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2020.7.31(金)

外部研修


今週の月曜日に東京商工会議所が主催する「ビジネスマナー基礎講座」に参加してきました。私にとっては初めての外部研修でした。本来であれば入社したての4月ごろにさまざまな研修を受けるはずですが、今年はコロナウィルスと緊急事態宣言の影響でほとんどの外部研修が中止・延期になっていたのです。
今回の研修でも、感染防止のためにフェイスシールドが配布されて、グループワークで話し合いをする際に着用しました。また、名刺交換の練習も渡す形を確認するような内容で、実際には交換しませんでした。

研修の内容は主に挨拶、来客応対、電話応対、敬語など、すでにこの三か月で実際に実践してきたものばかりでした。そのため、私は「新しいことを学ぶ」というスタンスではなく「自分が今までしてきたことの再点検」という意識で研修を受講しました。日々の業務の中では中々自分の所作を振り返る余裕がありませんが、この機会に「自分の応対の仕方は間違っていないか」、「敬語はきちんと使えているか」など、自分自身の所作を改めてチェックする良い機会になりました。

早いもので、自分がひつじ書房に入社してから四か月が経とうとしています。入社してすぐに緊急事態宣言のためにリモートワークが始まるなどして、慣れないことばかりが続いた4、5月ごろは、正直不安な気持ちでいっぱいでした。ただ、最近は新生活にも会社にもだいぶ慣れてきました。その代わり、慣れてしまったがために「ゆるみ」が出てきているのではないか、という自覚もありました。
今回の研修は初心に戻るのによい機会でした。これを機に、気を引き締めて、日々の仕事を一つ一つ丁寧にこなしていきたいと思います。





2020.7.22(水)

「外国語アレルギー」の克服


中学生のころ、英語を勉強するのが苦手でした。1年生の1学期の中間テストで赤点ギリギリの点数をとって「なんで日本に住んでいるのに外国の言葉を学ばなきゃいけないんだ!」という、笑えるほどテンプレートのような怒りを英語の得意な友人にぶつけたのを、今でも覚えています。
大学に進学して必修科目である第二外国語を学ばなければならなくなった際も、自分の「外国語アレルギー」は治っておらず、履修した中国語の成績はあまり褒められるようなものではありませんでした。

そんな自分ですが、最近は毎日中国語の勉強をしています。
きっかけは二つありました。一つはひつじ書房の採用試験を受ける際に「言語学系の出版社を受けるのに、語学が苦手で嫌いじゃ話にならない」と感じたからです。
もう一つのきっかけは、ここ数年で中国・香港・台湾のミステリ小説(「華文ミステリ」と総称されています)が相次いで邦訳されたことです。そのクオリティの高さに魅せられた自分は「もっと華文ミステリを読んでみたい」と思うようになり、苦手だった中国語の勉強を再び始めました。
毎日の通勤時間やちょっとした隙間時間を利用して地道に勉強を続けて、そろそろ半年ほど経ちました。「外国語アレルギー」だった自分がちゃんと続けられていることに自分自身驚いています。必修科目で義務的に勉強するのと、目的意識を持って楽しみながら勉強するのでは、こんなに差があるのだと実感をしています。
最近は、中国の動画配信アプリを利用して、字幕付きのミステリドラマを見て楽しみながら勉強しています。特に「愛奇芸」で配信している「隠秘的角落」は映像のクオリティも高く、毎回衝撃の展開が待ち受けるサスペンスドラマで、自信を持ってオススメできます。

中国語を勉強し、中国エンタメに触れるようになって、他国の文化の奥深さを感じられるようになりました。おそらく日本語で知れる情報だけでは感じ取れなかったものだと思います。
もし、中学の時の自分に話しかけられるとしたら、「たしかに外国語を学ばなくても日本で生活はできる。けれど、日本に閉じこもっているだけでは見えてこないことを知るためのカギが外国語なんだと思う」と伝えてやりたいです。





7月

2020.7.22(水)

最近電子書籍化した本のお知らせです


じめじめっとしていて、梅雨明けが待ち遠しい日々です。
今回は、最近電子書籍化した本をお知らせします。

『使える日本語文法ガイドブック』(中西久実子・坂口昌子・大谷つかさ・寺田友子著)
『学生を思考にいざなうレポート課題』(成瀬尚志編)

上記2点、Amazonのkindle版での販売を開始しました。
どちらも固定レイアウトで、書籍と同じデザインで表示されます。

固定レイアウトはスマホのようなちっちゃな画面で読むのは辛いと思いますので(読めなくはないですが)、大きめのディスプレイで読んでいただくのが良いのかもしれません。

現在は電子書籍の形式の都合上、Amazonでの販売しか行っておりませんが、今後は、Google playブックスでも販売を開始する予定です。

世界的なパンデミックを受け、なるべく読者の皆様が手に入りやすい形でということで、今後も電子書籍を増やしていこうということになっています。といっても、一気にいろいろな本を電子化することは、人手不足もあり難しく、いつも通りコツコツと進めています(電子化するといってお待たせしている本もあり申し訳ないです・・・)。

ぜひ電子書籍もご覧ください。





2020.7.16(木)

『未発 2020年夏号』発送しました


先週、新刊目録『未発 2020年夏臨時号』を発送いたしました。例年であれば5月ごろに発送していますが、今年はコロナウィルスの影響でこの時期の発送となりました。
発送作業はスタッフ総出で2日間かけて行いました。まだ発送作業を経験したことがなかった新入社員の自分は、発送作業の予定日を聞かされた時に「スタッフ全員で作業行うのに、2日間も必要なのかな?」などと考えていましたが、それはとても甘い考えでした。8000通近くを送るのには、スタッフ全員でもそのくらい時間がかかり、長時間発送作業を行った後はクタクタになっていました(それでも先輩によると「今年は早めに作業が終わった」と聞いて驚かされました)。
発送作業自体も、慣れない自分は1通作成するのにとても時間がかかってしまい、先輩方がてきぱきと素早く作業を行っているのを見て焦ってしまいました。それでも段々慣れてくると少しずつスピードアップし、「みんなで一丸となって作業するのって、高校のころの文化祭前夜みたいだな」などと考えられるくらいには余裕も生まれてきました。文化祭のことを思い出してからは作業自体も楽しくなってきました。

今年の3、4、5月はコロナウィルスの影響でなかなか書店に行けなかったことと思います。そのため、自分は6月以降に「こんな新刊が出ていたのか」と気づかされることが多々ありました。その点で、この時期に新刊目録をお送りするのはとても意義のある事ではないかなと思っています。
ぜひ、『未発』がお手元に届いたらゆっくりご覧ください。もし興味のある書籍がありましたら、注文用紙を同封してありますのでFAXやメールでご注文下さい。皆様のご注文をお待ちしております。





2020.7.9(木)

本格ミステリ大賞


6月27日(土)、本格ミステリ作家クラブが主催する本格ミステリ大賞の開票式があり、小説部門、評論・研究部門ともに大賞が決まりました。ひつじ書房からは評論・研究部門に『江戸川乱歩新世紀 越境する探偵小説』がノミネートされていました。残念ながら、大賞の受賞とはなりませんでしたが、賞へのノミネートをきっかけに、文学研究者だけでなく幅広いミステリ読者にも本書を手に取っていただければ、と思っています。
ミステリ小説が好きな自分は、毎年この本格ミステリ大賞の発表を楽しみにしています。大学時代には所属していた推理小説研究会の友人と、どの作品が受賞するか予想しあったり、同人誌で大賞作品の全作レビューをしたりしていました。

ところで、ひつじ書房は言語学の出版社ですが、自分はミステリを読んでいると、ときどき言語学の知見が活かせそうだなと思うときがあります。
たとえば叙述トリック(小説の描写で読者を騙すトリック)については、グライスの協調の原理を用いて分析した田中一彦先生の「協調の原理と叙述トリック」(2000)や、モダリティの観点から『アクロイド殺し』を分析した堀田知子先生らの「『アクロイド』の語りのデザイン」(2016)などといった論文があり、大学時代に読んだとき「言語学研究はミステリをこのように分析できるのか」と感銘を受けたことを覚えています。
また、叙述トリック以外にも言語学はミステリに新しい知見をもたらすのではないかと思っています。ハリイ・ケメルマンの短編「九マイルは遠すぎる」は、語り手が街中で偶然聞いた「九マイルは遠すぎる、雨の中ならなおさらだ」という一言から、この言葉の話者がどのような境遇にあったかを推理する話なのですが、この話も語用論の観点から分析できるのではないかと考えています。
自分はまだ新人なので、まだ一冊の本の企画編集など出来る立場ではありませんが、将来、ミステリを言語学の観点から研究する本が刊行出来たら面白いのではないかと思っています。あわよくば本格ミステリ大賞にもノミネートされたい、と夢ばかりが膨らんでいます。





2020.7.7(火)

「コピペをしない」ではなく「コピペをさせない」ということ


今年もあっという間に半分が過ぎ、今日は七夕です。
短冊には、毎年のことですが家族の健康を願い書き込みました。

春以降、新型コロナウイルスの影響もあり新刊の刊行はペースダウンを余儀なくされていますが、重版については月3点程度と採用品以外の時期としては、ありがたいことにいつもよりも頻繁にしている気がします。重版担当者としましては嬉しい悲鳴です。

先日3刷の重版が出来てきた『学生を思考にいざなうレポート課題』
は、コロナで加速したネット社会のレポートの課題設定について考えるのに最適な本です。2016年12月初版で刊行から3年半が経っていますが、オンライン授業などでペーパーテストが行えない、学生の理解度がわからないので、課題に取り組ませたい思いもあってか、この本に注目頂いた方が多かったようです。
SNSやレビューなどで「もっと早くこの本に出会いたかった」と言ってくださる方もおられたり、口コミで広めて頂いたようで再注目されているようです。ほんとうにありがたいことです。

教える側がただレポートを学生に課すだけではなく、どうすれば学生が頭を使ってレポート課題に取り組むのかということについて、丁寧にまとめられています。
大学の先生向けに書かれてはいますが、内容は中学・高校の先生方にも共感してもらえるものになっていると思います。
例えば、剽窃はしてはいけないことですが、してはいけない、「コピペはだめ」と言うだけでなく、具体的にどのような課題設定にしたら剽窃がしにくくなるのかという提案が授業設計や評価の観点から書かれています。

私が特に大事だなと、学生側の視点で感じたのは、第4章の冒頭に書かれている『「あなたの書くものに価値がある」ということを伝えることが重要』という点です。
これ以外にも「うんうん」と頷きながらあっという間に読めてしまうのですが、課題を出す側にとって重要な気づきが多いことと思います。

一時、品薄になっており一部のオンライン書店では品切のところもあるかもしれませんが、重版で在庫は十分ございます。まだ読んだことのない方は、この機会にぜひご覧ください。





2020.7.2(木)

はじめてのオープンオフィス


ひつじ書房では現在、研究書出版のための相談会「オープンオフィス」を実施しています。今年は例年通りの対面でのご相談以外に、ZoomやSkypeなどオンラインでのご相談も受け付けています。

オープンオフィスは毎年開催されていますが、今年入社した自分にとっては初めての経験となります。自分は経験が浅いため、社長や先輩方のようにご相談にお答えすることはほとんどできませんが、議事録作成と勉強のために同席させていただいています。

オープンオフィスに同席させていただいて、研究者の皆様からお話を伺うとき、自分はとても知的興奮を覚えています。研究者の皆様がどのような問題意識のもとに研究を行なっているのか、出版することで学術界にどのような影響を与えるのか、そういった話を研究者の方から直接聞くことができて自分は幸せだなと思いながらメモを走らせています。
また研究者と編集者の間でどのようなやりとりがなされ、研究が一冊の書物として結実するのかを垣間見ることができ、非常に勉強になります。

大学院時代にとてもお世話になった研究書、その誕生の瞬間に立ち会えることに喜びを感じながら、自分は議事録を作成しています。
今年のオープンオフィスではまだ未熟な自分では研究者の皆様のお役に立つことは難しいかもしれませんが、今年学んだことをバネにして、来年のオープンオフィスでは自分も研究書を出版するためのお手伝いができるようになりたいと思います。





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