鷲田清一



1949年、京都市生まれ。大阪大学教授。メルロー・ポンティの現象学から、顔、ファッション、仕事…、まで、人のありかたを柔らかい視線で、問い続ける。その視線と語り口で、新しい哲学の立場の提唱に踏み出している。今もっとも、今を見つめている哲学者の一人。新しい哲学の名は「臨床哲学」といい、『「聴く」ことの力』(ブリタニカ 1999)に現れている。『だれのための仕事』で語られたボランティア論は、仕事についてかかれたもっとも美しいことばのひとつではないだろうか。

主要著書

『顔の現象学』(講談社学術文庫)、『だれのための仕事』(岩波書店)『モードの迷宮』(ちくま学芸文庫)



崎尾英子



1949年、福岡県生まれ。国立小児病院精神科医長。文化人類学者でもあり、精神科医でもあったベイトソンの影響を受け、近年は、ステーブン・ギリガンの自己間関係理論の紹介と協力、実践を行っている。また、最新の治療法であるEMDR(眼球運動による脱感作および再処理)治療の使い手でもある。NHKこどもと教育電話相談室での、応答者を長く務め、ファンも多い。明晰で的確な発言と「気」へのシンパシーの両方の側面をもつ精神科医。

主要著書

『子どもを支えることば』(言叢社)、『かよいあいたい心たち』(言叢社)、『愛という勇気』(言叢社)



平田オリザ


1962年、東京生まれ。バックグランド音楽はない、俳優が叫ばない、俳優が同時に話す、後ろ向きに話すなど、過去の演劇と一線をかくするリアルへの感覚から、静かな演劇と呼ばれる新しい世代の演劇の旗手。演劇というものの現代的な意味、現代語の話しことばについて、もっとも具体的で、理論的な思考を持つ劇作家、演出家。青年団の代表、アゴラ劇場の支配人でもあり、組織論、経営論としても優れたもので、小さな組織、SOHOやNPOにとっても重要。


主要著書

『平田オリザの仕事1 現代口語演劇のために』(晩聲社)、『平田オリザの仕事2 都市に祝祭はいらない』(晩聲社)、『演劇入門』(講談社)


主要作品

「東京ノート」

「ソウル市民」

「北限の猿」

「カガクするココロ」