ひつじ書房 グローバル社会のコミュニケーション学入門 藤巻光浩・宮崎新編 グローバル社会のコミュニケーション学入門 藤巻光浩・宮崎新編
2019年3月刊行

グローバル社会のコミュニケーション学入門

藤巻光浩・宮崎新編

A5判並製 298頁 定価2000円+税

ISBN 978-4-89476-974-8

ブックデザイン 大崎善治

ひつじ書房

Communication in Global Contexts: The Basics

Edited by Fujimaki Mitsuhiro and Miyazaki Arata



グローバル社会はコミュニケーションによって成り立っている。本書はこれまであまり教科書で扱われなかった、SNSによる対人関係やヘルス・コミュニケーションなどを網羅した初学者向けの教科書である。学習者の置かれた立場に対して問いかける数々のエピソードを使い、コミュニケーションを批判的に学ぶ楽しさを習得できるようにしている。執筆者:佐藤良子、田島慎朗、平田亜紀、福本明子、藤巻光浩、宮崎新、宮脇かおり、森泉哲

目次

はじめに 「コミュニケーション」について学ぶこと

Chapter 1 コミュニケーション学理解のための基本表現

1 コミュニケーションが生み出す意味
2 コミュニケーションが持つ作用
3 コミュニケーションに関する言説
4 コミュニケーションを取り巻く文脈
COLUMN 1 コミュニケーションの中の「期待」

Part I わたしたちとコミュニケーション


Chapter 2 ことば・わたし・せかい

1 わたしがみるせかい
2 外国語教育と英語教育
3 英語話者と母語話者
4 日常的な異文化

Chapter 3 異文化との出会い

1 トランスナショナル・アイデンティティ
2 異文化適応過程
3 文化間の衝突と解決
4 グローバリゼーションと文化接触
COLUMN 2 異文化的実践とはなにか―難民問題から考える

Chapter 4 海外から見た日本・日本から見た世界

1 Cool Japan
2 Kawaii・かわいい
3 外国語としての日本語
4 観光立国ニッポン
5 なんちゃって和食
COLUMN 3 コロニアルな日本語

Part II 規範とコミュニケーション


Chapter 5 メディアと社会とわたしたち

1 作られる価値観
2 メディア・リテラシー
3 メディア史―NHK紅白歌合戦から
4 ポスト真実
5 ジェンダーとフェミニズム
COLUMN 4 「らしさ」ってなんだろう―エマ・ワトソンのスピーチから
COLUMN 5 あなたの肌は黄色いですか?―人種とは

Chapter 6 レトリックが作るコミュニティ

1 ことばが作る所属意識
2 集合的記憶と異文化
3 象徴としての身体
4 謝罪とレトリカル・シチュエーション
5 公共圏とよそ者

Chapter 7 知識が力を持つとき

1 ロゴス、パトス、エトス
2 権力
3 記号論
4 転義法、ターミニスティック・スクリーン
COLUMN 6 すでにレトリックは「説得」ではない

Part III 対人関係とコミュニケーション


Chapter 8 “わたし/わたしたち”と“あなた/あなたたち”

1 ひとりぼっちは良いこと、それとも悪いこと?
2 他者とのつながり
3 家族コミュニケーション
4 グループ・組織におけるコミュニケーションのあり方
5 グローバルな人間関係

Chapter 9 ソーシャル・メディアと対人関係

1 “ニュー”・メディアの発展
2 モバイル・コミュニケーション
3 コンピューターを介したコミュニケーション
4 つながることの意味

Chapter 10 コンフリクト・協調

1 コンフリクト・交渉とは
2 交渉の種類
3 もめごと・交渉と感情
4 不健康な対人関係

Part IV 市民参加とコミュニケーション


Chapter 11 働くことと生きること

1 組織とコミュニケーション
2 リーダーシップ・部下力
3 ブラックバイト
4 市民と社会と経済と

Chapter 12 市民社会と公共

1 方言はカッコイイ?
2 多言語社会
3 にわか医療通訳者から専門の医療通訳へ
4 外国人児童生徒
5 「子ども食堂」って何?

Chapter 13 健康とリスクとコミュニケーション

1 ヘルス・コミュニケーションの輪郭
2 インフォームド・コンセントからナラティブの交錯へ
3 「障害」になること、ならないこと
4 災害リスクの管理と行動を促すコミュニケーション
5 人々の生活とリスクの理解
―健康増進から市民教育、災害時の避難まで

Part V コミュニケーション学を学ぶ意義とHOPE


Chapter 14 コミュニケーション学のHOPE

1 コミュニケーション過剰な時代にこそHOPEがある
2 おわりに―具体的なHOPEへ

あとがき
索引
執筆者紹介



【編者紹介】

藤巻光浩(ふじまき みつひろ)
1964年生まれ
フェリス女学院大学文学部コミュニケーション学科教授
専門分野 レトリック、メディア研究、批評理論
主業績 『アメリカに渡ったホロコースト-ワシントンDCのホロコースト博物館から考える』(創成社、2015)、『国境の北と日本人―ポストコロニアルな旅へ』(緑風出版、2019)など。

宮崎 新(みやざき あらた)
1979年生まれ
名城大学外国語学部国際英語学科准教授
専門分野 対人コミュニケーション、異文化コミュニケーション
主業績 Facing with non-nativeness while teaching: Enacting voices of international teaching assistants of basic communicationcourses.(共著、Basic Communication Course Annual, 25, 245–282. 2013), Re-making cross-cultural representations: “Foreign” + “Hollywood” films= new learning opportunities.(共著、International Journal of Arts & Sciences 4(24), 275–294. 2011)、「英語という言語選択―外国語を学ぶことの意味」(『グローバル社会と異文化コミュニケーション―身近な「異」から考える』三修社、2019)など。


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