ひつじ書房 小説を読むための、そして小説を書くための小説集 読み方・書き方実習講義 桒原丈和著 ひつじ書房 小説を読むための、そして小説を書くための小説集 読み方・書き方実習講義 桒原丈和著
2019年4月刊行

小説を読むための、そして小説を書くための小説集

読み方・書き方実習講義

桒原丈和著

定価1900円+税 四六判並製カバー装

ブックデザイン 奥定泰之

ISBN 978-4-89476-945-8

ひつじ書房

Anthology and Exercise for Reading and Writing Novel

Kuwabara Takekazu



内容紹介
小説を読むというのはどういうことなのか、小説を書くというのはどういうことなのか。語り論・読者論・インターテクスチュアリティなどの文学理論の基礎をふまえて、実際に短篇小説を読み、またそのパロディを書くことを通して学んでいく。小説を論じたいけれども、その糸口がわからない人や、小説を書きたいけれども、自分のアイディアをどう形にしたらいいのかわからない人に向けた小説アンソロジーと解説からなる小説指南本。


カバー文より
特別なセンスや才能がなくても、小説は語ることができるし、書くことができる。創作とは、自分の中から何かを生み出すこと、何もない無の状態から作品を作り出すことではなく、過去の作品を書き換え、別のものに作り直すことだとも考えることができる。過去の作品のアイディアは、自由に読み取って、人類の「共有財産」として利用可能なのだ。本書は、五つの小説を題材にして、どのように先行作品が摂取され、新たな小説に書き換えられたのかを具体的に解き明かしながら、読むこと・書くことについて実践を交えながら考えていく。小説を論じたいがその糸口が分からない、小説を書きたいが自分のアイディアをどう形にしたらいいのか分からない。そういうあなたに向けた小説指南の書。

目次(PDF)



目次

はじめに

読むことをめぐる二つの立場/書くことは読むことからはじまる/独創性(オリジナリティ)の見直し/共有財産である言葉

第一章 語り手による情報のコントロールについて

江戸川乱歩◉二銭銅貨

○講義編 語り手の設定/どのようにだまされたのか/〈空所〉に注目する/読者をだますために/情報管理の重要性

第二章 小説の起源を遡る

エドガー・アラン・ポー◉黄金虫

○講義編 「二銭銅貨」と「黄金虫」の関係/小説による小説の批評/小説を書くための入口

第三章 〈空所〉を探しながら読む

オイレンベルク(森鷗外訳)◉女の決闘

○講義編 「女の決闘」の語り手/「女の決闘」の〈空所〉

第四章 〈空所〉を想像で埋めて書きかえる

太宰治◉女の決闘

○講義編 書きかえることに意識的な小説家/新しい小説を生み出すきっかけ/「芸術家」という職業をテーマにした小説

第五章 連想で言葉を広げていく

太宰治◉葉

○講義編 〈空所〉だらけの小説/読者に問いを投げかける小説/「葉」というタイトルから読み取れること


【著者紹介】
桒原丈和(くわばら たけかず) 1965 年帯広市に生まれる。北海道大学・大学院在学中より近代日本文学の研究を始める。著作に『大江健三郎論』(三一書房)、主要論文に「大江健三郎と原子力、そして天皇制」(『述』5号)、「一九八〇年代の大江健三郎による自身の小説の再利用・再生の方法」(『昭和文学研究』68 号)、等がある。現在、近畿大学文芸学部の日本文学専攻創作・評論コースで創作についての講義・実習に携わる。


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