日本語教育の新しい地平を開く 筒井通雄、鎌田修、ウェスリー・M・ヤコブセン 編 日本語教育の新しい地平を開く 筒井通雄、鎌田修、ウェスリー・M・ヤコブセン 編
2014年3月刊行

シリーズ言語学と言語教育 30

日本語教育の新しい地平を開く

牧野成一教授退官記念論集

筒井通雄、鎌田修、ウェスリー・M・ヤコブセン 編


装丁者 吉岡透(ae)/明田結希(okaka design)

A5判上製  定価6,000円+税

ISBN 978-4-89476-655-6

ひつじ書房

Linguistics and Language Education Series 30

New Horizons in Japanese Language Education

Edited by
Michio Tsutsui, Osamu Kamada, Wesley M. Jacobsen


【内容】
本書は、2012年5月、プリンストン大学・牧野成一教授の退官記念を兼ねて開かれた「第19回プリンストン日本語教授法フォーラム特別大会」での3つのラウンドテーブルにおいて発表された論文と各ラウンドテーブルの総括をまとめたものである。言語学、文化学、第二言語習得、教授法、およびOPIにおける問題を、牧野先生を含む日米第一線の研究者が日本語教育の観点から論じた論文と討論総括記事(マグロイン花岡直美、筒井通雄、ナズキアン富美子)を掲載する。論文執筆者:ウェスリー・M・ヤコブセン、松本善子、岡まゆみ、當作靖彦、牧野成一、坂本正、畑佐由紀子、ハドソン遠藤陸子、鎌田修、渡辺素和子、ジュディス・リスキン-ガスパロ



【目次】



第1部 日本語教育と言語学・文化学

「目に見えない構造」はどう習得されるか―言語研究の観点から見た言語教育―
ウェスリー・M・ヤコブセン
1. はじめに
2. 第一言語習得、第二言語習得の相違点
3. 言語教育者の直面する困難
4. 言語研究の教育への貢献
5. 「目に見えない構造」の代表例としての項構造
6. 項構造は母語話者にとって現実のものなのか
7. 項構造にまつわる文法現象
8. 項構造を無視することから起こる誤解
9. 項構造以外の「目に見えない」構造
10. 「目に見えない」構造はどう習得されるか
11. おわりに

メタファーが内包する文化相互理解の可能性と日本語教育におけるメタファーの活用
岡まゆみ
1. はじめに
2. 日本語教育の観点から見たメタファーの定義と分類
3. 言語活動におけるメタファーの機能
4. メタファーと文化理解との関連性
4.1 メタファーが内包する文化相互理解の可能性
4.2 日英同形メタファー例の日英の意味の比較
5. 日英共通メタファーと言語習得論との関連性
5.1 スキーマの活性化における日英共通メタファーの有効性
5.2 言語相互依存仮説と日英共通メタファーの関連性
5.3 日本語教育における母語活用の再考
5.4 日英共通メタファーを日本語教育で使用することの利便性
6. 日英共通のメタファー表現を生かした教材の開発
7. おわりに

多様性の認識
松本善子
1. はじめに
2. 使われている日本語の多様性
2.1 文体の選択とその機能
―文体を組み合わせることで、多角的な人物像を出す
2.2 対称詞、他称詞の使い分け―話題の人との関係を様々に表わす
2.3 連体修飾の色々
3. 提言―多様な日本語の意味すること

言語教育における文化のリテラシーとその評価
當作靖彦
1. はじめに
2. 言語教育のパラダイムシフト
2.1 言語の目的
2.2 言語教育の目標
2.3 「外国語教育のめやす」
3. 文化の教育と評価
3.1 文化の教育
3.2 文化能力の評価
4. 最後に

ラウンドテーブル1の総括
マグロイン花岡直美
1. はじめに
2. 明示的に指導するべきか?
3. 文化能力
4. 反復
5. おわりに

第2部 日本語教育と第二言語習得・教授法

明示的学習・暗示的学習と日本語教育
坂本 正
1. はじめに
2. L1習得とL2習得の違い
3. 明示的学習・暗示的学習
4. 明示的知識と暗示的知識の比較
5. インターフェイスに関する研究
6. 宣言的知識と手続き的知識
7. 脳科学の知見
8. 明示的知識/暗示的知識とインプットとインテイクとの関係
9. プロフィシェンシーの意味
9.1 OPIにおけるプロフィシェンシーの意味
9.2 第二言語習得研究におけるプロフィシェンシーの意味
10. プロフィシェンシーと明示的知識・暗示的知識と
自動化の関係
11. プロフィシェンシーを伸ばすための方法
12. まとめ
13. 今後の課題

コミュニカティブ・アプローチと日本語らしさ
畑佐由紀子
1. はじめに
2. コミュニケーション能力とは
3. コミュニカティブな言語指導(CLT)
3.1 CLTの特徴
3.2 CLTの妥当性
3.2.1 CLTと談話能力
3.2.2 CLTと言語能力
3.2.3 CLTと社会言語能力
3.2.4 CLTとフォーミュラ能力
4. まとめと今後の課題
日本語能力試験N2受験準備のための講座―実践とその意義―
ハドソン遠藤陸子
1. はじめに
2. 講座の内容
3. 模擬試験の結果
4. 学期末アンケート調査の結果
4.1 自己評価の質問
4.2 講座に関する質問
5. 考察
6. おわりに

翻訳法の復権をめざして
牧野成一
1. はじめに
2. 翻訳で失われるシフト現象
2.1 時制のシフト
2.2 フォーマリティ・シフト
2.3 人称とそのシフト
3. 翻訳と日本語教育(特に、読解教育)
3.1 学習者/教師が翻訳の限界を知る
3.2 学習者/教師は翻訳を通して外国語学習の目標に挑戦する
4. まとめ

ラウンドテーブル2の総括
筒井通雄
1. 明示的学習/知識と暗示的学習/知識
2. 明示的指導と暗示的指導
3. フォーミュラ能力
4. 翻訳

第3部 日本語教育とOPI

ACTFLプロフィシェンシー・ガイドライン(話技能)―2012年改訂版について―
牧野成一
1. はじめに
2. PGSのどこがどう変わったのか
3. まとめ

OPIにおける“維持(sustain)”の概念に関する一考察
鎌田 修
1. はじめに
2. 背景
3. 問題点―プロフィシェンシーとグローバルタスク
4. おわりに

OPIから学べること―コンテクストと談話に基づいた指導の重要性―
渡辺素和子
1. はじめに
2. 問題の検証
2.1 学習者の失敗例
2.2 テスターの失敗例
3. 上級話者と語用論
3.1 上級話者の定義
3.2 会話をするという行為の意味
4. 対策
4.1 学習者への対策
4.2 教師への対策
5. 結論

The OPI at Age 30 Contributions, Limitations, and a View to the Future
Judith E. Liskin-Gasparro
1. Introduction
2. The ACTFL Guidelines and the OPI: The First Paradigm Shift
2.1 Early Impact
2.2 Institutionalization of the ACTFL Guidelines and the OPI
3. Early Critiques of the OPI
3.1 Validity
3.2 Language Elicited by the OPI
4. A New Paradigm Shift?
4.1 The Nature of the Proficiency Construct
4.2 Interlocutor Effects in Proficiency Tests
4.2.1 Interviewer Impact on Interviewee Discourse
4.2.2 Interviewer Impact on Proficiency Ratings
5. Future Research Directions

ラウンドテーブル3の総括
ナズキアン富美子
1. はじめに
2. OPIに関する疑問点
2.1 「口頭運用能力」とは何か
2.2 OPIと現実性
2.3 OPIという方法で本当に口頭運用能力は測れるのか
2.4 OPIの固有性と汎用性
2.5 OPIの評価をどう解釈すべきか
2.6 OPIと相互作用能力
2.7 日常の教室活動への応用
3. 最後に

Appendix 各論文の要約一覧(英語)
牧野成一先生業績・記念論文集一覧
執筆者紹介

【編者紹介】
筒井通雄(ワシントン大学人間中心設計工学科教授・科学技術日本語プログラム主任)
鎌田修 (南山大学大学院人間文化研究科言語科学専攻教授)
ウェスリー・M・ヤコブセン(ハーバード大学東アジア文明言語学科教授)

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