ベーシック新しい英語学概論 平賀正子著 ひつじ書房 ベーシック新しい英語学概論 平賀正子著 ひつじ書房
2016年1月刊行

ベーシック新しい英語学概論

  
平賀正子 著

装丁 大崎善治

A5判並製 定価1,700円+税

ISBN 978-4-89476-554-2

ひつじ書房   

A Basic Guide to English Linguistics
Masako Hiraga


要約

異文化コミュニケーションという観点から、今や世界の共通語として認識されるに至った英語について概説する新しいタイプの英語学概論教科書。世界英語の諸相、英語コミュニケーションの特徴、音韻・語彙・文法の仕組みについて、母語英語、国際共通語の両面から、わかりやすく楽しく解説した。各章末の推薦図書・練習問題、事例へのメディア・リンクなどを通して、さらなる学習ができるよう配慮した。





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【目次】

はしがき

第1章 英語学の「新しい」概論
はじめに
1.1 身近にある「英語」から
1.1.1 学校の英語
1.1.2 資格としての英語
1.1.3 「英語」にまつわる広告
1.2 ネイティブ・スピーカーの英語から国際共通語としての英語へ
1.2.1 母語話者と公用語話者
1.2.2 外国語としての英語
1.2.3 英語は誰のものか
1.3 言語構造の研究からコミュニケーションの研究へ
1.3.1 英語の構造を研究する分野
1.3.2 英語ということばの運用面の研究
まとめ

第2章 さまざまな英語
はじめに
2.1 3種類のことば
2.1.1 ことばの3分類
2.1.2 母語・第一言語
2.1.3 第二言語
2.1.4 外国語
2.2 3種類の英語
2.2.1 母語英語とInner Circleの国々
2.2.2 第二言語としての英語とOuter Circleの国々
2.3 World Englishes(世界諸英語)
2.3.1 英語の普及と変容
2.3.2 世界諸英語の基本概念
2.4 シンガポールの英語
2.4.1 歴史的背景
2.4.2 シンガポール口語英語の特徴
2.4.3 現地化する英語と国際共通語としての英語
まとめ

第3章 母語英語の特徴(イギリス英語、オーストラリア英語)
はじめに
3.1 イギリス英語の歴史
3.1.1 古英語
3.1.2 中英語
3.1.3 近代英語
3.1.4 現代英語
3.2 現代イギリス英語の特徴
3.2.1 使用地域
3.2.2 方言と標準語
3.2.3 イギリス英語の発音
3.2.4 イギリス英語の語彙
3.2.5 イギリス英語の文法
3.3 オーストラリア英語
3.3.1 オーストラリア英語の歴史
3.3.2 オーストラリア英語の一般的特徴
3.3.3 一般オーストラリア英語の特徴
まとめ

第4章 母語英語の特徴(アメリカ英語、カナダ英語)
はじめに
4.1 アメリカ英語の歴史
4.1.1 移民の英語
4.1.2 アメリカ英語の成立
4.1.3 人々の移動と流入によるアメリカ英語の発展
4.1.4 世界語としてのアメリカ英語
4.1.5 アメリカの言語政策
4.2 アメリカ英語の特徴
4.2.1 使用地域
4.2.2 方言と標準語
4.2.3 社会方言としてのエスニック・バラエティ
4.2.4 アメリカ英語とイギリス英語
4.2.5 Texting の英語
4.3 カナダ英語
4.3.1 カナダ英語の歴史
4.3.2 カナダ英語の一般的特徴
4.3.3 カナダ英語の語彙と綴り字
4.3.4 カナダ英語の発音と文法
まとめ

第5章 英語と社会的属性
はじめに
5.1 地域
5.1.1 イギリスの地域方言
5.1.2 英語変種と方言の関係
5.2 社会階層
5.2.1 階層方言
5.2.2  イギリス英語の階層方言―トラッドギルによるノリッジ調査
5.2.3  アメリカ英語の階層方言―ラボフによるニューヨーク調査
5.3 ジェンダー
5.3.1 社会集団としてのジェンダー
5.3.2 英語運用にみられるジェンダー
まとめ

第6章 英語の発話行為
はじめに
6.1 語用論とはなにか
6.2 お礼
6.2.1 発話行為の仕組み
6.2.2 英語による「お礼」のストラテジー
6.2.3 「お礼」の日英比較
6.3 詫び
6.3.1 「詫び」という発話行為
6.3.2 英語による詫びのストラテジー
6.3.3 「詫び」の日英比較
6.4 依頼
6.4.1 「依頼」という発話行為
6.4.2 英語による「依頼」のストラテジー
まとめ

第7章 英語のポライトネスと談話分析
はじめに
7.1 ポライトネス
7.1.1 ポライトネスとは何か
7.1.2 協調の原理
7.1.3 Brown & Levinson(1987)のポライトネス理論
7.2 事例研究―日米の依頼行為にみるポライトネス
7.2.1 依頼とポライトネスの日米比較
7.2.2 「わきまえ方式」と「働きかけ方式」のポライトネス
7.3 談話分析
7.3.1 談話とは何か
7.3.2 談話分析の研究対象
7.4 事例研究―あいづちの日米中比較
7.5 事例研究―課題設定小集団討議の日米比較
まとめ

第8章 英語文化とコミュニケーション・スタイル
はじめに
8.1 文化とは何か
8.1.1 文化の定義
8.1.2 異文化コミュニケーション
8.2 文化モデル
8.2.1 Hal(1976)の文化モデル
8.2.2 Hofstede(1991)のモデル
8.2.3 国民文化モデルからみる英語圏文化と日本文化
8.3 事例研究―アカデミック談話にみる日英コミュニケーションの違い
8.3.1 リサーチデザイン
8.3.2 分析結果―学生の型とその分布
まとめ

第9章 英語の非言語コミュニケーション
はじめに
9.1 非言語コミュニケーションとは何か
9.2 近接空間学
9.3 パラ言語学
9.4 身体動作学
9.4.1 適応動作
9.4.2 発話調整動作
9.4.3 感情表出
9.4.4 例示的動作
9.4.5 語彙的動作
まとめ

第10章 語彙からみる英語らしさ
はじめに
10.1 歴史からみる
10.1.1 イギリス英語にみられる借用語
10.1.2 アメリカ英語に見られる借用語
10.1.3 日本語からの借用語
10.2 認知からみる
10.2.1 認知とは何か
10.2.2 英語らしいカテゴリー化
10.2.3 英語らしい喩え方
10.3 婉曲語法と政治的正しさ
10.3.1 婉曲語法とは何か
10.3.2 政治的正しさ
まとめ

第11章 文法からみる英語らしさ
はじめに
11.1 文法関係(主語)
11.1.1 主語をめぐる日英語の違い
11.1.2 主語と話題
11.1.3 主語の言語化
11.2 品詞(動詞・名詞)
11.2.1 動詞と名詞に共通する物の見方・捉え方
11.2.2 動詞・名詞からみる英語らしさ
11.3 構文と事態把握
11.3.1 英語らしい構文・言い回し
11.3.2 「する」的言語と「なる」的言語
11.3.3 「モノ」的言語と「コト」的言語
まとめ

第12章 音韻からみる英語らしさ
はじめに
12.1 音声学と音韻論
12.2 英語の音声
12.2.1 音素
12.2.2 音素体系ー母音と子音
12.2.3 音節とモーラ
12.3 英語のアクセント、イントネーション、リズム
12.3.1 アクセント
12.3.2 イントネーション
12.3.3 リズム
12.4 国際共通語としての英語の音韻論
12.4.1 国際共通語としての核
12.4.2  日本語母語話者からみた国際共通語としての英語発音の困難点
まとめ

索引


【著者紹介】

平賀正子(ひらが まさこ)
立教大学大学院異文化コミュニケーション研究科教授。
東京都生まれ。青山学院大学文学部卒業。同大学大学院文学研究科修了(文学修士)。ロンドン大学ゴールドスミス校英語・英文学研究科修了(PhD)。放送大学教養学部助教授、立教大学社会学部教授を経て、2002 年より現職。
専門分野は、英語学、言語学、詩学。
主な著書および編書として、『表現と理解のことば学』(ミネルヴァ書房, 1996)、『異文化とコミュニケーション』(ひつじ書房, 2005)、Metaphor and iconicity(Palgrave Macmillan, 2005)、『異文化コミュニケーション学への招待』(みすず書房, 2011)、Iconicity: East meets West(John Benjamins, 2015)ほかがある。



誤植に関するお詫び
本書初版1刷にて、以下の箇所について誤りがありました。 お詫びして訂正いたします。

ページ 位置
27 表2.5 Jalang-Jalang Jalan-Jalan
117 3行目 井上逸平 井上逸兵
132 7行目 表8.6 表8.5
136 下から2行目 15cm〜20cm 15cm〜45cm
156 表4.3 cos; cus cos; cuz
187 2行目 「起こす」 「燃やす」
187 3行目 “wake” “burn”
196 11行目 拗音(っ) 促音(っ)

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