2001年6月7日(水)

日本語学の市場規模

事務所の移転が終了して、出荷を出荷代行業社のキャリー社さんに委託し、一月がたった。引っ越しは終わったものの、片づけはまだ残っていて、何かがあると電源コードがない、何がないといって、せっかく整理して積み重ねた段ボール箱をひっくり返して、また散らかるという繰り返し。完全に落ちつくことはないということかもしれないが、ばたばたしながら、どうにか日常業務ができるようにはなりつつある。

日本近代語研究の索引付け用のゲラも印刷所に渡し、こっちもどうにか再開にこぎ着けた。しかし、私はほとんど毎日のように出かけている。たぶん、日本語学というジャンルでは、くろしお出版だけしか、生きていけないだろう。日本語学を作ることをお手伝いするということで、10年間ほぼそれだけのために、生きてきたといってもいいのだが、それだけでは生きていけないということが分かってしまった。このことは、昨年、日本語文法学会がくろしお出版をパートナーとして選んだ夏の段階で、はっきり認識しておくべきだったが、認識力の遅い私は、2月まで持ち越してしまった。いやいや、もっと早くに複線化しておくべきだったのだ。何に付けても頭の回転の遅い私である。大学自体の数が減り、研究者自体が減っていく時代が来れば、今までのような市場規模はなくなる。その時には1社しか残らないだろう。そこから、外れた以上、これまでの10年間とは違ったありようを探らなければならない。

今まだ原稿を下さっていない方々へできるだけ実際にあって催促もしなければならないし、加えて、新しいジャンルを模索するためにいろいろな方に会うこと。これは重要であり、緊急の仕事である。これはすべて私一人の仕事あり、失敗は許されない。何とか手だてを見つけない限り、2年後はないだろう。

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