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6月


2013.6.26(水)

衆議しましょう

最近、耳にすることの多くなってきたことばに、「熟議民主主義」というものがあります。今まで専門家が決定してきた事柄を、市井の人々が話し合って決めようという動きが、東北地方太平洋沖地震以降、より大きくなっているように思います。また、昨夏に原発・エネルギー政策についての「国民的議論」が行われたことも記憶に新しいかと思います。故・加藤哲夫さんが『市民の日本語』で書かれた、「参加型」の議論の方法、新しいコミュニケーションのあり方は、10年経って社会により浸透していき、特別なことではなくなりつつありますが、今もやはりわたしたちの大きな課題であると言えます。

このたび、大阪大学の金水敏先生とひつじ書房とで共催するトークイベント「日本語を衆議する/日本語で衆議する」では、話し合いの日本語について考えるとともに、そもそも、日本語ということばを衆議によって変えていくことはできるか、ということを議論したいと思います。

関西にお住まいの方々、ご参加をお待ちしております。会場で日本語の将来について衆議しましょう。これからの日本をになう若い方々・若くない方々も大歓迎です。大学の先生方、学生のみなさんにぜひぜひ宣伝をよろしくお願いいたします!


☆「日本語を衆議する/日本語で衆議する」トークイベント参加者募集!☆


 社会の複雑度が増すにつれて、当事者による衆議・熟議の必要性が一層叫ばれています。エネルギー問題、食の安全、医療問題、憲法改正、人口問題、年金問題等々、どれをとっても人任せではすまないことがらばかりです。しかし一方で日本人は話し合いが苦手とも言われ、また近代日本語そのものが衆議に向いていないのではないかとの意見も聞かれます。しかし、向いていないなら日本人を、そして日本語そのものを作り変えていってもいいのではないでしょうか。このトークイベントは、そのような観点から、言葉とコミュニケーションのプロフェッショナルを囲んで日本語の将来について語り合うイベントです。ふるってご参加ください。

企画・進行:金水 敏(大阪大学大学院文学研究科)

○第1回:7月1日(月)14時〜17時〈ファシリテーターとは何か?〉
場所:大阪大学・超域イノベーション豊中セミナー室
話題提供者:八木絵香・小林傳司(ともに大阪大学コミュニケーションデザイン・センター)
 科学技術コミュニケーションの現場を数多く実践・分析してきたお二人に、“日本語の何が問題か”“対話を通して日本語の何が変わるか/変わらないか”を体験的に語っていただくとともに、日本語になりにくい“ファシリテーター”の役割と醍醐味についてお話しいただきます。また参加者のみなさんにもディスカッションに参加していただき、問題点を洗い出していきます。

○第2回:7月18日(木)15時〜17時〈衆議の技法〉
場所:大阪大学・21世紀懐徳堂スタジオ
話題提供者:平田オリザ(大阪大学コミュニケーションデザイン・センター/劇作家)
 『日本語には対話がない―学びとコミュニケーションの再生―』(北川達夫と共著、三省堂、2008)『わかり合えないことから―コミュニケーション能力とは何か―』(講談社現代新書、2012)の著作もある世界的な劇作家・演出家の平田オリザ氏とともに、演劇的観点から、日本語の特質と対話的コミュニケーションのための技法について話し合います。

○第3回:7月22日(月)14時〜17時〈公共空間の日本語を設計する〉
場所:大阪大学・超域イノベーション豊中セミナー室
話題提供者:相澤正夫・田中牧郎(ともに国立国語研究所)
 医療・介護用語、法律用語等、公共の場で非専門家が当事者として直面する用語が、専門的すぎて難解であるとの批判がしばしば聞かれます。言語が持つこのような公共性について私たちはまさに当事者であり、私たちの意見を盛り込んでよりわかりやすく使いやすい日本語に変えていくべきでしょう。そのような作業に取り組んでこられたお二人に、実践例を伺うとともに、参加者とともにいくつかの事例について話し合います。医学部生、法学部生必聴! 参加方法:どなたでも参加できます。各回について個別に受け付けます。それぞれのイベントの二週間前までに、参加したい回、参加者のお名前、所属を書いて、タイトルを「日本語トークイベント参加希望」として下記メールアドレス宛お申し込みください(定員30名に達しましたら締め切りますのでご注意ください)。

メールアドレス:kinsui_at_let.osaka-u.ac.jp (金水 敏)
※「_at_」を「@」に変えて送信ください。


主催:金水 敏(大阪大学大学院文学研究科)/(株)ひつじ書房
協力:大阪大学コミュニケーションデザイン・センター/大阪大学21世紀懐徳堂/国立国語研究所
※会場など、詳細はwebでご確認ください。
http://www.let.osaka-u.ac.jp/~kinsui/


http://skinsui.cocolog-nifty.com/linguistics/2013/06/post-93a3.html





2013.6.25(水)

お待ちしています

すっかり梅雨の季節となりました。ひつじ書房では毎年5月ごろからオープンオフィスを開始しますので、この時期になると来客も多くなります。今年は求人の面接試験なども行っているので、いっそう多いように感じます。

さて、ひつじ書房は、丸の内線の茗荷谷駅から徒歩10分程度の場所にあります。とりたてて入り組んだ道ではありませんが、なかなかたどりつけない方もいらっしゃいます。おそらく、事務所が2階にあるために見落としてしまうのでしょう。ひつじ書房は、コープ(スーパーマーケット)の2階にあります。コープに向かって右側に階段がありますので、そこからお入りください。
大きな看板などは設置していません。よーく見ると、ベランダの奥の窓ガラスに「ひつじ書房」のロゴが貼ってあります。
先日までは、入り口の階段下に看板代わり兼情報発信のためのイーゼルを立てていたのですが、雨風にさらされて壊れてしまい、しばらくお休みしていました。最近やっと新しくしたのですが、梅雨の雨続きのためにあまり出せずにいます(本日やっと初登場したのですが、さっそく雨に降られてしまいました……)。

ひつじ書房にお越しの際は、地図をプリントアウトしてお持ちいただくことをおすすめします。目印は、コープと(休みがちの)イーゼルです。

晴れ間を待っているイーゼル



2013.6.13(木)

関西での学会

今週末は言語学会、春の言語系の大きな学会はこれでひと段落、といったところでしょうか。板東は先週末の関西言語学会でフィナーレ?でした。

今春は日本語学会が6月1, 2日に大阪大学で開催され、その翌週に同志社大学での関西言語学会と、関西での学会が続いたにもかかわらず、沢山の方にお立ち寄りいただきました。この場をかりてお礼申し上げます。

春は2つでしたが、今秋は関西での学会が目白押しです。

8月31日, 9月1日  JACET@京都大
9月21, 22日  認知言語学会@京都外大
10月12, 13日  日本語教育学会@関西外大
11月23, 24日  言語学会@神戸市外大

関西支店?としては大忙しの秋になりそうです。
秋は訪れたことのない土地での学会出張(とその土地ならではの食事とお酒)もとてもたのしみですが、今回は地元民として「ようこそ関西へ」と垂れ幕を掲げる心意気ではりきっていきたいと思います。



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