ひつじ書房が内定者に伝えること

2015年10月19日(月)

ひつじ書房が内定者に伝えること

ひつじメール通信とほぼ同文です。

ひつじ書房は、今年も来春から来てもらう新卒の求人を行いました。選考をすすめまして、最後に内定を決めた時に内定者の方へ、次のようなことを伝えました。

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内定者の方へ

まず、最初の1年に何をするのかを考えてみて下さい。これは、自分で考えてみて下さい。

さて、やっておいてほしいことについて伝えます。

新聞を購読して下さい。新聞の内容が必ず正しいから読んで学んで下さいという意味ではありません。批判的に読みましょう。

●購読する意味

定点観測ということ。定点観測することで、時代の動きについて注目することができます。

自分が直接関心がないことでも、世間的に話題になっていることを知ることができます。新聞は、最先端の情報源ではありません。

知らない語彙、ビジネス上の用語を知ることができる。『現代用語の基礎知識』を買って手元に置いておいて下さい。用語を調べましょう。漢語やことわざなども知ることができます。

自分の関心外のことがらについて、意図的に注目するようにしてみて下さい。

池上彰氏の『池上彰の新聞勉強術』を読んで下さい。新聞の上手な読み方のコツが分かる良い本だと思います。

新聞の折り込みチラシも情報源ですから、読まなくてもいいですが、新聞を購読している町でどういうものが売り買いされているのか、注目して下さい。

ことばについて、世の中で注目されていることがあるかどうかについて関心を持って、新聞記事を読んでみて下さい。

同音異義の言葉や間違えやすい漢字について注目して下さい。『新しい国語表記ハンドブック 第七版』(三省堂編修所)などの表に目を通しておくこと。

漢字はパソコンで打てるだけではなくて、部分部分の形を意識して下さい。人に読んでもらう文章や宣伝材料をきちんと作る際や、本を作ることになって校正する時に、形の認識は重要です。

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大学の方で、たまに、新聞など読んでも仕方がないという方がいますが、若いこれから世の中に出ていく人に対する発言としては、配慮が足りないのではないか、と思います。

意図的に語彙や知識を増やすことを高校などでも軽視して、それでアクティブラーニングとか言っている先生もいますが、それで何とかなるのはもともと高度な教育環境がある家庭に限られるでしょう。

普通に社会的に常識を持って、かつ、考えることのできる人として、育てて行く、育ってもらうためには、地道なことが重要だと考えています。

1名の採用を決めました。がんばって育っていってほしいと思います。。

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執筆要綱・執筆要項こちらをご覧下さい。



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