日本語と韓国語の「ほめ」に関する対照研究 金庚芬 著 日本語と韓国語の「ほめ」に関する対照研究 金庚芬 著
2012年2月

ひつじ研究叢書(言語編)第99巻

日本語と韓国語の「ほめ」に関する対照研究

金庚芬 著

A5判上製 定価6,800円+税 CD-ROM付

ISBN 978-4-89476-589-4

ひつじ書房



本書は、日本語と韓国語の会話に見られる「ほめ」に注目し、ほめる表現、ほめられる具体的な対象、ほめられた時の反応、さらにほめの談話の流れを総合的に分析し、日韓の類似点と相違点をポライトネス理論に結び付け、考察したものである。条件統一した120名の会話データに見られる日韓の肯定的な価値観、会話のやり取りの特徴、相手への配慮の仕方などの違いを明らかにすることを試みた。会話例も多く収録し、巻末には全会話データのCDを付す。


【目次】

第1章 序論
1.1  はじめに
1.2  ほめる言語行動を談話レベルで分析する
1.3  本書の構成

第2章 研究の枠組みおよびほめに関する先行研究の概観
2.1  対照研究とは何か
2.1.1  対照研究には2つの流派がある
2.1.2  日本語における対照研究
2.1.3  日本語と韓国語の対照研究
2.2  談話研究とは何か
2.2.1  談話研究の主要なアプローチ
2.2.2  ディスコース分析(DA: Discourse Analysis)
2.2.3  会話分析(CA: Conversational Analysis)
2.2.4  コミュニケーションの民族誌(Ethnography of Communication)
2.2.5  相互行為の社会言語学(Interactional Sociolinguistics)
2.3  ポライトネス理論
2.3.1  ポライトネスの概念
2.3.2  主要なポライトネス理論
2.4  「ほめる」言語行動
2.4.1  言語行動としての「ほめる」
2.4.2  「ほめる」と他の言語行動との比較
2.4.3  「ほめる」とポライトネス
2.5  ほめの定義
2.6  ほめる言語行動に関する先行研究
2.6.1  英語における先行研究
2.6.2  日本語における先行研究
2.6.3  韓国語における先行研究
2.6.4  ほめに関する日韓対照の先行研究
2.7  ほめの様々な側面を分析する

第3章 日本語と韓国語のほめの会話データ
3.1  会話データの収集について
3.2  会話データの整備
3.2.1  会話の文字化
3.2.2  データ分析
3.3  何が「ほめの談話」か
3.3.1  全ほめの談話、発話文、ほめ・返答の数
3.3.2  話者1組、1つの「ほめの談話」における平均
3.4  フォローアップ・アンケート
3.4.1  親疎関係
3.4.2  録音機意識
3.4.3  自然な会話
3.4.4  各項目の平均
3.5  まとめ

第4章 日本語と韓国語のほめの表現と対象
4.1  ほめの表現
4.1.1  会話におけるほめの表現
4.1.2  ほめの表現の分析結果
4.1.3  肯定的評価語のみ使用
4.1.4  肯定的評価語の使用+他の情報
4.1.5  肯定的評価語の不使用
4.1.6  強意表現・緩和表現
4.2  ほめの対象
4.2.1  ほめの対象の分類
4.2.2  ほめの対象の分析結果
4.2.3  ほめの対象ごとに見る表現
4.3  まとめ

第5章 日本語と韓国語のほめに対する返答
5.1  ほめに対する返答の分類
5.1.1  肯定
5.1.2  回避
5.1.3  否定
5.1.4  複合
5.2  ほめに対する返答の分析結果
5.2.1  日本語のほめに対する返答
5.2.2  韓国語のほめに対する返答
5.2.3  ほめに対する返答の日韓対照
5.3  ほめの対象ごとに見る返答
5.3.1  日本語のほめの対象ごとに見る返答
5.3.2  韓国語のほめの対象ごとに見る返答
5.3.3  ほめの対象ごとに見る返答の日韓対照
5.4  まとめ

第6章 日本語と韓国語の「ほめの談話」
6.1  「ほめの談話」の展開
6.2  ほめの先行連鎖
6.2.1  先行連鎖の有無
6.2.2  先行連鎖のあるほめの談話
6.3  ほめの本連鎖
6.3.1  「ほめ―返答」のパターン
6.3.2  ほめの後に挿入発話のあるパターン
6.3.3  「ほめ―返答(ほめ返し)=新たなほめ―返答」のパターン
6.4  ほめの後続連鎖
6.4.1  後続連鎖の主体
6.5  まとめ

第7章 まとめ
7.1  結論
7.2  ポライトネス理論からの考察
7.2.1  優先されるフェイス
7.2.2  日韓のほめのフェイス侵害度
7.2.3  日韓のほめ場面におけるポライトネス・ストラテジー
7.3  4つの示唆
7.3.1  日本語と韓国語のコミュニケーション理解への示唆
7.3.2  日韓異文化間コミュニケーションの相互理解への一助
7.3.3  日本語と韓国語の第2言語教育への応用
7.3.4  他の言語行動の分析への応用
7.4  今後の課題

あとがき
参考文献
索引

【執筆者紹介】

金庚芬(きむ きょんぶん) 韓国出身。明星大学人文学部准教授。


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