ひつじ書房 戦時期における日本語・日本語教育論の諸相 日本言語文化政策論序説 田中寛著 戦時期における日本語・日本語教育論の諸相 日本言語文化政策論序説 田中寛著
2015年2月刊行

戦時期における日本語・日本語教育論の諸相

日本言語文化政策論序説

田中寛著

A5判上製 720頁 定価12,000円+税

ISBN 978-4-89476-741-6

ひつじ書房

Some Aspects of Japanese and Japanese Language Education in Time of War: An Introduction of Japanese Language and Culture Policy Theory

Hiroshi Tanaka



かつて戦時期の日本では国内では国語の醇化、海外では東亜新秩序から大東亜共栄圏の構想下、様々な日本語進出論と日本語教育論が燎原の火の如く広がった。本書ではこうした言説の内包する諸問題を再検証するもので満洲国、中国大陸、南方諸地域において展開された日本語・日本語教育論、教科書編纂の内実を豊富な文献の考証とともに明らかにする。日本語論の思想政策的源流をたどる筆者渾身の労作。巻末に詳細な記事収録年表を附す。


目次


まえがき

序論 戦時期における日本語・日本語教育論の諸相
日本語は世界にどう対峙したか

第1部 中国大陸における日本語の進出

第1章 「東亜新秩序建設」と日本語の大陸進出 発展の経緯と輻輳する背景
第2章 中国大陸における宣撫日本語教育の断面 松永健哉『日語学校』の言語思想的記憶
第3章 北京近代科学図書館における日本語普及事業 日本語教本を中心に

第2部 「五族協和」「王道楽土」のなかの日本語

第1章 『満洲補充讀本』にあらわれた帝国の言語思想と異文化認識
第2章 満洲帝国国民優級学校『國民讀本』の日本語思想
第3章 建国大学における理念と実相 皇道主義教育思想とその言語政策論をめぐって

第3部 戦場の日本語、銃後の国語

第1章 『満洲國の私たち』に描かれた真実 同化政策のなかの作文集から
第2章 戦争が遺した日本語(1) 「少国民綴り方」と戦時童話の世界
第3章 戦争が遺した日本語(2) 「憲兵支那語」「軍用支那語」を中心に

第4部 「大東亜共栄圏」下の日本語普及政策

第1章 「大東亜共栄圏」下の植民地文化政策 胡蝶の夢の虚構と実相
第2章 南方諸地域における日本語教育の展開 「大東亜通用語」への眺望

第5部 戦時期の諸雑誌にみる日本語・日本語教育論

第1章 放送が果した日本語普及・日本語政策論の一断面 雑誌『放送/放送研究』にみる戦時下日本語論の展開
第2章 『RŌMAJI-SEKAI』(『ローマ字世界』)にみる海外日本語進出論の展開 〈大東亜共通文字〉への指向性
第3章 『カナノヒカリ』にみる海外日本語進出論の展開 中国大陸から南方諸地域へ

第6部 〈大東亜語学〉という東南アジア諸語の研究

第1章 戦時期日本におけるタイ語研究 〈大東亜語学〉と日本語教育との関わり
第2章 戦時期日本における東南アジア諸語の研究 会話書、辞書類を中心に

附録[1] 戦時期の帝国日本における日本語・日本言語政策論の形成と消長 1931年から1945年まで
戦後日本語論の変遷 日本語と日本文化発信の狭間で

附録[2] 日語学校 松永健哉

附録[3] 日語教師の座談会

あとがき
索引



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