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1月


2013.1.31(木)

ベテランと若手の赤字


現在論集を何本か同時進行しておりますが、その中でベテランの研究者の方が集った論集と院生が多数を占める論文集があります。

その著者校正の赤字を見ていると、赤字に対するスタンスの違いを感じました。

ベテラン勢の赤字は、非常に丁寧かつ先を見越した、いわばいぶし銀の赤字と言えるでしょう。
たとえば、例文で2行を離したくないけれど、後の1行が次のページに行って分かれてしまっているとき。

どうしますか? 一番駄目な赤字は後の1行のところに赤字で「前ページへ。2行離さない」と書くことです。本は版面がぴっちりと固まっているので、前のページ移動して1行だけ飛び出すと言うことは基本的にしません。なので魔術のように2行くっつくことはありえません。文章を書く仕事をする以上それくらいは押さえておいてもらわないとプロと言えないでしょう。

やり方としては2通りあります。1つは、前の1行を次のページに送ることです。メリットは、簡単ということ。デメリットは次のページに送ることで1行版面の下が空いてしまうということ。

もう1つは、後の1行が前のページに送られるように、どこかを1行分削るということ。削るというのは別に思い切って削除をしなくても、言葉の言い回しを変えるだけでも案外短くすることができます。

さて、ここまでの調整はまだ中級レベル。いぶし銀たる所以は、なんらかの形でこの分かれた2行をセットにした後のことです。この2行がセットになると、必然的に行がずれます。すると、後々綺麗に2行がセットになっていた部分がずれることでまた同様にページで分かれてしまうかもしれないのです。バタフライ効果のように1行ずらしただけのはずが何行ものズレに響いてくることがママあります。索引をとっていたらバッドエンドです。

でも、さすがベテランの方は見ています。そこまで見ています。その後の図表の行間の調整や文言の修正でズレを収めています。これが、これまでの様々な経験の上に会得された術なのでしょう。

上記の事以外にもキラッと光る赤字が随所にあり痺れます。

なお、こうした微調整は校正段階で大幅に文字の差し替えなど行う場合不可能になるので、そのためにも完全原稿での提出が重要になります。校正で内容を整えるのではなく本としての完成度を上げることが重要です。ということを書いたのは、若手勢は差し替えが多すぎたということなのですけども。





2013.1.31(木)

ジャムパン

ひつじ書房では、毎週1度、勉強会をおこないます。
言語学の本『Language :the basics』、学術書の出版マニュアルである『Oxford Style Manual』の担当箇所を訳し、すこしずつ、みんなで読み進めています。
お昼の時間におこないますので、昼食はまとめてモスバーガーで購入することが多いのですが、最近は近くのパン屋さんに買いにいっています。私のお気に入りはジャムパンです。しつこい味がしないジャムが気にいっています。

2月、3月は本がたくさん出ますので、ここ最近社内はフル稼働です。
そんな中、ちょっと一息して、甘いものやお菓子食べる時間は幸せです。

今日は、担当書籍の白焼きを印刷所に戻しました。
あとは、印刷され、製本され、見本ができてくるのを待つのみです。
いったん、ホッとしているところですが、次の仕事にむけ、エンジンをかけ直さなければですね。




2013.1.22(火)

描いたのだれだ?

今年最初のスタッフ日誌更新になります。海老澤です。

すっかりお正月気分も抜け、ひつじ書房は年でいちばん忙しい時期に入りました。私の今年の目標は「効率的に動く」ですので、その達成度がはやくも試されます。
2月〜3月は、多くの新刊の刊行を予定しています。お楽しみに!

さてさて、弊社の今年の年賀状ではクイズを行いました。ご応募いただきましたみなさま、ありがとうございます。クイズの問題と解答はこちらからご覧いただけます。



ひつじスタッフの誰がどのヘビのイラストを描いたのでしょうか、という問題でしたが、なかなか面白い結果になりました。
まず正答率が非常に低いという結果になりました。全問正解者はゼロ。最高正解者は4問正解(1名)でした(ちなみにスタッフも年賀状作成中に挑戦しましたが、全問正解者はいなかったような……)。
なかでも正答率が低かったのが、房主のイラストです。なんと正答率は0%、ひとりも正解者がいないという結果になりました。私はまつげが原因ではないかとにらんでいます。ちなみにそれぞれの正答率は以下の通りです(ひつじスタッフの回答は除いています)。

             正答率
1、松本(久)のイラスト  50%
2、渡邉のイラスト     25%
3、房主のイラスト      0%
4、板東のイラスト     25%
5、森脇のイラスト     12.5%
6、海老澤のイラスト    25%

男性陣は意外性ばつぐん、ということでしょうか。なかなか面白い結果です。普段校正などで文字は見慣れている人でも、イラストの判別は難しかったようです。
応募はしなくても面白がって下さった方もいたようで、楽しんでいただけたようでなによりです。来年も行うのかどうかは未定です。馬は描くのに苦労しそうですが……。

おそくなりましたが、本年もどうぞよろしくお願いいたします!




2013.1.8(火)

今年もどうぞよろしくお願い申し上げます


ひつじ書房に入社してからはじめてのお正月を迎え、昨日から仕事始めとなりました。

お正月は、地元の神社に初詣にいきました。
毎年恒例のおみくじをひきましたが、今年は、末吉でした。
おみくじの「仕事」の欄には、「努力をしても結果はでないでしょう。」というつめたいお言葉が書かれてありましたが、気にしてはいられません。
なぜなら、私がアシスタントとして担当している書籍が刊行になるからです。

日本語文法史研究〈1〉
高山善行・青木博史・福田嘉一郎編
文法史の分野で初となる継続刊行の論文集であり、本書は創刊号となります。
文法史研究の最新の成果を国内・国外に発信する論文集となっています。

このあとも続けて私の担当する書籍が世にでていく予定です。
その中で編集者としての資質が問われることになると思っています。
また、今年はひつじ書房入社2年目を迎えます。
気をひきしめて仕事に励んでまいります。




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