『坊っちやん』の原稿を読む 佐藤栄作著
2026年10月刊行

未発選書 35

『坊っちやん』の原稿を読む

佐藤栄作著

四六判上製カバー装 定価4,400円+税 328頁

ISBN978-4-8234-1358-2

装丁 三好誠(ジャンボスペシャル)

ひつじ書房

Analysis of the Autograph Manuscript of Botchan
Sato Eisaku

【内容】

コーパスによる日本語研究が深化・進展する今こそ、第一次資料としての手書き資料の貴重さが際立ってくる。いつ、誰が書いたのかが確実な文字列の資料価値は高い。本書は、多く残された夏目漱石の自筆原稿のうち、高浜虚子の手入れが認められるとされる『坊っちやん』と、『道草』の書き潰し原稿を取り上げる。漱石は、どんな字をどのように書いたのか。言語研究、文学研究の前提・基盤として確認しておきたいことを示す。

【目次】

まえがき
序

第一部 『坊っちやん』自筆原稿の分析

第一章  『坊っちやん』漱石自筆原稿における虚子の手入れについて
はじめに
第一節 『坊っちやん』執筆前後
第二節 『坊っちやん』原稿の仮名字体 ―異体仮名の使用実態―
第三節 『坊っちやん』原稿の漱石の仮名、虚子の仮名
第四節 『坊っちやん』原稿の虚子の手入れの認定
第五節 『坊っちやん』原稿の虚子の手入れの分類
第六節 『坊っちやん』にとっての虚子の役割、手入れの意義
本章の結び

第二章 漱石の語彙と『坊っちやん』の語彙
第一節 『坊っちやん』を書いた人物
第二節 『坊っちやん』の中の虚子の語彙
第三節 『日本国語大辞典 第二版』の『坊っちやん』語彙
第四節 『CD―ROM版新潮文庫明治の文豪』と『坊っちやん』語彙
第五節 岩波書店『漱石全集』(「新全集」)と『坊っちやん』の語彙
本章の結び

第三章 『坊っちやん』自筆原稿の文字・表記
第一節 はじめに ―「坊っちやん」の確認―
第二節 『坊っちやん』原稿のひらがなとカタカナ
第三節 『坊っちやん』原稿の誤字
第四節 『坊っちやん』原稿の漢字のかたちの「ルール」
第五節 仮名の八年 ―『坊っちやん』から『心』へ―

第二部 『道草』自筆原稿の分析

第一章 『道草』の書き潰し原稿と最終原稿の文字・表記
はじめに
第一節 分析の対象
第二節 「には」 ―仮名のかたち―
第三節 「細君」 ―漢字のかたち―
第四節 「眺えた」と「経験」 ―誤記―
第五節 「生家」と「性質」 ―ルビの有無―
第六節 「挟(さしは)さむ」と「挟む」 ―送り仮名と語形―
第七節 「路地」と「眠り」 ―漢字字種の変更―
第八節 「小さい」と「小さな」 ―語形の類似した類義語の変更―
第九節 文字・表記から見た書き潰し原稿と最終原稿
本章の結び

第二章 漱石自筆原稿のルビ再考 ―『道草』のルビから―
はじめに
第一節 『道草』書き潰し原稿のルビから
第二節 漱石の仮名遣い意識と『道草』の部分ルビ
第三節 漱石のルビを見直す

第三章 『道草』を書くこと
はじめに
第一節 草稿と書き潰し原稿
第二節 『道草』を「書くこと」に影響を与えたもの
本章の結び

終わりに
参考文献
本書の章・節の基となった既発表論文等
あとがき
索引



【著者紹介】

佐藤栄作(さとう えいさく)
1957年、香川県三豊郡(現三豊市)三野町の生まれ
愛媛大学名誉教授・松山坊っちゃん会会長
1981年早稲田大学第一文学部卒、1985年早稲田大学大学院文学研究科博士後期課程中退。神戸山手女子短期大学専任講師、助教授を経て、1996年愛媛大学教育学部助教授、2001年より同教授、2022年~23年愛媛大学俳句・書文化研究センター長、2023年愛媛大学教育学部退職、愛媛大学名誉教授(2025年より松山坊っちゃん会会長)
主要論文・著作として『日本語アクセント史総合資料索引篇』(共編、東京堂出版1997)、『日本語アクセント史総合資料研究篇』(共編、東京堂出版1998)、『見えない文字と見える文字―文字のかたちを考える―』(三省堂2013)



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