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6月

2011.6.30(木)

パソコンで使う人は使うが使わない人には永遠に縁がない正規表現

過日に、編集や組版をする人向けの正規表現講座を受けました。正規表現を使えば、たとえば表記の統一をしたいときに便利です。「エディタ」「エディター」の表記揺れがあるときに一括して「エディター」とするなら、「エディタ」で検索して「エディター」で置き換える訳ですが、これを一括して置き換えると「エディター」は「エディターー」となってしまうわけで、そのようなときに正規表現は威力を発揮します。
また、索引を作成した後で、本文の50ページ以降が2ページ増えてしまった、というとき、索引ページのページ番号を一つずつちまちま修正しなくても、50ページ以降の数字を取り出して2をプラスしたりすることもその気になれば、できます。

頭では出来るでしょうと思っても、実際自分でしようとすると案外できないような様々なことが正規表現ですることが出来るわけですが、その検索式を作るのがとても難しい。また、上のエディターの例でも分かる通り一瞬で置き換わるので正規表現の式に間違いがあった場合、後から非常に気付きにくいので、完全にマスターしないと危なくて使えないものでもあります。

上は編集者から見た正規表現ですが、正規表現は言語研究的には、細かなコーパス処理をする人には必須の能力となってきています。例えば、「worth の後に,0語から3語挟んで,-ing で終わる語 (ただし,thing, something, anything, everything, nothing は除く) が続くもの」というとても欲張りな条件で文章中から引っ張ってきたいときに、正規表現を使用すればできるわけです。

ぜひそんな検索をできるようになりたい! と思う方に向け(思いますよね?)、ひつじ書房では現在『言語研究のための正規表現入門』の企画が進行中です。上のingの例もその中の一つです。今年中の刊行を目指していますので、どうぞお楽しみに!

脱線しますが、使わない人は永遠に使わないと言えば、ショートカットもそうですね。文章のコピーやカットは右クリックから選択してという人が多いと思いますが、windowsはctrl+c(macはcommand+c)でコピー、カットはcではなくてxを同時に押すと出来たりします。また、ファンクションキーにも便利機能が隠されていたりします。慣れると圧倒的にショートカットキーを使用した方が早いのですが、まぁなかなか新しいやり方に挑戦するのは難しいですね。

しかしそれでもオススメのショートカットは、「シャットダウン」です。WindowsXPは、キーボードのWindowsキーを押してUを2回押すだけで、シャットダウンできます。慣れれば連打で一秒掛からずにシャットダウンできます(7ではwinキーを押して右矢印、Enterキーとなって連打ができなくなったので残念です)。Macは「「Command」+「Option」+「Control」+「Eject 」」同時押しです。盤上のあやとりみたいで複雑ですが、これも、一々林檎マークまで行かなくて良いので、かなり便利です。

ぜひお試しあれ。



2011.6.30(木)

「歴史が動く」とき

先週末に最終回を迎えたテレビドラマ『JIN-仁-』は、最終回の平均視聴率が26%を超えたと、ネットでニュースになっていました。世界80カ国での放送も決まっているということで、最近のドラマの中では注目度もナンバー1だったようです。私は見たり見なかったりでしたが、最終回はおおかた視聴していました。
昨年のNHK大河ドラマもそうですが、坂本龍馬や新撰組が活躍する幕末の舞台は、歴史の大きな転換期であり、ドラマに欠かせない人々の感情が描きやすいのかもしれません。

「歴史が動く」とき、その場にいる人々はどう感じているのか、どのような思いなのか、どんな表情なのか。

先日、知人が南スーダンに旅立ちました。
南スーダンは北スーダンとの20年以上もの内線を経て今年の1月に国民投票で独立が決まり、その半年後である来月、2011年の7月に独立します。カメラマンである彼は歴史が動く瞬間を体感し記録するために行きました。南スーダンは今、まさに歴史が動いている国のひとつと言えます。

ほかにも私が知らないだけでざまざまな歴史が作られていって、その積み重ねでこの世界が出来ているということに、当たり前なのですが気づかされます。

暑さに負けてダラダラ過ごしていては、いけませんね・・・



2011.6.17(金)

学会ラッシュです その3

学会の時期も終盤になってまいりました。今週末の日本言語学会が終わると、一区切りといった感じです。
日本言語学会@日本大学文理学部では、『ひつじ意味論講座第5巻』がお目見えします。1巻はクリーム色でしたが、5巻はさわやかな緑色です。(色味はまったく違いますが、この春の目録『未発』も緑色でした。ひつじ書房では今年、緑が流行るかもしれません・・・。)
ひつじ意味論講座は、順不同で刊行しています。今回は第5巻ですが、第2回配本になります。お間違えのなきようご注意ください。
また、今回の言語学会では、一部の書籍でセールを行なう予定です。普段でも学会では割引価格で販売しておりますが、今回は一部書籍でさらにセールを行ないます 。
ぜひ、ご覧下さい。お待ちしております!



2011.6.3(金)

あいまいなのは日本語か、英語か?


2月に刊行した『あいまいなのは日本語か、英語か?』(今井邦彦著)が、『英語教育』6月号(大修館書店)の書評で取り上げられました! 評者は、西山佑司先生です。

英語の会話でユーモアやアイロニーの発想が好まれるのは、日本語よりも「話し手の意味を推論することについての期待が(日本語の話し手以上に)大きい」ということを、西山先生もおっしゃっています。

本書に登場するアイロニーのなかには、日本語話者の発想からすると、「そんなこと言って大丈夫かな」というようなヒヤリとする発言も多くあります。日本語だったらこんなとき、誤解のないように説明的になってしまうはずです。西山先生いわく「過保護」な発話です。

「過保護」な日本語に対して「不親切な英語」。英語は「言語化された情報が少なく、その分、聞き手(読み手)の負担が多い」とのこと。そして、この不親切さこそが英語の特徴であり、これを身につけることが、英語らしい英語を身につけることにつながると、西山先生はまとめられています。
本書を読んで、英語らしい発話の特徴を発見してもらえたら、とてもうれしいです。



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