メンタルスペース理論による日仏英時制研究 井元秀剛 著
2010年2月
ひつじ研究叢書(言語編)第79巻
メンタルスペース理論による日仏英時制研究
井元秀剛 著
A5判上製 定価6,800円+税
ISBN 978-4-89476-458-3
ひつじ書房
本書は、2005〜2008年度の「基盤研究C」『メンタルスペース理論に基づく仏英日本語の時制対照研究』の研究成果を公開するものであり、メンタルスペース理論を用いて、 現代のフランス語、英語、日本語という言語が個別に備えている時制体系を、統一的に、一般言語学的観点から記述する試みをおこなっており、一般的原理からの帰結として説明可能なことを示している。
【目次】
1 章 序論
2 章 テンス・アスペクト・モダリティ
2.1. 概観
2.2. スペース
2.3. メンタルスペースにおけるテンスとアスペクト
2.3.1. 基本スペースとテンス
2.3.2. アスペクト
2.3.3. メンタルスペースによるテンス・アスペクト規定の 特徴
2.3.4. フランス語の大過去と前過去
2.3.5. 日本語のテンス形態素「̶シタ」の記述
2.4. 時制形態の価値
2.4.1. 現在形
2.4.2. 未来形
2.4.3. 過去形
3 章 従属節の時制
3.1. 英語における間接話法の時制をめぐる問題
3.1.1. 現在形、過去形の解釈の多様性
3.1.2. 未来形の制約
3.1.3. BASE からのアクセス制約
3.2. Cutrer(1994)による間接話法の原理
3.2.1. Access Path: V-POINT/@ →ターゲット
3.2.2. Access Path: BASE → V-POINT/@ →ターゲット
3.2.3. Access Path: V-POINT/BASE →ターゲット
3.2.4. 関係節との違い
3.3. Cutrer(1994)説の問題点
3.4. 改案
3.5. Cutrer(1994)の問題に対する解法
3.5.1. 現在形、過去形の解釈の多様性について
3.5.2. 未来形の制約について
3.5.3. BASE からのアクセス制約について
4 章 日本語と談話構成原理
4.1. 言語による時制選択の異なり
4.2. 日本語における相対テンスと絶対テンス
4.3. 談話構成原理と日本語
4.4. 日本語のテンス形態素「̶シタ」の本質的機能とテンス・ア スペクト
4.4.1. 提起した問題の解答
4.4.2. 形態素「̶シタ」の全体像
4.5. BASE initial 言語とBASE final 言語
4.5.1. 日本語はEVENT よりの視点をとる
4.5.2. 過去形の語りにおける現在形の混在
4.6. 日本語の視点制約
4.7. 結論
5 章 過去と仮定性
5.1. 考えるべき問題
5.2. 仮定性にまつわる用語について
5.3. フランス語の半過去と過去性
5.4. 過去性と蓋然性
5.5. 日本語における過去性と仮定性
5.6. 英仏語における過去性と仮定性
5.7. 英仏語における帰結節の構造
5.8. 英語の仮定法構文のスペース構成
5.9. 結論
6 章 フランス語における« aller + inf »( 近接未来)
6.1. 形式
6.1.1. PRESENT PROSPECTIVE
6.1.2. PAST PROSPECTIVE
6.2. 構造から導かれる性質
6.2.1. 構文制約
6.2.2. quand 節の中に置くことができない
6.2.3. BASE から断絶した未来にFOCUS を置けない
6.2.4. FOCUS においてイベントP は未実現である
6.2.5. 否定文で現れにくい
7 章 フランス語の半過去
7.1. 概観
7.2. 半過去の基本的属性の現れ方
7.2.1. IMPERFECTIVE
7.2.2. PAST
7.3. 半過去がもつ派生的性質
7.3.1. 含意
7.3.2. 直前状況型スペース構成
7.4. 半過去まとめ
8 章 結論
参考文献
あとがき
索引
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