ひつじ書房 現代中国人に日本はどう「イメージ」されるか 江暉著 ひつじ書房 現代中国人に日本はどう「イメージ」されるか 江暉著
2023年10月刊行

現代中国人に日本はどう「イメージ」されるか

メディアが構築する21世紀の日本

江暉著

定価7200円+税 A5判上製カバー装 388頁

ISBN978-4-89476-950-2

装丁 中垣信夫+中垣呉(中垣デザイン事務所)

ひつじ書房

Japan in Chinese Eyes: Japan Constructed by the 21st Century Media
JIANG Hui



【内容】
本書は日中関係及び日本社会における対中世論の現状とその問題点を踏まえ、中国の一般国民が認識している「日本」の全体像を体系的・学術的に提示することを目的としている。「認知」と「評価」、「感情」、「行動意図」という4つの要素から中国人が抱く「日本イメージ」を再定義し、その構造内部における力学関係、またその形成過程において「内的心理要素」と「外的情報源」の種々の規定要因が果たしている役割を実証的に考察することを試みた。

【目次】
まえがき

序章 国民視点からの「日中関係論」が可能か
0.1 錯綜する二千年交流史と「反日」の現在
0.2 研究の目的と本書の構成

第I部 「日本イメージ」研究の現実的・学問的要請

第1章 日中関係史の文脈における日本認識
1.1 「日本像」の歴史的変遷
1.2 近年の日中関係
1.2.1 国交正常化後の日中関係の歩み
1.2.2 対日世論の浮上と「民間外交」の提起
1.3 「世論調査」から見えるもの

第2章 「日本イメージ」研究の学問的追究
2.1 「イメージ」とは何か
2.1.1 「イメージ」に関する諸概念
2.1.2 「イメージ」の構成要素
2.2 「日本イメージ」に関する諸見解及びその問題点
2.3 社会心理学的視点からの試み
2.3.1 「日本イメージ」研究の枠組みと内容構成
2.3.2 調査実施の概要
2.3.3 理論と実証の模索

第II部 「日本イメージ」の実態

第3章 「日本国イメージ」の構造
3.1 本章の構成
3.2 日本国に対する「認知」
3.2.1 「認知」の8カ国比較
3.2.2 日本国「認知」の属性比較
3.2.3 日本国「認知」の二重性
3.3 日本国に対する「評価」
3.3.1 「評価」の8カ国比較
3.3.2 日本国「評価」の属性比較
3.3.3 「認知」と「評価」との関連性
3.4 日本国に対する「感情」
3.4.1 「好感度」の8カ国比較
3.4.2 日本国「好感度」の属性比較
3.4.3 「感情」と「認知」・「評価」との関連性
3.5 日本国に対する「関心度」と「行動意図」
3.5.1 「関心度」と「行動意図」の8カ国比較
3.5.2 「関心度」と「行動意図」の属性比較
3.5.3 「関心度」・「行動意図」と「認知」・「評価」・「感情」との関連性
3.6 ここまでのまとめ

第4章 「日本人イメージ」の構造
4.1 本章の構成
4.2 分断する「国民認知」
4.2.1 懸隔たる日本男性像と日本女性像
4.2.2 「国民認知」の属性比較
4.2.3 日本男性像と日本女性像の構造的差異
4.3 一体化する「国民感情」
4.3.1 「国民好感度」の8カ国比較
4.3.2 「国民好感度」の属性比較
4.3.3 「国民好感度」と「国民認知」との関連性
4.4 日本人に対する「行動意図」
4.4.1 「社会的距離」という尺度
4.4.2 「社会的距離」の属性比較
4.4.3 「社会的距離」と「認知」・「感情」との関連性
4.5 「日本国イメージ」と「日本人イメージ」との関連性
4.6 ここまでのまとめ

第Ⅲ部 「日本イメージ」の規定要因

第5章 内的心理要素の影響
5.1 本章の構成
5.2 「生活満足度」との意外な関連性
5.3 「国際志向」のポジティブな影響
5.4 自国評価と他国評価の狭間 
5.5 愛国心に生じるアンビバレンス
5.5.1 「愛国心」の定義 
5.5.2 「愛国」と「反日」をめぐる葛藤
5.6 日中間の諸問題に関する認識の現実性
5.7 日中関係の認識に動揺される「日本イメージ」
5.8 ここまでのまとめ

第6章 外的情報源の影響
6.1 本章の構成
6.2 日本に関する情報源利用の現状
6.3 直接接触の効果
6.3.1 「接触仮説」に関する論証
6.3.2 中国人の日本接触と「日本イメージ」
6.4 学校教育の是非
6.4.1 問題視される「愛国主義教育」
6.4.2 学校教育の両面性
6.5 伝統的マス・メディアの力
6.5.1 中国メディアが抱えるジレンマ
6.5.2 多様化するテレビ・ラジオ視聴と「日本イメージ」
6.5.3 活字メディア接触と「日本イメージ」
6.6 ドラマ・映画作品の役割―「反日ドラマ」「反日映画」の検証を兼ねて
6.7 インターネットの功罪
6.8 対人コミュニケーションの限界
6.9 ここまでのまとめ

終章 構造的・総合的に見る「日本イメージ」
7.1 構造的に見る「日本イメージ」
7.2 総合的に捉え直す「日本イメージ」の規定要因
7.3 本研究の意義
7.4 本研究の限界と今後の展望

補論1 歴史書物に見る近代前の日本観
中国正史に記された「日本」
明清時代における日本研究の興起
清末の日本遊学ブーム

補論2 中国映画における「日本軍人像」の変遷
50~70年代―非対等な対立関係に置かれる「日本鬼子」
80年代―戦争相手「日本軍」集団の登場
90年代―軍国主義者による侵略
2000年以降―日本軍集団内部の対立
中国政府の対日政策の大原則―「軍民二分論」
紆余曲折の日中関係
中国映画界の動き―「脱演劇」

補論3 「日本女性像」形成の原点
特徴一:際立つ「女性美」
特徴二:「剛柔兼備」の女性らしさ
特徴三:悲惨な運命
伝統的日本女性観の影響
託された「日中友好」の夢
選ばれた「被害者」

初出一覧
参考文献(アルファベット順)
外国イメージ及びメディア利用に関する調査(2012年)
(一般人調査単純集計結果付)
外国イメージ及びメディア利用に関する調査(2012年)(学生調査単純集計結果付)



【著者紹介】
江暉(こう き)
[略歴]中国江蘇省生まれ。2005年から2017年まで日本留学。東京大学大学院学際情報学府博士課程修了。博士(社会情報学)。愛知大学ポストドクター研究員、東京大学情報学環交流研究員などを経て、現在、中国・中山大学外国語学院准教授。
[主な著書]『中国人の「日本イメージ」の形成過程—その構造化の背景と変遷』(桜美林大学北東アジア総合研究所、2014年)、『百年後の検証・中国人の日本留学およびその日本観』(共著、法政大学国際日本学研究所、2015年)、『チャイナドリームと日中関係』(共著、桜美林大学北東アジア総合研究所、2016年)ほか。



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