2001年8月7日(火)

国公私立あわせて30校

新聞によると文部科学省が遠山プランと呼ばれる計画()を発表した。その内容は、国公私立あわせて30校に重点的に予算を配分し、世界と渡り合えるような研究水準にするのだという。日経に書いている早稲田大学総長の奥島氏によると30というのは戦前の大学の数であるということである。

遠山プランに問題はかなりあると思うが、ここで戦前の数に戻すという意思表明を冷静に考えてみると、研究機能をもった大学は30校であとは、副次的な機能でいいと言うことである。戦後の大学の意味は、半分くらい否定されたといっていいのではないだろうか?戦後は、大学バブルであったということになるだろう。

出版人として考えなければならないことは、大学の数が、増えていくあるいは、ある程度あることを前提にした出版というのは、立ちゆかなくなるということである。

学生数に依存した本ではなく、研究者に買ってきちんと読まれるもの、読むに値すると思えるような本を出していかなければならない。と同時に書くことに意識的な人と共同していくことになる。

もう一つは、大学以外のところでの研究の素地をきちんと作りうるようなネットワークを作ることを開始すべきであるということ。

さらには、そのようなネットワーク自体を作ること。


しかし、先日のスティーブ・ジョンソン氏の講演会に、建築の世界の人以外の大学人がいなかったことは、大学に勤務している人はほとんど危機感がないということだろう。大学が、地域に貢献することによって、その存在理由を地域に理解してもらうこと。そのことが、重要なテーマであったのに。

システムを作る人とシステムに乗る人の違いはここにもある。

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