方言学的日本語史の方法

方言学的日本語史の方法 小林隆著 ひつじ書房 2004年7月1日★

2004年度新村出賞受賞!!



方言学的日本語史の方法

小林隆著

  

ひつじ研究叢書(言語編)第32巻

18400円+消費税
ISBN4-89476-200-5
ひつじ書房


 
●●●目次

まえがき
凡例

第1部 理論・方法編

第1章 方言学的日本語史の目的
1.方言学的日本語史の世界
2.中央語史の見直し
3.方言史の構築

第2章 方言学的日本語史の方法論
1.基礎的な方法論
 1.1.日本語史の方法
 1.2.文献学的方法
 1.3.方言学的方法
2.方法論の総合
 2.1.方法論上の特色
 2.2.総合の基本的な考え方
 2.3.日本語史の地理的スケールとの関係
 2.4.総合の方法と資料
 2.5.2つの語史の不対応の問題
 2.6.おわりに

第3章 日本語史資料としての方言の位相
1.庶民・口頭言語史の方法
2.方言に反映された言語の位相
3.『枕草子』の「ひてつくるまに」
4.方言分布による検討
5.残された課題
6.結論

第4章 日本語史資料としての地方語文献の開拓
1.地方語文献の役割
2.農書について
3.農書の言語と言語意識
4.「糠」と「籾殻」の用例
5.「糠」と「籾殻」の近世言語分布図
6.現代の分布との対照
7.今後の課題

第5章 日本語史のための通信調査法の開発
1.通信調査法について
2.津山方言調査
3.回収率
4.回答率
5.方言形の回答率
6.調査項目による結果の違い
7.まとめとその他の問題

第6章 日本語史のための全国方言調査の試み
1.日本語史のための方言調査
2.この調査がめざすもの
3.調査項目
4.調査方法
5.調査地点と回答者
6.今後の課題


第2部 中央語史編

第1章 「頬」の語史―文献と方言との不対応―
1.目的と方法
2.文献により「頬」の語史を編む
3.方言地図で「頬」の語史を構成する
4.対照を通して不一致を考える
5.まとめ

第2章 「顔」の語史―位相論的語史の試み(1)―
1.目的と方法
2.オモテとカオの意味差・意味変化
3.ツラの意味変化
4.カオとツラの位相差
5.方言地図による推定
6.総合と結論

第3章 「眉毛」の語史―位相論的語史の試み(2)―
1.目的
2.マヨからマユへ
3.マユとマユゲ
4.マユ(ゲ)とマイ(ゲ)
5.マミエ、マミゲの類
6.方言分布との対照
7.まとめ

第4章 「踝」の語史―位相論的語史の試み(3)―
1.目的
2.文献資料に基づく語史
3.方言地図による推定
4.総合と結論
5.まとめ

第5章 「薬指」の語史―位相論的語史の試み(4)―
1.目的と方法
2.文献と方言との食い違い
3.クスシユビとクスリユビの位相
4.文献上のクスリユビ
5.「薬指」の方言分布
6.まとめ

第6章 「コマ(駒)」の位相―位相論的語史の試み(5)―
1.目的
2.歌語「コマ(駒)」
3.文献におけるコマ
4.方言におけるコマ
5.コマの位相と歴史的位置
6.コマの語源について
7.まとめ

第7章 「雄馬」の語史―位相論的語史の試み(6)―
1.目的
2.方言から見た「雄馬」の語史
3.文献から見た「雄馬」の語史
4.文献と方言との総合
5.まとめ―「雄馬」の語史におけるコマ

第8章 「一昨日」の語史―位相論的語史の試み(7)―
1.目的と方法
2.文献から見た「一昨日」のオトツイとオトトイ
3.方言から見た「一昨日」のオトツイとオトトイ
4.方言から見た「兄弟」のオトトイ
5.文献から見た「兄弟」のオトトイ
6.オトツイ復活の原因
7.まとめ

第9章 「旋毛」の語史―中央の移動と名称の変遷―
1.目的
2.ツムジからツジへ、そしてギリギリの登場
3.ツムジの復活
4.標準語ツムジ
5.日本語史に及ぼした中央の移動の影響

第10章 格助詞「へ」の歴史―文法史への発展―
1.目的と方法
2.「へ」の消長と方言分布
3.「い」の歴史的位置
4.「へ」と「い」の交渉
5.まとめ


第3部 方言史編

第1章 格助詞「サ」の歴史―方言形式の成立(1)―
1.問題提起
2.目的と方法
3.東北方言における「サ」の類
4.九州方言における「サ」の類
5.関東方言における「サ」の類
6.「サ」の類の方言形成史
7.「サ」の類の調査法
《調査項目》

第2章 終助詞「ケ」の歴史―方言形式の成立(2)―
1.目的と方法
2.種子島方言における「ケ」の類
3.仙台市方言における「ケ」の類
4.「ケ」の類の方言形成史

第3章 副助詞「コソ」の歴史―方言形式の成立(3)―
1.目的と方法
2.特立の「コソ」
3.特立以外の「コソ」
4.方言の「コソ」の成立
5.「コソ」の方言形成史

第4章 動詞活用の歴史―言語体系の変遷―
1.目的と方法
2.動詞「起きる」についてのケーススタディ
3.動詞活用における一段化傾向
4.動詞活用におけるラ行五段化傾向
5.動詞活用の方言形成史

第5章 東西対立分布の形成
1.目的と方法
2.東西対立分布の史的傾向
3.東西対立分布の形成パターン

第6章 日本語方言形成モデルの課題
1.目的
2.周圏論と孤立変遷論
3.歴史的中央語の再生
4.方言形成における「西日本」の領域

今後の課題

既発表論文との関係
文献用例出典一覧
文献一覧
事項索引
語句索引


●著者紹介
小林隆(こばやしたかし)
東北大学大学院文学研究科日本語学講座教授

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