本作り一年生絵日記 その2―重版

新学期である。新学期、それは新授業の始まる時(当たり前だ)。
授業が始まると、当然必要なのは教科書。
ひつじ書房では日本語学、英語学などのテキストも出している。従って、この時期は教科書出荷で大忙しだ。
どんどん出荷すれば、品切も出てくる。そこで、重版。3月末に「ここからはじまる日本語学」重版で初めて重版を担当して、それいらい教科書の重版を立て続けに(現在4冊目)担当しているので、おさらい。
本は、絵にあるように、いくつかのパーツに分かれていて、各々を別々に作り、最後に製本所で組み立てられる(全部を別のところで作るとは限らないが)。一番シンプルなコース(テキストはこれが多い)では、表紙、本文、スリップ(本屋さんの本に必ず挟まってて、買うときに店員さんが抜きとる、書名、価格などの入った紙)の3つ(絵の赤い矢印)を作ることになる。たとえば表紙の場合、1)表紙を刷ってもらう印刷所に表紙の版下(印刷する元になる版)を渡す。2)紙屋さんに表紙の紙を注文して、印刷所に入れてもらう。3)出来た表紙を製本所に納品してもらう、という手順になる。こうしてそれぞれのパーツが製本所に集まり、本の形になるわけだ(だから、扉や見返し、ジャケットや帯が付いたりと、仕様が豪華になればなるほど手間がかかる)。

本が出来る工程なんて考えたこともなかったわたしにとっては、これだけで、また、
「ええーっ、そうだったのか〜」
という感じなのだ。

余談だが、重版を印刷所に頼むとき、表紙と本文を見本としてわたすため、本文と表紙をべりべりと引き剥がすのだが、これが、禁断の楽しみなのだ。普段大事にに取り扱っているものを破壊するヨロコビとでもいうか……。ひょっとして、アブナイ?

(※ちなみに、ひつじ書房から「にほんご」というタイトルの本を出して
いるわけではありません。上の絵を見て誤解のなきよう、念のため。)

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(1998.4.27 P)

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