茗荷谷 ひつじ書房

2008年6月11日(水)

茗荷谷 ひつじ書房

※ ひつじメール通信で配信した内容です。



ひつじ書房という名前の会社は二つあります。私たちと神戸の児童書専門書店のひつじ書房さんです。ひつじ書房さんは、公共図書館に勤めていらっしゃった平松二三代さんという方が、自分で児童書を子どもたちにもっと触れてほしいとの思いから作られた書店さんです。

書店と出版社なので、違うことをしているとも言えるのですが、本に関わる仕事という点では同じ業界なので、間違えられることがあるのです。たまに電話が掛かってくるくらいならいいのですが、少し前、神戸のひつじ書房さんから、お手紙をいただきました。毎日数件もの間違え電話とファックスがある。電話の場合、どういうことで電話を間違えられるのですかということについて間違って電話をかけてきた人にきいたところ、取次店の出版社の目録に掲載されている電話番号が古いので、電話が掛からない。そこでインターネットで検索すると神戸のひつじ書房がでてくるので、そちらに電話をした、ということであったそうです。インターネットは新しい情報を載せているはずなのに、どうして古い情報で電話を掛けてくるのだろうか、たいへん困っているとのことでした。

とてもご迷惑をお掛けしていると思いました。ただ、不思議と思ったのはインターネットのgoogleでも他の検索エンジンで検索しても、ひつじ書房がトップに来て、そこをみれば新しい情報が分かって、ファックス番号も正しい番号が見つかるはずなのにおかしいと思いました。でも、どこででてくるのだろうと思いましてハタと思い当たりました。携帯の検索サイトです。そこで自分の携帯電話でgoogleモバイルで検索してみたところ、神戸のひつじ書房さんが一番上に来ていて、私たちのひつじ書房は、何と昔のサイトがでてくるのです。携帯検索サイトが古い情報のままであったり、実際に携帯の世界では、神戸のひつじ書房さんの方が多く検索されているのでしょう。このことで驚いたことは、書店さんたちがパソコンではなくて、携帯で検索しているということです。

お店にパソコンがあってそれを使っているのかと思ったら、たぶん、無くて手元の携帯で検索しているということだろうと思うのです。ご苦労様です。でも、書店のバックヤードにはぜひともパソコンの端末を入れてもらいたいところです。あるいは、書店にパソコンはあっても、若い人はなんでも携帯で検索もすませてしまうのでしょうか。

そういう見落としているところに過去の情報が残っていないかと探してみたところ、あちこちに残像が残っていて驚きました。googleもmapの情報が古いのです。電話番号も違っています。これはとても困った残像です。ある先生が打ち合わせの際にひつじ書房に来ようとして、googleの地図の検索をしたところ、旧住所がのっていて、そちらに先に行かれてしまったということがありました。ネットに出ている古い情報というのは、先生方が間違ってしまいますし、間違った注文を送って神戸のひつじ書房さんにも迷惑をかけてしまうということがありますので、緊急課題と言うことになりますので、他をおいてもやらなければならないことです。

ネットに出ている古い情報は、直すのがたいへんです。面白がって社長である私が、やっているのですが、google mapの場合、古いのを直し新しい住所を登録してしまおうと作業をしたら、最後に確認するという段階になって、確かに正しい人からの情報提供かを確認するために郵便で送ってくるという方法の他に電話を掛けてくるというのがあって、そのボタンを押すとコンピュータが自動で電話を掛けてきて、プッシュホンを押すということがありました。ただ、これは旧住所の訂正には電話番号自体が変わっているために使えない方法でした。ということでいろいろな手続きが必要でした。さらにマピオンとかそういうネット上のサイトも古い情報であり、見つけるたびに訂正してくれという連絡をしています。

勝手に古い情報で登録して、その改訂の方法が決まったやり方がないというのは困ったことです。ネット時代の面白い現象とも思いますが、情報というのは意外とこつこつとメンテナンスが必要ということです。登録の際は、勝手に登録しているのでどんな情報がどんなふうに登録されているのかということを知るすべがありません。何かあって、調べて初めて分かるというのは、たいへんです。みなさんも自分の情報がどこかに意図しないかたちで何か登録されているかもしれません。


執筆要綱・執筆要項こちらをご覧下さい。



「本の出し方」「学術書の刊行の仕方」「研究書」スタッフ募集について日誌の目次

日誌の目次へ
ホームページに戻る

ご意見、ご感想をお寄せ下さい。
房主
i-matumoto@hituzi.co.jp