はじめての…
私がはじめて最初から(原稿の割付けから)担当した本が刊行になりました。
片岡邦好・池田佳子編『コミュニケーション能力の諸相―変移・共創・身体化』です。
片岡邦好・池田佳子編 『コミュニケーション能力の諸相』詳細。
裁判員裁判、医療現場、ある民族の道案内、ロボットとのコミュニケーションなど…さまざまなコミュニケーションの場面を分析しています。
コミュニケーション場面の書き起こしがこの本の大切な要素となるのですが、私が一番難しく思った点でもあります。発話者の発話とその時の発話者の体の動きを表した記号を合わせることがなかなかうまくいかず先生と印刷所と相談を繰り返しました。例えば、救命講習でインストラクターが心臓マッサージを教えている場面です。1ライン目に発話を、2ライン目に体の動きを表現するとして、「いち」という発話と、心臓マッサージを1度したことを表す記号を合わせることは容易です。しかし、「いち」「に」という発話のとき、「に」という発話と、2度目の心臓マッサージをおこなっていることを表す記号を合わせることは、1度目のマッサージの記号との間に必要な分だけのアキを入れますので、その微調節が難しい点でした。 さまざまな記号がでてきますので、視覚的にもおもしろい分析となっています!
カバーデザインは、ひととひとのつながりをイメージしてデザイナーさんにお願いしました。パズルのピースを埋めていくように、なにかを共に創りあげるということをイメージしています。カバー表面中央あたりで、マイクに向かって話しているひとは、裁判員裁判での裁判員のイメージとなっています。その他にもカバーにはたくさんのひとが描かれています。お楽しみいただければと思います。
見本として出来あがったものを手にとった時、著者の先生がたと作ってきたものが「形」となったこと、緊張とともにとても嬉しく思いました。
今週末の社会言語科学会でお目見えいたします。この機会にぜひお買い上げくださいませ。
|