構想力と想像力―心理学的研究叙説 半田智久著 ひつじ書房 構想力と想像力―心理学的研究叙説 半田智久著 ひつじ書房
2013年4月

構想力と想像力―心理学的研究叙説

半田智久著

カバーアート 市川江津子

A5判上製 定価6800円+税

ISBN 978-4-89476-588-7

ひつじ書房


*内容紹介*

現代社会では種々の構想が語られ、構想力の大切さが指摘されている。だが、構想やその力とは何なのか。辞書や哲学ではしばしば構想とは想像と同義としている。では求められる構想力とは想像力に他ならないのか。否だろう。では心理学は構想をどう捉えているか。記述が見あたらない。本書は想像とその力に関する探究を振り返り考察しつつ、構想とその力との差異と関係性をとらえ、人間精神の根幹で働くその活動に捜査の光を投じる。


*目次*

はじめに

  想像編

第一章 想像に関する言説
 1.1 想像に対する探求、初期心理学に至るまで
  1.1.1 プラトンとアリストテレス
  1.1.2 心像、観念、概念、イメージ、表象
  1.1.3 古代から中世へ
  1.1.4 イコンと偶像破壊
  1.1.5 サン・ヴィクトルのリカルドゥス
  1.1.6 トーマス・アクィナスと想像力
  1.1.7 ルネサンスから近代へ
  1.1.8 経験論と想像力
  1.1.9 実験心理学誕生までの一〇〇年とロマン主義
 1.2 実験心理学勃興期における想像の扱い
  1.2.1 ジョン・デューイ
 1.2.2 ウィリアム・ジェームズ
  1.2.3 西村茂樹
  1.2.4 エドワード・ブラッドフォード・ティチェナー
  1.2.5 金子馬治
  1.2.6 ジェームズ・ローランド・エンジェル
 1.3 心理学概論書における想像の扱われ方の推移
 1.4 二〇世紀後半以降の動向
  1.4.1 心像研究の活況
  1.4.2 世紀を超えて
 1.5 別の見方

第二章 想像とその力
 2.1 想像とは何か
  2.1.1 記憶と想像の間柄
  2.1.2 知覚と想像の間柄
  2.1.3 思考と想像の間柄
  2.1.4 まとめ
 2.2 諸研究者による想像の分類
  2.2.1 受動想像と能動想像
  2.2.2 再生想像と産出想像
  2.2.3 その他の分類
 2.3 想像の過程
  2.3.1 想像の発着
  2.3.2 想像の連なり
 2.4 想像の諸種
  2.4.1 想像諸種に対する大学生の認識
  2.4.2 感想
  2.4.3 回想(追想・喚想・反想)
  2.4.4 思想
  2.4.5 意想
  2.4.6 理想
  2.4.7 観想
  2.4.8 空想
  2.4.9 仮想
  2.4.10 予想
  2.4.11 虚想
  2.4.12 瞑想
  2.4.13 夢想
  2.4.14 幻想
  2.4.15 奇想・霊想
  2.4.16 無想
  2.4.17 狂想
  2.4.18 妄想
  2.4.19 想像種の比較一覧
 2.5 想像力
  2.5.1 想像力とはどういう力か
  2.5.2 創造的想像力
  2.5.3 想像と想像力に関する断章

  構想編

第三章 生活世界に息づく構想の使われ方の状況
 3.1 二〇世紀半ばの「構想」と辞書定義通覧―構想の社会的構成、その過去を振り返って
  3.1.1 二つの『構想』誌
  3.1.2 「構想」の辞書定義通覧
 3.2 「構想」を書名にした新刊書の発行状況―構想の日常性、過去から現在まで
  3.2.1 「構想」を標題にした新刊書籍の年間発行点数のここ約半世紀における推移
  3.2.2 一般書籍における最近の発行状況とその内容
 3.3 日常社会の言表にみる使用状況―構想の日常性、その現在
  3.3.1 ニュース検索の結果
  3.3.2 ウェブ検索の結果

第四章 構想に対する認識とことばの使用―構想の日常性と現況をすこし掘り下げて
 4.1 大学生にとっての構想―想像諸概念との関係
  4.1.1 方法
  4.1.2 結果と考察
  4.1.3 「構想」に対する認知度、意味了解、使用経験の確認
 4.2 「構想」を標題にした著作者は「構想」をどうとらえているか
  4.2.1 方法
  4.2.2 分析の手続きと結果
  4.2.3 辞書定義を超えた「構想」の意味

第五章 心理学における構想のあつかい

第六章 哲学における構想力
 6.1 カントがみた構想力
  6.1.1 構想力は認識にとっての三つの源泉の一つである
  6.1.2 第一版における構想力の役割
  6.1.3 第二版における構想力の身分変更
  6.1.4 図式と構想力
  6.1.5 第二部「方法論」では
  6.1.6 カントがみた構想力の特徴とそこからの展開
 6.2 三木清がみた構想力
  6.2.1 神話
  6.2.2 制度
  6.2.3 技術
  6.2.4 経験
  6.2.5 三木がみた構想力のまとめ

第七章 想像から構想へ
 7.1 想像と構想
 7.2 プランと構想
 7.3 動態図式と習慣記憶
 7.4 失行と構想
 7.5 過去現在未来と構想
 7.6 三大小道具としての海馬と構想
 7.7 産出的構想

第八章 構想力
 8.1 構想力とはどういう力か
  8.1.1 想像力と構想力―フォルスとピュイサンス
  8.1.2 ファカルティとしての構想力
 8.2 ビジョン
  8.2.1 観ること
  8.2.2 予期と予想のゲシュタルトクライス
 8.3 デザイン
  8.3.1 インゲニウムとトピカ
  8.3.2 隠喩
  8.3.3 かたちから型(kata)、ふたたびかたちへ
 8.4 コンセプト
  8.4.1 外在する知の分画と整序
  8.4.2 コンセプション
  8.4.3 イニシアティブ 
 8.5 本章のまとめ

第九章 想像力と構想力―こころの過程
 9.1 知能環境
 9.2 知能環境と環境知能の相違
 9.3 内在知としての想像、外在知としての構想、その力動関係にみる熱い知と知のアフォーダンス
 9.4 結語 

 おしまいに
 注
 参考文献
 索引


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