「三夜講」で火祭りを準備する 野沢温泉道祖神祭りの伝承を支える仕組み 榎本美香編 シリーズ監修 高梨克也
2026年4月刊行

シリーズ フィールドインタラクション分析 5

「三夜講」で火祭りを準備する

野沢温泉道祖神祭りの伝承を支える仕組み

榎本美香編 シリーズ監修 高梨克也

A5判並製カバー装 定価4,200円+税 268頁

ISBN978-4-89476-735-5

ひつじ書房

Series on Field Interaction Analysis 5
"Sanyako" Preparing for the Fire Festival: The Mechanism Behind the Tradition of the Nozawa Onsen Dosojin Festival
Edited by Mika Enomoto (Supervised by Katsuya Takanashi)

第1巻『多職種チームで展示をつくる 日本科学未来館『アナグラのうた』ができるまで』

【内容】

この巻では、北信濃野沢温泉の道祖神祭りの準備を担う「三夜講」と呼ばれる3世代100名程度の集団の協働インタラクションを分析する。言葉では表現しきれない身体技法や作法とともに、目上の者への礼儀を重んじ、公の前に自己犠牲を厭わず、誠意のある仕事をするという伝統的精神が伝承される様を著す。執筆者:阿部廣二、榎本美香、坂井田瑠衣、高梨克也、寺岡丈博、伝康晴、坊農真弓、細馬宏通、森内康博

【目次】

「シリーズ フィールドインタラクション分析」の狙い

第1部 三夜講との出会い

第1章 フィールド調査をする前に何が分からなかったか(榎本美香)
 1.1 はじまり:2012年4月某日
 1.2 野沢とのファーストコンタクト:2012年7月6日
 1.3 野沢とのセカンドトコンタクト:2012年9月12日
 1.4 三夜講との出会い:2012年10月6日
 1.5 衝撃の伐採場面:2012年10月6日午後
 1.6 「三夜講」を理解する:2012年10月7日朝

第2章 どんなフィールドか(伝康晴)
 2.1 フィールドの概要
 2.2 道祖神祭り
 2.3 祭りの担い手たち:三夜講
 2.4 祭りの行事と関係する場所
 2.5 調査者たちの活動


column1 金二さんと古庵(榎本美香)


第2部 気づきと参加

第3章 目の前の活動に「手を出す」力(榎本美香)
 3.1 この人はなぜここに立っているのか
 3.2 事例分析1:1年で学ぶ
  3.2.1 背景
  3.2.2 三夜講初年度
  3.2.3 三夜講2年目
  3.2.4 三夜講3年目
 3.3 事例分析2:1日で学ぶ
  3.3.1 背景
  3.3.2 動きが後手にまわる
  3.3.3 真っ先に動くようになる
 3.4 三夜講を経て培われるもの

第4章 「昨年通り」と「臨機応変」との狭間で(阿部廣二)
 4.1 謎の家
 4.2 御神体台の作成
  4.2.1 なぜ時間がかかるのか?
  4.2.2 再現の重視と環境の変化
  4.2.3 相対参照点とその使用上の困難
  4.2.4 絶対参照点
  4.2.5 発話と身体動作の組み合わせによる絶対参照点の共有
  4.2.6 絶対参照点が足りない場合
 4.3 考察:自己決定と造成物の帰属先


column2 朝飯づくりの先にあるもの(阿部廣二)
column3 手放せないカメラ(森内康弘)


第3部 声と音

第5章 里曳きはいかに曳き始められるか:相互行為から考える伝統の継承と変動(細馬宏通)
 5.1 里曳きの全貌が分かるまで
 5.2 この章で考えること
  5.2.1 掛け声の謎
  5.2.2 祭りの作業の変動、変異、逸脱、失敗
 5.3 2012年度の里曳き分析
  5.3.1 動き始めの声(事例1)
  5.3.2 動き始めの注意の組織化と動作(事例1、2)
 5.4 立ち話での変動の指摘
 5.5 年度間における曳き始めのタイミング比較
 5.6 2013年度の里曳き分析
  5.6.1 2013年度の委員長組の曳き始め(事例4)
  5.6.2 曳きの洗練(事例5)
  5.6.3 2012年度の例外的に遅い曳き(事例6)
 5.7 おわりに

第6章 猿田彦の舞に見る「わざ」の意識(寺岡丈博)
 6.1 はじめに
 6.2 湯澤神社例祭と猿田彦の舞
 6.3 猿田彦の舞の拍子方
  6.3.1 舞方
  6.3.2 囃子方
  6.3.3 舞と囃子の構成
 6.4 拍子方の相互行為
  6.4.1 囃子方-囃子方
  6.4.2 舞方-囃子方
  6.4.3 舞方-舞方
 6.5 おわりに


column4 三番の猿田彦命を探せ(寺岡丈博)


第4部 物と身体

第7章 祭りを支える「縄結び」:結び目にみる美しさと頑丈さの共存(坊農真弓)
 7.1 はじめに:フィールドの洗礼
 7.2 縛るではなく「結ぶ」
 7.3 教える手、学ぶ手のプロソディ
  7.3.1 縦結び
  7.3.2 ほぐれ留め
 7.4 おわりに

第8章 成員性と物質:物の個性と道具の特性に関する経験の共有(高梨克也)
 8.1 何が分からなかったか?
 8.2 分析対象とする作業
 8.3 着眼点
  8.3.1 着眼点1:物質
  8.3.2 着眼点2:成員性
 8.4 分析:誰がいつ、どのように道具を使っているか?
  8.4.1 鳶口の向き
  8.4.2 掛矢の意外な使い方
 8.5 考察:構想と実行を自分たちの共通経験にする


column5 野沢のエートスと地理(高梨克也)
Tips1 屋外でのビデオ撮影のための工夫(高梨克也)


第5部 人と場

第9章 広大な野外で会話する人々の身体配置(伝康晴)
 9.1 はじめに
 9.2 分析対象
 9.3 さまざまな陣形
  9.3.1 概要
  9.3.2 事例1:円形配列
  9.3.3 事例2:横並び配列
  9.3.4 事例3:馬蹄形配列
  9.3.5 ここまでのまとめ
 9.4 それぞれの立場から見た人間関係の機微
  9.4.1 前社殿棟梁の立場から
  9.4.2 現社殿棟梁の立場から
  9.4.3 現道祖神委員長の立場から
  9.4.4 次期道祖神委員長の立場から
 9.5 おわりに

第10章 「立ち話」にみる共在の構え:会話場の変容を司る複雑な成員性(坂井田瑠衣)
 10.1 はじめに
  10.1.1 「わからなさ」の原因
  10.1.2 「立ち話」にみる共在の構え
 10.2 注目する現象:会話場の変容
 10.3 「立ち話」の事例分析
  10.3.1 会話場から抜ける
  10.3.2 新たな会話場をつくる
  10.3.3 立ち去りつつ一時的に会話場に復帰する
  10.3.4 事例分析のまとめ
 10.4 濃淡のある上下関係が司る会話場の変容
 10.5 おわりに:「こじつけ」と「無理解」のはざまで


column6 バー寶友会(伝康晴)


あとがき
索引
監修者・編者・執筆者紹介



【編者紹介】


榎本美香(えのもと みか)
千葉大学大学院自然科学研究科博士課程修了。博士(学術)。東京工科大学メディア学部准教授。 「共同体「心体知」の学習―共同参与から学ぶ成員の心がけ」(『社会言語科学』23(1)、共著、2020年)、「物的世界と相生する身体技法の習得に関する論考―言葉の藁にすがって水をよじ登る」(『認知科学』27(2)、2020年)、「フィールドに出た言語行為論―「指令」の事前条件達成における相互行為性・同時並行性・状況依存性」(『認知科学』22(3)、共著、2015年)


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