『記憶と印象』
板東が入社した年に創刊した『中国現代文学』。少部数・本体価格2,000円と、なかなかの小さな出版物で、出版社としてはすこし大変なのですが、翻訳会の方々の「現代中国における様々な文学作品、その豊かな言語空間を伝えたい」という情熱にはげまされ、年に2回こつこつと出し続けています。
今号で12号となるのですが、10号からは文字を大きくしたりするなど、少しずつリニューアルしています。12号は、長編が入り、頁数が大幅に超過しそうだったので、長編のみ脚注スタイルをやめて、二段組みにしました。表紙は毎号色とモチーフが変わるのですが、翻訳会の方が毎号送ってくださる、かわいらしい工芸品などの写真もたのしみのひとつです。
こつこつ発信し続けて良かったなと思ったこととして、本誌で連載していた『記憶と印象』が今秋、平凡社さんから単行本として刊行されたことがあります。『記憶と印象』は「静謐」といったらよいか、哲学的な味わい深い随筆で、連載されていた時から毎号たのしみにしていました。まとまったかたちで、多くの方に手にとっていただけることをうれしく思います。これを励みに、今後もハードコアな出版を続けていけたらと思っています。
12号は、いつもより刊行が遅れてしまったのですが、まもなく刊行します。表紙もおたのしみに。
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