日本語連体修飾節構造の研究 大島資生 著 日本語連体修飾節構造の研究 大島資生 著
2010年2月

ひつじ研究叢書(言語編)第78巻

日本語連体修飾節構造の研究

大島資生 著

A5判上製 定価5,800円+税

ISBN 978-4-89476-457-6

ひつじ書房



本書は、生成文法の分野でも従来注目されてきた日本語連体修飾節構造のうち、外の関係、中でも「内容補充の関係」を中心に新たな視点から論じるものである。特に、この構造を形成する名詞がもつ語彙的情報の役割、「という」の機能についての考察のほか、数多くの用例にもとづくケース・スタディを収める。さらに、連体修飾節の周辺に位置する動名詞節、補文構造を形成する「の」「こと」をも扱い、連体修飾節構造の広がりを示す。


【目次】

第1部 日本語連体修飾節構造総論

第 1 章 連体修飾節の二分類ー内の関係と外の関係ー

1. はじめに
2. 内の関係と外の関係
2.1.加藤重広(2003)について
2.2.高橋(1979)について
3. 「内の関係」「外の関係」の概観
  3.1.内の関係
  3.2.外の関係
    3.2.1.相対名詞
    3.2.2.同格連体名詞
  3.3.内の関係と外の関係のまとめ
第1章注

第 2 章 連体修飾節の統語的・意味的特徴

1. 連体修飾節の統語的特徴
2. 連体修飾節の基本的意味機能
3. 連体修飾節の統語的特徴と意味機能

第 3 章 「は」と連体修飾節構造

1. はじめに
2. 「は」の基本的機能
3. 連体修飾節に入れる「は」(1)
4. “対比”の「は」
5. 連体修飾節に入りにくい「は」
6. 連体修飾節に入れる「は」(2)
7. おわりに
第3章注

第 4 章 現代語における主格の「の」について

1. はじめに
2. 「の」主格節の分布
3. 主格の「の」と連体の「の」
4. 要素の介在可能性
5. 主格の「の」に先行する成分
5.1. 「Xの 述語」の部分が一体化している場合
5.2. 先行要素が「Xの 述語」全体にかかる場合
  5.3. 主格の「の」に先行する成分のまとめ
6. 主格の「の」の機能
7. 仮説の傍証
  7.1.話し手の主張・はたらきかけが含まれる場合
  7.2.名詞述語の場合
  7.3.固定した表現における主格の「の」
8. おわりに

第5章 動名詞節について

1. はじめに
2. 問題のありか
3. 動名詞連体止め用法について
4. 動名詞の統語的特質
4.1.「動名詞は動詞である」
5. 動名詞節の成立条件
  5.1.動名詞節と時間的前後関係
  5.2.時間を表わす接辞
  5.3.節が後続しない場合
6. 二つの事象を結びつける表現
  6.1.形式副詞
  6.2.二つの事象を結びつけるその他の表現
7. 動名詞節の周辺
  7.1.時を表わす名詞
  7.2.モダリティ表現「〜こと」
8. おわりに

第2部 日本語連体修飾節各論ー内容補充(命題補充)の関係を中心にー

第1章 「命題補充の連体修飾節構造」について

1. はじめに
2. 従来の考察
3. 考察対象について
4. 「同格連体名詞」の4つの典型例
  4.1.「事実」
  4.2.「才能」
  4.3.「考え」
  4.4.「命令」
5. おわりにー南(1974)の四段階とのかかわりー
第1章注

第2章 連体修飾節構造に現われる「という」の機能について

       1. はじめに
2. 従来の研究とその問題点
  2.1.戸村(1985)について
  2.2.中畠(1990)の4分類
3. 「命題補充」の連体修飾節構造
4. 「という」が必須となる場合の条件
  4.1.条件(1)
  4.2.条件の確認(1)
5. 「という」が介在するための条件
  5.1.条件(2)
  5.2.条件の確認(2)
6. 「という」が必要な場合と不要な場合
  6.1.感覚を表わす名詞
  6.2.「意味」
  6.3.新聞記事・ニュースの冒頭文
7. おわりに
第2章注

第3章 「因果関係を表わす連体修飾節構造」ー「因果名詞」と「感情名詞」ー

1. はじめに
2. 「という」と「命題補充」の関係¬ー問題点ー
3. 因果名詞 vs. 感情名詞
  3.1.因果名詞
  3.2.感情名詞
  3.3.「証拠」
4. おわりに
第3章注

第4章 日本語連体修飾節構造における修飾節と主名詞の意味関係ー「可能性」類名詞を中心にー

1. はじめに
2. 「可能性」類名詞の意味機能
3. 「程度」
4. 感情・思考名詞
5. 「可能性」類名詞がとる修飾節がかたちづくる修飾関係
6. 「可能性」類名詞に類した名詞
7. おわりに
第4章注

第5章 名詞の統語的・意味的分類の試みーいわゆる「同格連体名詞」についてー

1. はじめに
2. 考察対象
3. 分類の手順
  3.1.修飾節の統語的特徴からの分類ー主語の有無ー
  3.2.修飾節と主名詞の間の意味関係による分類ー「どんな/どう」テストー
4. 分類
  4.1.主語が入れない場合
    4.1.1.「どんなこと」しか使えないもの(どんなことーok どう(いうふう)ー*)
    4.1.2.「どう(いうふう)」しか使えないもの(どんなことー* どう(いうふう)ーok)
    4.1.3.「もの」しか使えないもの(どんなことー* どう(いうふう)ー*)
  4.2.主語が入れる場合
    4.2.1.「どんなこと」しか使えないもの(どんなことーok どう(いうふう)ー*)
    4.2.2.「どう(いうふう)」しか使えないもの(どんなことー* どう(いうふう)ーok)
    4.2.3.「もの」しか使えないもの(どんなことー* どう(いうふう)ー*)
5. おわりに
第5章注

第6章 現代日本語における「Xの」の諸相

1. はじめに第4章注
2. 「の」の分布概観第4章注
3. 外池(1990)について
  3.1.ノ型名詞句・ノ型名詞節について
  3.2.ノ型補文について
4.「の」の各用法について
  4.1.ノ型連体句について
    4.1.1.非飽和名詞句について
4.1.2.「AのB」の「A」が主名詞「B」の項である場合
  4.2.ノ型名詞句について
  4.3.ノ型名詞節について
  4.4.ノ型補文について
4.4.1.ノ型補文の統語的特徴
4.4.2.ノ型補文の統語的・意味的特徴
4.4.3.ノ型補文の意味的機能
  4.5.主要部内在型関係節・分裂文について
5. おわりに
第6章注

第7章 補文構造にあらわれる「こと」と「の」について

1. はじめに
2. 「こと」の特性
  2.1.橋本(1990)について
  2.2.「こと」の意味的特性
  2.3.「こと」のみを許す場合
  2.4.「〜することがある/〜したことがある」
3. 「の」の特性
  3.1.「の」のみを許す場合
  3.2.「AのはBのだ」構文
  3.3.「の」の名詞性
  3.4.「Sの」がとる格の制約
  3.5.「の」の意味特性
  3.6.「の」には二種類あるか?
  3.7.橋本(2001)について
  3.8.「の」を含むその他の構文
4. おわりに
第7章注
参考文献
索引



【執筆者紹介】

大島 資生(おおしま もとお)東京大学留学生センター准教授


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