ひつじ書房 国語科教師の学び合いによる実践的力量形成の研究 細川太輔著 国語科教師の学び合いによる実践的力量形成の研究―協働学習的アクション・リサーチの提案 細川太輔著 ひつじ書房
2013年4月

国語科教師の学び合いによる実践的力量形成の研究―協働学習的アクション・リサーチの提案

細川太輔 著

装丁 上田真未

A5判上製 定価4600円+税

ISBN 978-4-89476-639-6

ひつじ書房


*内容紹介*

著者は、教師が研究者から正しいとされる指導法を押し付けられ、人間性を否定されてきた場面を多く見てきた。本書では「協働学習的アクション・リサーチ」という教師の学び合いを提案する。教師が互いに実践を見せ合い、ライフストーリー(生の語り)を語り合うことにより、実践の根本的な枠組みであるフレームを分析する。実践の違いを違いとして受け止め、個性的な教師として成長していくプロセスを明らかにした。力との差異と関係性をとらえ、人間精神の根幹で働くその活動に捜査の光を投じる。


*目次*

はじめに

序章 本書の目的と構成
 1. 現在の国語科教師の問題―指導技術だけで足りるのか
 2. 研究の目的と構成
 3. 研究の方法

I部 教室で子どもから学ぶ研究―教師学習的アクション・リサーチとは

第1章 教師学習的アクション・リサーチの方法論
 1. アクション・リサーチとは
 2. アクション・リサーチが注目されるようになった背景
  2.1 質的研究・事例研究から
  2.2 ドナルド・ショーンの実証主義批判
 3. 実践知とは
  3.1 実践知の暗黙的な側面
  3.2 実践知の状況的な側面
  3.3 実践知の即応的な側面
 4. フレーム分析
 5. フレームとライフストーリー
 6. アクション・リサーチの意義
  6.1 目の前の子どもの利益に
  6.2 読者のフレームの変容
 7. アクション・リサーチの方法
  7.1 日本語教育から
  7.2 環境教育から
 8. 教師学習的アクション・リサーチの方法論―国語科教育にアクション・リサーチを導入するにあたって
  8.1 フレーム分析―人を対象にする研究
  8.2 記録をとる「出来事」を記録し、ナラティブ様式で自分を語る
  8.3 共有できる論文を書く―読者である教師へのフレームの公開

第2章 教師学習的アクション・リサーチの実践―作文教育におけるフレームの変容
 1.実践の場について
 2.実践の物語化―実践の意味が明確に
  2.1 2002 年度
  2.2 2003 年4 月 大学院での演習
  2.3 作文の時間の創設2003 年度1, 2 学期
  2.4 2003 年度3 学期
 3. フレームの明確化
 4. フレームの相対化

第3章 教師学習的アクション・リサーチの意義と課題
 1. 意義
  1.1 教師の成長のプロセスをとらえる
  1.2 教師の成長を複線的にとらえる
  1.3 教師教育に関連する教師が自ら学ぶ研究
 2. 課題
  2.1 フレームの分析が浅い
  2.2 教師の学び合いが考慮されていない

II部  教師が学び合う研究 協働学習的アクション・リサーチとは

第1章 国語科教育における教師の専門性研究
 1. 教師の専門性研究
 2. 教師の実践知研究
  2.1 授業カンファレンス
  2.2 授業リフレクション
  2.3 予想不可能事象の研究
  2.4 アクション・リサーチ
  2.5 実践知研究のまとめ
 3. 教師の時系列的研究
  3.1 ライフコース研究
  3.2 研究
  3.3 ナラティブアプローチ
  3.4 教師個体史研究
  3.5 時系列的研究のまとめ

第2章 協働学習的アクション・リサーチの研究方法
 1. 協働学習的アクション・リサーチの基本的な考え方
  1.1 具体的な実践とライフストーリーの融合
  1.2 教師の側から見る研究を
  1.3 トライアンギュレーション
 2. 協働学習的アクション・リサーチの定義・意義
 3. 国語科教育における意義
 4. 具体的な研究方法
  4.1 授業を見合う
  4.2 違いを見つける(フレームの明確化)
  4.3 違いを明らかにし、ライフストーリーと結びつける(フレームの相対化)
  4.4 フレームの変容

第3章 協働学習的アクション・リサーチの実践1―4 年間の国語科教師の学び合いとフレームの変容
 1. 実践の概要
 2. 実践の変容
  2.1 2004 年6・7 月
  2.2 2004 年8 月
  2.3 2004 年11 月〜 2005 年3 月
  2.4 2005 年4 月
  2.5 2005 年6 月
 3. 教師の変容とフレーム「叫ぶ」と「語る」
 4. 教師の変容と子どもの変容

第4章  協働学習的アクション・リサーチの実践2―学部4 年生によるフレームの発見
 1. 問題意識
 2. 研究の目的
 3. 研究方法
  3.1 研究の対象
  3.2 研究の方法
 4. 授業の実際
  4.1 授業I―2 つの詩をくらべよう
  4.2 授業II―絵の描き方を相手にわかりやすく説明しよう
 5. 気付いた実践の違い
  5.1 話し合いのもたせ方の違い
  5.2 話す力の違い
 6. ライフストーリーとの結びつき
  6.1 話す力とライフストーリー
  6.2 話し合いとライフストーリー
 7. 考察
  7.1 フレームの明確化と準備教育としての教育実習
  7.2 司会者の役割
 8. 課題
  8.1 教育実習に活かすには
  8.2 本質性の問題

第5章  協働学習的アクション・リサーチの実践3―2 年後に学生のフレームはどう変容したか
 1. 研究の目的
 2. 研究方法
  2.1 研究の対象
  2.2 研究の方法
 3. 授業の実際
  3.1 授業氈\ごんぎつね
  3.2 授業―おにたのぼうし
 4. 新しいフレームの発見
 5. 以前のフレームの変容
  5.1 グループ学習について
  5.2 話す力について
 6. 考察
  6.1 教師の成長―寛容さについて
  6.2 教師の変容の背景―2 種類の教師としてのライフストーリー
  6.3 教師になっていくこと―学習者でなくなること
  6.4 課題

第6章 協働学習的アクション・リサーチの実践4―教育実習における協働学習的アクション・リサーチ
 1. 課題意識
 2. 研究方法
  2.1 研究の対象
  2.2 研究の方法
 3. 授業の実際
  3.1 授業氈\事実の文と意見の文
  3.2 授業―著者の主張を考えよう
 4. フレームの明確化の過程
  4.1 フレームの明確化―板書の違いについて
  4.2 ライフストーリーとの結びつき
 5. 考察
  5.1 板書とライフストーリー
  5.2 課題
   5.2.1 司会の役割について
   5.2.2 客観性について
   5.2.3 フレームの浅さについて

終章 協働学習的アクション・リサーチの課題と展望―子どもの学びを深めるために
 1. 結論―学び合いの重層構造・アクション・リサーチの二重構造
 2. 課題と展望

おわりに
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