未発選書第２巻

身体の構築学

−社会的学習過程としての身体技法−

福島真人編／四六版／並製／4,200円

近代の問題、認知の問題のいきつくところは身体である。身体が「芸能」と いうからだの活動をどう修得していくかということを手がかりに、この問題 にせまる。人文科学・社会科学においての卓越した成果。ブルデューを超え たか？　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

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目　次

序文―身体を社会的に構築する　福島　真人


1. 暗黙の知を支える前提
   
2. 社会的ルーティンとしての儀礼的行為
   
3. 学習過程としての暗黙知
   
4. 習得過程の社会性という問い
   
5. 教授―学習の社会的ミクロサイクル
   
6. 徒弟制というメタファー
   
7. 『身体の構築学』の二つのルーツ
   
8. 『身体の構築学』への道
   
9. 徒弟制への異なる視座―先駆者達
   
10. 芸道的徒弟制の政治学　―参加というプロブレマティーク
    
11. 芸道的徒弟制の政治学　―権威、深度、「積極的秘匿」
    
12. 芸道的徒弟制の政治学　―市場メカニズムと組織
    
13. 徒弟制モデルの効用と限界
    
14. メディアの革新と実践の変容
    
15. 『身体の構築学』の構成
    


儀礼から芸能へ―あるいは見られる身体の構築　福島　真人


1. 一つの寓話
   
2. 儀礼――生存への意志と閉じたサイクル
   
3. 観客と身体のハイパーインフレーション（ あるいはジャンルとしての「身体技法」）
   
4. 結論
   


芸能を〈身につける〉―山伏神楽の習得過程　西郷　由布子


1. はじめに
   
2. 山伏神楽
   
3. 神楽の習得過程
   
4. 神楽の構成＝「手ごと」の仕組み
   
5. 「手ごと」の機能
   
6. 学習としての稽古
   


「民俗芸能」における言説と身体　橋本　裕之


1. 「民俗芸能」の理念と実際
   
2. 言説の複数性
   
3. 言説の複数性
   
4. 演技を習得する／させる過程
   
5. 演技を習得する／させる過程
   
6. 「演技の共同体」の現在
   


伝承の解剖学―その二重性をめぐって―　小林　康正


1. 伝承論への新しい視角――技能、個人、社会というトリアーデ――
   
2. 芸能のある場所――三味線、民謡、宴会の民俗誌――
   
3. 伝承の二重性――変化しつつ構造化する伝承――
   


イエ相続の実践―参加と再生産をめぐって―　常田　夕美子


1. はじめに
   
2. 現代におけるイエ研究の意義
   
3. 「相続慣行論」的説明とその問題点
   
4. イエの組織構造とリクルートメント
   　
5. イエ相続における永久性の獲得過程
   　
6. イエへの参加形態と相続の実践
   
7. イエの変化と継続の一事例―自らの経験から―
   
8. 結び
   


大衆演劇における芸能身体の形成　鵜飼　 正樹


1. はじめに
   
2. 大衆演劇の出しものと上演される場
   
3. 口立て稽古・立ち稽古
   
4. 上演
   
5. 芸の習得過程
   
6. 役者アイデンティティーの定着と承認
   
7. 組織の変動と芸の習得
   
8. きょうだい弟子
   
9. 芸と人気
   


古典音楽伝承の共同体―能における保存命令と変化の創出　藤田　隆則


1. 保存命令と実践
   
2. 能のリズムに関する実践上の規範―説明形式批判をかねて
   
3. 実践規範の選択と強調―リズム図式への弾圧
   
4. 同一性の神秘化―こころの領域
   
5. まとめ―および共同体の現状
   


「わざから知る」その後　レクチャーと討論　生田　久美子
「ＺＰＤからＬＰＰへ」―開けＺＰＤ―　レクチャーと討論　茂呂　雄二

参考文献
あとがき
索　引