パソコンで使う人は使うが使わない人には永遠に縁がない正規表現
過日に、編集や組版をする人向けの正規表現講座を受けました。正規表現を使えば、たとえば表記の統一をしたいときに便利です。「エディタ」「エディター」の表記揺れがあるときに一括して「エディター」とするなら、「エディタ」で検索して「エディター」で置き換える訳ですが、これを一括して置き換えると「エディター」は「エディターー」となってしまうわけで、そのようなときに正規表現は威力を発揮します。
また、索引を作成した後で、本文の50ページ以降が2ページ増えてしまった、というとき、索引ページのページ番号を一つずつちまちま修正しなくても、50ページ以降の数字を取り出して2をプラスしたりすることもその気になれば、できます。
頭では出来るでしょうと思っても、実際自分でしようとすると案外できないような様々なことが正規表現ですることが出来るわけですが、その検索式を作るのがとても難しい。また、上のエディターの例でも分かる通り一瞬で置き換わるので正規表現の式に間違いがあった場合、後から非常に気付きにくいので、完全にマスターしないと危なくて使えないものでもあります。
上は編集者から見た正規表現ですが、正規表現は言語研究的には、細かなコーパス処理をする人には必須の能力となってきています。例えば、「worth の後に,0語から3語挟んで,-ing で終わる語 (ただし,thing, something, anything, everything, nothing は除く) が続くもの」というとても欲張りな条件で文章中から引っ張ってきたいときに、正規表現を使用すればできるわけです。
ぜひそんな検索をできるようになりたい! と思う方に向け(思いますよね?)、ひつじ書房では現在『言語研究のための正規表現入門』の企画が進行中です。上のingの例もその中の一つです。今年中の刊行を目指していますので、どうぞお楽しみに!
脱線しますが、使わない人は永遠に使わないと言えば、ショートカットもそうですね。文章のコピーやカットは右クリックから選択してという人が多いと思いますが、windowsはctrl+c(macはcommand+c)でコピー、カットはcではなくてxを同時に押すと出来たりします。また、ファンクションキーにも便利機能が隠されていたりします。慣れると圧倒的にショートカットキーを使用した方が早いのですが、まぁなかなか新しいやり方に挑戦するのは難しいですね。
しかしそれでもオススメのショートカットは、「シャットダウン」です。WindowsXPは、キーボードのWindowsキーを押してUを2回押すだけで、シャットダウンできます。慣れれば連打で一秒掛からずにシャットダウンできます(7ではwinキーを押して右矢印、Enterキーとなって連打ができなくなったので残念です)。Macは「「Command」+「Option」+「Control」+「Eject 」」同時押しです。盤上のあやとりみたいで複雑ですが、これも、一々林檎マークまで行かなくて良いので、かなり便利です。
ぜひお試しあれ。
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