2003年11月26日の日誌 ア人文書の大反省

2003年11月26日(水)

人文書の大反省

ひつじのスタッフが、生協の会合に出かけた。生協は教科書の売り上げなど前年とほぼ同様であったようだ。ところが、その資料を見ると人文書の売り上げが、前年比で12パーセントダウンということである。ひつじもひとまず人文書の系列の末端に位置しているわけであるが、この減少はとても大きい。人文書の中でのひつじ書房の比重は小さいものに過ぎないが、このことは厳粛に受け止めなければ、ならないのではないか。前年比といっても、さらにその前年からも減少しているとするととてつもなく減少していると言うことになる。

人文的な知識の価値に対する世間的な価値の低落と連動しているのではないか。私は、人文学科の卒だが、そんな学科の存在の理由がなくなりつつあるのかもしれない。都立大学の人文学部を都知事がつぶそうとしているのは、問題であるが、人文書が読まれなくなると言うことは、回り回ってそのジャンルの学問を社会的に不要であると人々が判断したということにつながるのかもしれない。

大学以外の人々から、支持されなくなり、さらに研究者からも指示されなくなっているということか?一般的な書店ではなく、大学生と研究者の集まっているはずの大学の生協で、人文書が売れなくなっていると言うことを重く受け止めよう。

この凋落については簡単に底が見えてこないと考えるのが、現実に即した考えになるだろう。研究者同士をはじめとして、学生、そして市民から支持される、必要と思われる学問というものをやはり模索しなければなるまい。まずは、大反省からはじめよう。

そのような時代に、『接続』を刊行したということはなかなかたいへんなことである。昨日の営業会議で、担当の足立から、大学図書館の蔵書検索のwebcatで、5冊しかはいっていないと報告があった。1巻目の時にきちんと営業できなかったことが悔やまれる。とはいえ、こんなに少ないのであれば、10倍にするのは難しいことではない。とはいえ、それは書いた先生方の助力があればということである。あとは人海戦術、ゲリラ線として個別の活動が機能するだろう。『接続』の中身については、詳しくお知らせする予定である。今回の内容はとりわけ優れた内容になっている。最大限に強力にご購入をお願いしたい!

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