辻加代子著
A5判上製 定価7,800円+税
ISBN 978-4-89476-416-3
ひつじ書房
江戸時代後期から現代に至る京都語言語資料に基づき、近畿中央部とりわけ京都市で隆盛を極める「ハル」敬語の包括的記述を試みたモノグラフ。現代「ハル」敬語には話題の主を上げて待遇する尊敬語の枠組みを越え、話者や話相手と対峙する第三者として少し隔てることを指標する機能が女性話者を中心に顕著に認められる。話者の心的態度を反映した様々な用法の高頻度な活用もある。以上をそこに至る変化過程を明らかにしつつ実証的に示した本書は、標準語敬語研究に新たな視点を投じたものである。