平成12年11月28日

東京都知事
  殿

社団法人 日本書籍出版協会
  理事長 渡 邊 隆 男

都立図書館充実のための資料費予算増額についての要望書

 近年、国民の学ぶ・知る権利を保障し、生涯学習の基本的な機能をもつ公共図書館 は、住民の期待に応えるサービスを提供するため漸次拡充されてきました。全国的に 図書館利用者も10年前の約2倍になっています。しかし、資料費は自治体財政の悪化 を理由とした削減状況が顕著となっています。都立図書館もその例外ではなく、資料 費を1997年と比較すると来年度予算要求は都立中央図書館で40%減、都立日比谷図書 館64%減、都立多摩図書館37%減となっております。資料費削減に対して図書館の現 場では、専門書や高額図書の買い控えや雑誌の購入停止が続く等、利用者が求める資 料が揃えられない状況が拡大しております。このような資料費削減は、都民に必要な 資料・情報を収集・提供する公共図書館としての基本的な使命が維持されないのでは ないかと、出版界としても大変憂慮しております。

 平成12年7月19日に生涯学習審議会社会教育分科審議会計画部会図書館専門委員会 から「公立図書館の設置及び運営上の望ましい基準について」(中間まとめ)〔抄〕 が発表されました。資料の収集・提供等の項では、「住民の学習活動等を適切に援助 するため、住民の高度化・多様化するニーズに十分配慮するものとする」「他の図書 館との連携協力により図書館の機能が十分発揮できる種類及び量の資料の整備に努め るものとする」と記述されているほか、レファレンス・サービスの充実・高度化、利 用者に応じた図書館サービスの充実、多様な学習機会の提供等があげられています。

 当協会は、都立図書館が多くの利用者の期待に応えられる図書館サービスを実現されるよう、次の施策を要請いたします。

〔平成13年度の都立図書館資料費予算措置について〕
資料費が前年度実績を下回らないよう増額することを要望する

以上