形態論と統語論の相互作用 塚本秀樹 著
2012年2月
ひつじ研究叢書(言語編)第95巻
形態論と統語論の相互作用
日本語と朝鮮語の対照言語学的研究
塚本秀樹 著
A5判上製 定価8,500円+税
ISBN 978-4-89476-570-2
ひつじ書房
日本語と朝鮮語が形態統語上、非常によく似た言語であることは、広く知られている事実であるが、注意深く観察すれば、両言語間で違いがあるのを様々な箇所で見出すことができる。本書は、両言語の複合格助詞や複合動詞をはじめとする諸言語現象を取り上げて考察し、両言語間の相違を引き起こしている根本的な要因を解明するとともに、様々な箇所に現れるその相違を統一的に捉え、適切に説明できることを論証する意欲作である。
○誤植に関するお詫び
本書にて、以下の誤りがありました。誠に申し訳ありませんでした。
p.166 4行目からの表の例文番号
誤 (77)
正 (70)
【目次】
まえがき
第1章 序論
1 本書の目的
2 対照言語学―本書のアプローチに関連して
3 本書の構成
第2章 これまでの日本語と朝鮮語の対照言語学的研究
1 序
2 1993年以前の回顧
3 1993年の時点における問題点・課題及びその解決と展望
4 1994年以後の状況
5 結語
第3章 日本語における必須補語と副次補語
1 序
2 談話構造上の必須補語の性質
3 寺村(1982a)に対する反論
4 必須補語及び副次補語の認定基準
5 結語
第4章 日本語における格助詞の交替現象
1 序
2 種類
3 単一格助詞同士の交替
4 結語
第5章 日本語と朝鮮語における数量詞の遊離
1 序
2 数量表現の型と「数量詞の遊離」の現象
3 数量詞遊離の条件
4 使役構文の考察に向けて
5 数量詞遊離の範囲
6 結語
第6章 日本語における複合格助詞
1 序
2 形態的側面
3 統語的側面
4 意味的側面
5 結語
第7章 日本語と朝鮮語における複合格助詞
1 序
2 形態的側面
3 統語的側面
4 意味的側面
5 日本語に対応する複合格助詞が朝鮮語にない場合
6 結語
第8章 日本語における複合動詞
1 序
2 形態的側面
3 統語的側面
第9章 日本語と朝鮮語における複合動詞
1 序
2 形態的側面
3 統語的側面
4 その後の展開
5 両言語間の類似点と相違点
6 両言語間の相違が意味するもの
7 影山(1993)と松本(1998)の論争から導き出せること
第10章 膠着言語と統語構造
1 序
2 複合的統語構造が仮定できる構文の種類
3 使役構文の形態的側面
4 使役構文の統語的側面
5 使役構文の妥当な統語構造
6 2種類の理論的枠組みが抱える問題点
7 状況がよく似た構文―複合動詞構文
8 結語
第11章 諸言語現象と文法化
1 序
2 「 動詞連用形+テイク/動詞連用形+가다〈kata〉(行く)」構文と「動詞連用形+テクル/動詞連用形+오다〈ota〉(来る)」構文
3 「 動詞連用形+テイル/動詞語幹+고 있다〈ko issta〉(〜ている);動詞連用形+있다〈issta〉(〜ている)」構文
4 「 動詞連用形+テヤル;テクレル/動詞連用形+주다〈cwuta〉(〜てやる;〜てくれる)」構文
5 位置を表す名詞
6 形式名詞・名詞化接尾辞
7 文法化
8 結語
第12章 諸言語現象と形態・統語的仕組み
1 序
2 接辞を用いた使役構文
3 複合動詞構文
4 「 〜中(に)/〜중(에)〈cwung(-ey)〉」「〜後(に)/ 〜후(에)〈hwu(-ey)〉」などを用いた構文
5 名詞化接尾辞
6 照応
7 接頭辞「同〜/동〈tong〉〜」
8 接尾辞「〜的/〜적〈cek〉」
9 形態・統語的仕組み
10 形態・統語的仕組みの文法化とのかかわり
第13章 品詞と言語現象のかかわり
1 序
2 品詞の種類
3 品詞の形式
4 形容詞の位置づけ
5 文法化との関連性
6 名詞の位置づけ
7 形態・統語的仕組みとの関連性
第14章 文法体系における動詞連用形の位置づけ
1 序
2 日本語における動詞連用形の用法
3 朝鮮語における動詞連用形の用法
4 両言語間の類似点と相違点
5 両言語間の相違点が意味するもの
6 結語
第15章 結論
1 研究成果
2 他の研究への影響性及びそれらとの関連性
3 意義と展望
4 今後の課題
〈付録〉
第16章 日朝対照研究と日本語教育
1 日本語における単文の3層構造
2 日本語と朝鮮語の対照言語学的研究
3 日朝対照研究の日本語教育への応用・貢献
第17章 朝鮮語における固有語動詞の受身文
1 序
2 「이〈i〉」形と「지다〈cita〉」形の使い分け
3 3 項動詞能動文から受身文への転換における制約
4 動作主のマーカー
5 主格補語の意味特性
6 アスペクト
7 結語
第18章 朝鮮語における漢語動詞の受身文
1 序
2 先行研究と問題点
3 本動詞と接尾辞
4 意味的特徴
5 統語的特徴
6 結語
参考文献
日朝対照研究関係 主要参考文献一覧(1993年以前)
日朝対照研究関係 主要参考文献一覧(1994年以後)
日朝対照研究関係 主要研究教育機関別 博士学位論文一覧
用例出典
索引
【執筆者紹介】
塚本秀樹著(つかもと ひでき) 1959年、大阪市生まれ。愛媛大学法文学部人文学科教授。
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