ひつじ書房 音声・音韻の概念史 阿久津智著 ひつじ書房 音声・音韻の概念史 阿久津智著
2024年2月刊行

ひつじ研究叢書(言語編) 第205巻

音声・音韻の概念史

阿久津智著

定価10000円+税 A5判上製 408頁

ISBN978-4-8234-1227-1

白井敬尚形成事務所(ブックデザイン)

ひつじ書房

Conceptual History of Phonetic and Phonological Terms
Akutsu Satoru

【内容】

本書は、音声・音韻分野における用語の歴史に関する研究書である。本書では、語義や語形の変化の記述を中心とする従来の語史(語誌)研究に、専門的な概念の形成や名称の成立の過程を重視し、それを文脈の中で、他の語(概念)と対比しながら分析するという概念史的な方法を加えるという試みを行った。取り上げた用語は、「音声」「発音」「発声」「音節」「音素」「音」「音韻論」「音声学」「音韻学」「半濁音」「音韻」である。

【目次】


まえがき
凡例

I 総論

第1章 語史(語誌)と概念史
1 はじめに
2 語史(語誌)
2・1 「語史」と「語誌」
2・2 語史の分類
3 「概念史」
3・1 観念史、キーワード、思想史、言説分析
3・2 概念史
4 おわりに

第2章 専門語の語史研究の方法
1 はじめに
2 「専門語」の定義
3 専門語の語史研究の方法
3・1 一般語と専門語
3・2 専門語の語史研究
4 おわりに


II 各論Ⅰ 音声・音韻用語の概念史

第3章 「音声」
1 はじめに
2 現代語における「音声」
2・1 現代日本語における「音声」の意味
2・2 現代日本語の「音声」と現代中国語の「声音」
3 「音声」の語史
3・1 一般語としての語義
3・2 一般語としての語形
3・3 専門語としての概念
3・4 専門語としての名称
4 おわりに

第4章 「発音」
1 はじめに
2 「発音」の意味・用法
2・1 古典中国語における「発音」
2・2 日本語における「発音」
3 「発音」の読み方
3・1 明治期以降の文献調査に見る「発音」
3・1・1 辞書における「発音」
3・1・2 新聞における「発音」
3・1・3 雑誌・書籍における「発音」
3・2 「はっとん」と「ほっとん」
4 「発音」の現代的意味の起源
4・1 専門語としての「発音」の意味
4・2 pronounce, pronunciationの訳語としての「発音」
4・2・1 「発音」と「呼法」
4・2・2 近現代中国における「発音」
5 おわりに

第5章 「発声」
1 はじめに
2 「発声」と「発音」との対比
2・1 日本語における「発声」の意味・用法の変遷
2・2 音声学用語としての「発声」と「発音」
3 中国語との対照
3・1 清代の音韻学説における「発声」
3・2 近代の音声研究における「発声」
3・3 音声学と音楽における「発声」
4 おわりに

第6章 「音節」
1 はじめに
2 語形に基づく「音節」の語史
2・1 「音節」の語源
2・2 中世~近世の日本語の「音節」
2・3 明治期の日本語の「音節」
2・4 現代の日中両語における「音節」
3 概念に基づく「音節」の語史
3・1 syllableの語源
3・2 古代~近世の日本における音節概念
3・3 明治期の日本における音節概念
3・4 大正期以降の日本における音節概念
4 おわりに

第7章 「音素」
1 「音素」の定義
2 原語phonemeの起源
3 「音素」の名称の由来
4 phoneme以前の類似概念(前史)

第8章 「音」
1 はじめに
2 現代の日本語学・言語学における「音」と「音韻」
3 近世までの言語音研究における「音」と「音韻」
3・1 近世までの言語研究における「音」
3・2 近世までの言語研究における「音韻」
4 近代(明治期)における音概念を表す語
5 おわりに

第9章 「音韻論」と「音声学」
1 はじめに
2 ⑴「音韻論」と「音声学」は、いつごろから、どのような概念を担って使われるようになったのか
2・1 「音韻論」
2・2 「音声学」
3 ⑵「音韻論」や「音声学」と同様の概念を表す語にどのようなものがあったのか
4 ⑶「音韻論」と「音声学」は、いつごろから今日のような概念で使われるようになったのか
補節 中国語におけるphonologyとphoneticsの訳語

第10章 「音韻学」
1 はじめに
2 ⑴「音韻学」はいつごろから使われるようになったのか
2・1 「音韻之学」
2・2 「音韻学」の使用の始まり
3 ⑵「音韻学」はどのような意味で使われてきたのか
4 ⑶「音韻学」の同義語にはどのようなものがあったのか
5 おわりに

第11章 「半濁音」
1 はじめに
2 先行研究における「半濁(音)」とパ行音
2・1 ⑴「半濁(音)」はどのような音を指してきたか
2・2 ⑵パ行音はどのように呼ばれてきたか
3 ⑶パ行音が「半濁音」として、どのように定着したか
4 おわりに


III 各論Ⅱ 「音韻」の概念史

第12章 「音韻」とは何か
1 はじめに
2 「音韻」という語の意味
2・1 現代日本語における「音韻」の意味
2・2 「音韻」の語史
2・2・1 中国語における「音韻」の語史
2・2・2 日本語における「音韻」の語史
3 日本語学における音韻
3・1 日本語学における音韻の概要
3・2 日本語学における音韻の変遷
3・3 日本語学における音韻のとらえ方
4 言語学(音韻論)における音韻
4・1 言語学(音韻論)における音韻の概要
4・1・1 言語学(音韻論)における音韻の定義
4・1・2 音韻と音声
4・1・3 現代音韻理論における音韻
4・2 言語学(音韻論)における音韻のとらえ方
5 漢語音韻学における音韻
5・1 漢語音韻学における音韻の概要
5・1・1 漢語音韻学における音韻の定義
5・1・2 音類と音値
5・2 漢語音韻学における音韻の変遷
5・3 漢語音韻学における音韻のとらえ方
6 おわりに

第13章 音韻の実用性と普遍性
1 はじめに
2 現代日本
3 現代中国
4 近世日本
5 近世中国
6 おわりに

第14章 言語音を表す「音韻」
1 はじめに
2 「音韻」が《漢字音以外の言語音》を表す用法
2・1 日本語の例
2・2 中国語の例
3 「音韻」が《言語音(体系)全体》や《単位音》を表す用法
3・1 日本語の例
3・2 中国語の例
4 おわりに

第15章 明治前期の「音韻」
1 はじめに
2 時代背景
2・1 明治前期の日本語研究
2・2 明治後期の日本語音声研究
3 明治前期の日本文典類に見る音韻
3・1 「音韻」の意味・用法
3・2 日本語の音の範囲
3・3 五十音図の名称
3・4 「五十音」(要素)
4 明治前期の日本文典における日本語音声
4・1 日本文典における日本語音声の位置づけ
4・2 日本文典における日本語音声研究の内容
5 おわりに


参考文献
あとがき
索引


【著者紹介】


阿久津智(あくつ さとる) 1960年生まれ。群馬県高崎市出身。 立教大学大学院文学研究科博士前期課程修了。博士(文学)。 拓殖大学外国語学部専任講師、同助教授を経て、2005年4月より同教授。
おもな著作:「動詞の諸問題」(『品詞別学校文法講座 第3巻 動詞・形容詞・形容動詞』明治書院、2015、共著)、「明治後期・大正期の口語文典における音韻」(『歴史言語学の射程』三省堂、2018、共著(編集委員))、「文のなりたち」(『日本語文法百科』朝倉書店、2021、共著)


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