ひつじ書房 条件文の日中対照計量的研究 李光赫・趙海城著 ひつじ書房 条件文の日中対照計量的研究 李光赫・趙海城著
2022年8月刊行

ひつじ研究叢書(言語編) 第188巻

条件文の日中対照計量的研究

KH CoderとSPSSを利用した可視化分析

李光赫・趙海城著

定価6800円+税 A5判上製函装 200頁

ISBN978-4-8234-1113-7

ブックデザイン 白井敬尚形成事務所

Study on Measurement of Conditional Sentences Contrast in Japanese-Chinese: Visualized Analysis by Utilizing KH Coder and SPSS
LI Guanghe and ZHAO Haicheng

ひつじ書房


【内容】
日中対照研究者必携!中日対訳コーパスを利用し、条件文の日中対応状況を可視化する方法を説明した最初の研究書。初心者でも理解できる中日対訳コーパスの構築と研究の方法を紹介。日中対照研究を量的に比較・可視化する新たな研究方法を提示。海外版のWindowsでも使え、数学が苦手な文系の研究者でも統計処理が可能。三種類以上の言語と日本語の対照研究にも応用可で、海外の日本語学習者でも日本語教育者でも使える。

【目次】
はじめに

序章 翻訳研究とコーパス
1. 対訳コーパスのこれまでの問題点
2. Windows基本ソフトによる対訳コーパス構築
3. 意味の可視化

第1章 PDFで日中対訳コーパス構築
0. 本章の概要
1. コーパス作成のための前作業
1.1 文字化された電子版を手に入れる
1.2 青空文庫のテキストのルビを削除する方法
2. ExcelからPDFコーパスの作成へ
2.1 中国語版テキストファイルを手に入れる
2.2 Excelで日中対訳文を段落ごとに左右一致させる
2.3 ExcelをPDFに変換してPDF対訳コーパスを作る
3. PDF対訳コーパスを検索する方法
4. パソコンに青空文庫コーパスを作る方法
5. まとめ

第2章 日中対訳ネットワーク分析方法
0. 本章の概要
1. 共起ネットワーク分析とは
1.1 計量テキスト分析ソフトKH Coder
1.2 抽出語で多変量解析が可能である
1.3  共起ネットワーク分析における距離の解釈と共起性尺度の選択
1.4 KH Coderを使うための前作業
2. 対訳データ入力・分析方法
2.1 対訳例のデータから共起ネットワーク図を作るには
2.2 日本語意味分類と中国語訳類型の関係
2.3 対訳データをKH Coderに取り込むための前作業
3. 対訳ネットワーク分析図作成方法
3.1 KH Coderで図を出すための前作業
3.2 共起ネットワーク図の描き方
3.3 共起ネットワーク図の解釈と分析の仕方
4. まとめ

第3章 SPSSによる日中対訳対応分析方法
0. 本章の概要
1. 対応分析とは
2. SPSS取り入れ用データ整理方法
3. SPSSに入力したデータを整える方法
4. 値にラベルを貼る
5. ケースに重み付けをする
6. 対応分析:行と列の範囲を定義する
7. 対応分析図生成と描画方法
8. まとめ

第4章 多言語対訳パラレル表示ツールの使い方
0. 本章の概要
1. ソフトの各機能の紹介と検索方法
1.1 ソフトの各機能の紹介
1.2 対訳例検索方法
1.3 コーパスのデータベースのグループ分け
1.4 三か国語の対訳を同時に検索する方法
2. 対訳Excelをコーパスに取り入れる方法
2.1 日中対訳Excelをコーパスに取り入れる
2.2 中日対訳Excelをコーパスに取り入れる
2.3 三か国語対訳Excelをコーパスに取り入れる
3. まとめと補足

第5章 ト条件文の意味分類
1. アクチュアルな事態を表すト
1.1 「動作の連続」を表すト
1.2 「発見・出現」を表すト
1.3 「契機」を表すト
2. ポテンシャルな事態を表すト
2.1 「現実仮定」現実に即した状況
2.2 「一般」関係を表すト
2.3 「習慣」を表すト
3. トの文法的・意味的制限
3.1 疑問詞が現れる位置の制限
3.2 トの文法的・意味的制限

第6章 タラ条件文の意味分類
1. アクチュアルな事態を表すタラ
1.1 「発見・出現」を表すタラ
1.2 「契機」を表すタラ
2. 「仮定」を表すタラ
2.1 「仮定状況」のタラ
2.2 「行為成立」:行為の成立条件の状況を設定するタラ
2.3 「p事実文」のタラとその期待性
3. 「反事実」仮定を表すタラ・バの文法的特徴
3.1 特徴その一:後件が過去形(タ形)になる場合が多い
3.2 特徴その二:期待はずれ及び残念感を表す表現と共起する
3.3 特徴その三:文末に期待感の高い予測表現の過去形が現れる
3.4 特徴その四:後件には「~していた」という形がよく使われる
3.5 特徴その五:P節がテイル形
3.6 反事実仮定の特徴のまとめ:タ形・テイル形

第7章 バ条件文の意味分類
1. 「p事実文」のバ
1.1 Pは既然の事実で、Qはそれに基づく判断である
1.2 「期待性」を表すバ
2. 「反事実」仮定を表すバ
3. 「一般・習慣」的関係を表すバ
3.1 「一般」的な論理関係を表すバ
3.2 過去・現在の「習慣」
4. 「予想」を表すバ
4.1 P条件による仮定のもとで起こり得る結論Qを予想
4.2 「最低条件」を表すバ
4.3 まとめ

第8章 ト・タラ・バの違い
1. 疑問詞が現れる位置が異なる
1.1 疑問詞はトの後件にしか現れない
1.2 疑問詞はバの前件にしか現れない
1.3  疑問詞はタラの前件と後件のどちらも出現可能である
2. 「期待性」から見たバ・テハ・タラ
2.1 バの「期待性」
2.2 テハの「反期待性」
2.3 タラの「期待性」と「反期待性」
3. トの「現実仮定」とタラの「単なる状況」
3.1 トの「現実仮定(現実に即した状況)」
3.2 タラの「単なる状況」と「仮定的状況」
4. 「行為成立」のタラと「当為表現」のバ
4.1 「行為成立」の文末には当為表現が来る
4.2 タラの「時の表現(時間の経過)」と「仮定表現」
4.3 バとタラの「当為表現」の違い
5. 話者の実体験を相手に伝達・報告するタラ
6. 「動作の連続」のトと「契機」のト・タラ
7. トとバのニュアンスの違い

第9章 ト条件文の日中翻訳定量研究
1. はじめに
2. 従来の研究
3. ト条件文の意味分類
4. 対訳傾向の共起ネットワーク分析
5. 『日本語文型辞典』との比較
6. ポストコロナ時代の新しいカリキュラム開発に向けて
6.1 現実状況(確定条件)を表すト条件文
6.2 潜在条件を表すト条件文
7. おわりに

第10章 タラ条件文の日中翻訳定量研究
1. はじめに
2. 先行研究
2.1 タラ条件文の意味用法
2.2 タラ条件文についての日中対照研究
3. 本章におけるタラ条件文の意味分類
4. タラ形式の意味用法とその対訳傾向
4.1 分析対象
4.2 タラ形式の意味用法分布と対訳傾向
5. 共起ネットワーク分析
6. 対応分析とビジュアル化
6.1 対応分析
6.2 日本語教育及び日中翻訳への応用
7. おわりに

第11章 バ条件文の日中翻訳定量研究
1. はじめに
2. 従来の研究
3. 仮定を表すバ形式
3.1 予想(Ⅰ予想)
3.2 文末に当為表現がくる場合の制限(Ⅱ当為)
3.3 前件が事実文の仮定文(Ⅲ事実)
3.4 反事実文(Ⅳ反事実)
4. 一般的・習慣的条件(Ⅴ一般)を表すバ形式
4.1 一般的条件
4.2 現在・過去の反復的事態や個人の習慣
5. 疑問詞と共起(Ⅵ WH)
6. 共起ネットワーク分析
7. おわりに

索引




【著者紹介】
李光赫(り こうかく)
京都教育大学国語教育研究科修士課程修了、修士。東北大学文学研究科国語学専攻博士後期課程修了、文学博士(Ph.D)。
大連理工大学外国語学部講師を経て、現在、大連理工大学外国語学部副教授。
専門は日本語学、日中対照言語研究。対訳コーパスを用いた計量的研究。
主な業績に「中国語複文の有標と無標の捉え方から見るト条件文の日中対照」(共著、『国語学研究』54、2015)、『日中対照から見る条件表現の諸相』(風詠社、2011)、『日中対照から見る原因・理由文の諸相』(共著、風詠社、2015)など多数ある。

趙海城(ちょう かいじょう)
九州大学大学院比較社会文化学府博士後期課程修了(2009)。博士(比較社会文化)。(中国)遼寧師範大学助教、明星大学助教、准教授を経て、現在、明星大学人文学部教授。
専門は日本語学、日本語教育、日中対照言語研究。コーパスを用いた計量的研究、日本語学習者の産出言語研究、対人評価行動に関する日中比較研究に取り組んでいる。
主な業績に「中国人の肯定的・否定的評価場面での言語表現分析—相手が親友の場合」(『東アジア国際言語研究』2、2021)、「タラ条件文の日中対訳体系のビジュアル化—現代小説100編でのタラ条件文1000例を中心に」(共著、『ことばの科学』34、2020)、「中国人日本語学習者と母語話者の産出語彙の比較—I-JASを用いた特徴語分析」(『語用論研究の可能性』、 朝日出版社、2020)がある。


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