メディアと「おネエことば」 クロスジェンダーする日本語、キャラクタ化する「おネエことば」 河野礼実著
2026年9月刊行予定

メディアと「おネエことば」

クロスジェンダーする日本語、キャラクタ化する「おネエことば」

河野礼実著

四六判上製 定価4,400円+税 320頁

ISBN978-4-8234-1322-3

装丁 三好誠(ジャンボスペシャル)

ひつじ書房

Media and Onê-Kotoba: Cross-Gendered Japanese and the Characterization of Onê-Kotoba
KAWANO Ayami

【内容】

メディア上でよく耳にする「おネエことば」。本書では、新聞、雑誌、テレビのトーク番組、映画、ドラマ、小説、マンガなど、各種メディアから集めたデータを材料に、「おネエことば」について実証的に明らかにしていく。「おネエことば」とはどのようなことばなのか。メディア上でどのように表現されているのか。メディアに取り込まれ、広く流通し、消費されていく中でキャラクタ化した「おネエことば」を多角的視点から論じる。

【目次】

まえがき

第1章 序論
1 研究の背景と目的
2 先行研究と本研究の位置づけ
2. 1 言語とジェンダー研究分野における先行研究
2. 2 「おネエことば」に関わる先行研究
2. 2. 1 「おネエことば」とは
2. 2. 2 「おネエことば」の特徴
3 本書の構成ならびにデータと分析方法
4 文字化の方法

第2章 「おネエことば」の語誌
―新聞・雑誌記事データベースを材料に―

1 はじめに
2 「おネエ」とは
3 「おネエことば」に関わる先行研究
4 調査に用いたデータベースについて
5 抽出データの概要
5. 1 新聞データベース調査結果
5. 2 雑誌データベース調査結果
6 抽出記事の内容分析
6. 1 何を「おネエことば」として指すか
6. 2 特徴的な共起表現
6. 3 その他特徴的な語られ方―「おネエことば」使用がもたらす効用
7 小括

第3章 テレビに出演するおネエタレントのコミュニケーション表現
1 分析対象
1. 1 分析対象者
1. 2 分析材料(分析対象番組)
2 分析:言語形式
2. 1 [人称]おネエタレントの自称(一人称)と対称(二人称)
2. 2 [発話末形式]「の(平叙文)」、「のよ」、「名詞+よ/よね」「形容動詞語幹+よ/よね」、助動詞「だ」の使用、ワ系終助詞
2. 3 [スピーチレベル]おネエタレントはタメ口で話す?
2. 4 言語形式 まとめ
3 分析:言語随伴行動
3. 1 [毒舌]おネエタレントは実際どんな毒舌を振るっているのか
3. 2 [“素”が出る現象]一次的な遊びとしてのキャラ変え行為とテレビ演出
4 分析:音声
4. 1 声の高さ
4. 2 引き延ばしの音調
5 分析:視覚的要素
5. 1 [装い]女装、非女装、誇張された女装
5. 2 [姿勢]おネエタレントたちの座り方
5. 3 [しぐさ]口元を隠すしぐさ
6 本章のまとめと考察

第4章 テレビに出演するおネエタレントの役割期待からみる言語・非言語的特徴
1 はじめに
2 分析対象
3 分析結果
3. 1 「毒舌・批判する」
3. 2 「教える」
3. 3 「いじられる・からかわれる」
4 本章のまとめと考察:おネエタレントの役割期待と言語・非言語的
特徴

第5章 フィクション作品に登場するおネエキャラクタのコミュニケーション表現
1 分析対象
2 おネエキャラクタたちの呼ばれ方
3 分析:言語形式
3. 1 [人称]使われない「ぼく」「おれ」、多用される対称詞
3. 2 [発話末形式]「ね」と「よ」、「名詞+よ/よね」「形容動詞語幹+よ/よね」、「のよ」、ワ系終助詞、助動詞「だ」の使用
3. 3 [感動詞]「あら」「やだ」「あらやだ」
3. 4 [行為要求型発話(依頼・命令・禁止表現)]「~なさい」や「~てちょうだい」で命令するおネエキャラクタたち
3. 5 [スピーチレベル]タメ口で話すおネエキャラクタたち
3. 6 言語形式 まとめ
4 分析:言語随伴行動
4. 1 [毒舌]毒舌を吐く相手と目的、そして毒舌の背景にあるもの
4. 2 [“素”が出る現象]「《男》に戻ってしまった」ように描かれるおネエキャラクタたち
5 分析:音声
6 分析:視覚的要素
6. 1 [装い]女装していない場合も細かく描写されるおネエキャラクタたちの装い
6. 2 [しぐさ]頬に手を置くしぐさ
7 本章のまとめと考察
7. 1 おネエキャラクタたちの「女ことば」の使用について
7. 2 役割語としての「おネエキャラクタのことば」

第6章 おネエキャラ以外の話者による「おネエキャラことば」の一時的使用
1 はじめに
2 分析に用いたデータ
3 「おネエキャラことば」一時的使用の例
4 考察:役割語として定着する「おネエキャラことば」

第7章 少女マンガに登場する異性愛おネエキャラクタのコミュニケーション表現
1 はじめに
2 少女マンガの歴史と本章で対象とする作品群について
3 分析対象
4 分析:言語形式
4. 1 [人称]「あたし」「わたし」「私」「あなた」を用い、「~くん」で呼ばれる
4. 2 [発話末形式]多用される「女ことば」
4. 3 [感動詞]自己の感情を表出するバリエーション豊かな感動詞
4. 4 [行為要求型発話(依頼・命令・禁止表現)]丁寧さを保ちながら他者に命令する
5 分析:言語随伴行動
5. 1 [毒舌]毒舌が期待されないおネエキャラクタたち
5. 2 [“素”が出る現象]〈男性性〉の表出をあえて必要としないおネエキャラクタたち
6 分析:音声
7 分析:視覚的要素
7. 1 [装い]女装者は皆無
7. 2 [しぐさ]顔周りに手を置くしぐさ
8 本章のまとめと考察
8. 1 第5章で対象としたおネエキャラクタたちとの相違点
8. 2 リアルからバーチャルへ―「おネエことば」のキャラクタ化
8. 3 本章で対象としたおネエキャラクタたちと「女ことば」使用の関わり

第8章 終章
1 各章のまとめ
2 包括的考察:キャラクタの言語として強化されていく「おネエことば」
3 今後の展望

参考・引用文献
あとがき
索引



【著者紹介】

河野礼実(かわの あやみ)
〈略歴〉大分県臼杵市出身。お茶の水女子大学大学院人間文化創成科学研究科博士後期課程単位取得後退学。博士(人文科学)。国内外の日本語教育機関、大学、企業等で、日本語教育、キャリア支援に携わり、山梨学院大学グローバルラーニングセンター特任講師、立教大学グローバル教育センター教育研究コーディネーターを経て、2025年より千葉大学大学院国際学術研究院講師。
〈主要論文〉「テレビに出演する「おネエタレント」の役割・期待・演出と言語行動の関わり」(『人間文化創成科学論叢』21, 2019)、「「おネエことば」という語に関する一考―新聞・雑誌記事データベースを材料に」(『国語語彙史の研究43』, 2024)、「日本で働く元留学生社員の長期就業要因に関する質的研究」(共著, 『人材育成研究』21(1), 2026)ほか。



ご注文は、最寄りの書店さんでお願いします。
お店に在庫が無くても、お取り寄せができます。 書店が最寄りにない場合は、オンライン書店でご注文ください。

 

 



お急ぎの場合は、小社あてにご注文いただくこともできます。
郵便番号、ご住所、お名前、お電話番号をメールか、FAXでお知らせください。
新刊案内へ
ひつじ書房ホームページトップへ