれば幸いです。