【学術】認知言語学会に参加しました。

2007年9月26日(水)

【学術】認知言語学会に参加しました。

今回の学会は、社会言語科学会につづいて秋の学会の2番手というところで、ひつじ書房にとっては、夏休みの少しのんびり気味の気持ちから、だんだんエンジンがかかってくる学会販売のウオーミングアップというところでした。認知言語学に関係の深い本も直前に間に合わせることができました。『認知言語学論考』は、学会と伴走するといっていいシリーズのものですし、『メタファー研究の最前線』は2年前の認知科学会の時に、楠見先生にお願いして、企画したもので、2年間の期間をおいての真打ち登場というところです。もう少し早く出せればよかったのですが、途中で担当者が変わったり、ということがあって途中で回り道をしてしまったということもあります。この点は執筆者の先生方には申し訳なかったところでもあります。それでも、森脇が最後をしめてきちんと作ったことは、評価したいと思います。(ご苦労様)新しい装幀も、ほぼ意図した通りの力を持っているのではないかと思います。スマートなだけではなくて、内容も訴えることができています。

日誌に書くときは学会展示が、なかなかうまくいかなかったりという時が多くて批判じみたことを言ってしまうのですが、今回はとてもよい成績でした。この2冊をまとめて買って下さる先生方も多く、売る方として非常に張り合いのある学会展示でした。みなさま、ありがとうございます。『メタファー研究の最前線』は8400円と高価ではありますが、ページ数も560ページを超えるものですし、内容から考えればリーズナブルであると言えるのではないかと私は思います。このような企画を毎回学会に投入できればいいのですが、面白い内容に巡り会うタイミングと進めるための準備ということを考えるといつもいつもできることではないでしょう。きちんとした企画は評価されると言うことは、とても励みになります。

このような成果のきちんとでる学会は少ないので本当にありがたいことです。ワークショップ、研究発表ともに、書店の展示場所と同じであったということも良かったのだと思います。

本を撤収してやっと聴講できた最後のシンポジウムは、せっかく茂呂さんと西阪さんが登壇したのにうまく生かせていなかったように思います。これは少し残念でした。西阪さんの研究はどのような全体像を意図してのことなのかという質問も、エスノメソドロジーに対してはナイーブすぎる質問のような気もしました。異なりを理解した上で、ポジティブにぶつかり合う要素を演出できたら、さらに有意義になったと思います。井上先生の発表は、あの発表としては完結しているもので質問がでにくいものであったのではないでしょうか。

平賀先生のおっしゃった認知言語学の視点からのコミュニケーション研究の創出ということは面白いテーマだと思いますが、会話分析というものはありえても、communication analysisというのは難しいのでしょうか。googleで検索すると電気通信系の研究の用語としてでてきます。そのような分野を立てた人はいないのでしょうか。あのメンツで何かを示唆するような議論を起こすためには補助線が必要だったでしょう。メンツからして、日曜日の昼にやった方がよかったと感じました。

良かったと感じた点を言いましょう。認知言語学というと英語学系の研究者が多いというこれまでの印象でしたが、日本語学、日本語教育、言語学の研究者の方々も参加されていたのが、よかったと思います。認知言語学は、ラネカーなどの大御所が切り開いた枠組みをまもっているように見受けられる点が否めないところがありますが、言語の認知とは何かという根本的なところから、違った枠組みが提案されてもよいと思います。その点で、日本語学、日本語教育の研究者が貢献できることも多いのではないでしょうか。さまざまな領域の研究者が来ていたのはよいことだと思います。


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