日本語の「主題」 堀川智也 著 日本語の「主題」 堀川智也 著
2012年2月

ひつじ研究叢書(言語編)第100巻

日本語の「主題」

堀川智也著

A5判上製 定価5,200円+税

ISBN 978-4-89476-593-1

ひつじ書房



従来の研究で当然の前提とされてきた通説を次から次に打ち破り斬新な考え方を提示する、日本語の主題研究に久々に現れた待望の書。「ハ」という助詞の本性を問う「助詞論」と、日本語文法において「主題」とは何かを問う「主題論」は独立であるべきで、ハ=主題提示の助詞、という前提に立脚せずに日本語の「主題」について論ずる。主題解説関係を格関係をベースに考えるという、三上章の「代行」「兼務」という考えを真っ向から否定し、格関係に依存せずに真正面から主題解説関係の本質の解明を目指す。


【目次】

第1章 序論
1 主題の要件その1―断裂要件
2 主題の要件その2―意味要件
3 「主題提示」と「対比」の関係
4 助詞論と主題論
5 「主題」とは談話・テクスト上の概念か

第2章 格項目の主題化
1 主題と格成分の関係
2 主題の意味要件としての「説明対象」
2.1 「説明対象」とは何か
2.2 「説明対象」といいにくいケース
3 主題の意味要件としての「処置課題」
3.1 行為要求の文における「主題」を考える意味
3.2 行為要求の文における「主題」の意味的立場
3.3 要求相手を「○○ハ」で表示する場合
4 ヲ格項・ニ格項の主題化
4.1  描写報告の文における主題の意味的立場としての 「処置課題」
4.2 ヲ格由来主題の意味的立場
4.3 ニ格由来主題の意味的立場
4.4 おわりに
5 ガ格項の主題化
5.1 はじめに
5.2 対比との関係
5.3 ガ格由来の主題が安定するケース
5.4 主題提示とはいえないハ
5.5 おわりに

第3章 格項目以外の主題化
1 場所項の主題化
1.1 はじめに
1.2 場所の状況語の主題化
1.3 説明対象としての「場所」
1.4 存在表現・広義存在表現における場所のニ格項の主題化
1.5 属性の持ち主としての場所の主題化
1.6 おわりに
2 主題と呼びかけの関係
2.1 はじめに
2.2 「命令相手」–「命令そのこと」
2.3 「命令相手」–「命令そのこと」の関係を保証するもの
2.4 「希求対象」–「希求そのこと」
2.5 「情報提供相手」–「情報」
2.6 主題論全体からみた本節の立場の整理

第4章 主題として機能する格助詞表示の名詞句

第5章 対比でも主題提示でもないハ
1 ハの個性と、ハがもたらす表現効果の関係
2 対比でも主題提示でもないハがありえる論理
3 萬葉集の用例の分類
4 おわりに

第6章 モノとコトの関係認定による属性叙述文
1 はじめに
2 英語中間構文との関連
3 「モノの性質と生起した事態の関係を話者が認定する」構文
4 恒常的条件関係の認定による属性叙述文
5 帰納的推論による属性叙述文
6 主題論の立場から

第7章 狭義主題と広義主題

参考文献
あとがき
索引

【執筆者紹介】

堀川智也(ほりかわ ともや) 1961年生まれ。兵庫県神戸市出身。大阪大学大学院言語文化研究科(日本語・日本文化専攻)教授。


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