クック治子先生ミニ講演会 言語社会化について

クック治子先生ミニ講演会
ー言語社会化についてー

ハワイ大学のクック(峰岸)治子先生による、言語社会化についての講演会を開催いたします。


■日時……2016年6月22日(水) 14:30開場 15:00開演

■会場……文京シビックホール3階 会議室1(丸ノ内線・南北線 「後楽園」駅より徒歩2分)
※会場までのアクセスにつきましては、本ページ下部をご参照ください。

■参加費…500円
(極力釣り銭のないよう、ご協力いただけますと幸いです)


■概要

1980年代アメリカの文化人類学者OchsとSchieffelinにより提唱された言語社会化理論(Language Socialization)は、言語習得を社会化過程の一部と位置づけ、社会的コンテクストのなかでどのように言語習得が行われるかの過程を談話分析により検証するものである。この理論は、エスノグラフィーの伝統を継承し、近年西欧においては第二言語習得研究にも広く応用されている(Zuengler and Cole 2005)。しかし、日本においては、エスノグラフィーに基づく文化人類学関係の研究が盛んでないため、言語社会化理論はまだあまり知られていない。本講演は、言語社会化理論の概略、また特にこの理論に基づく日本語関係の研究を紹介する。最後に、その理論の中核をなす指標(index)の機能を考察する。指標は言語の象徴機能(symbolic function)と異なり、相互行為のなかで周囲のコンテクストを含めることにより、始めて意味をなすものである。故に、コンテクストの変化とともに、指標の社会的意味も変化する。つまり、指標は複数の社会的意味がある。指標がどのコンテクストでどんな社会的意味を帯びるかを習得することがすなわち言語社会化であるとされる。特に『丁寧体』と『普通体』という指標を通してのどのような社会化が見られるかを談話分析により検証する。複数の社会的意味がある指標の『丁寧体』をポライトであると最初から限定せず、会話の参加者がどのような意味で『丁寧体』を使用しているか考察する。このように観点から、日本語学習者が日本語母語話者との会話でどのように、『丁寧体』と『普通体』を習得するか、また、それによってどのような言語社会化が見られるのか研究することができる。日本語学習に関して言語を指標の観点から分析し、言語社会化理論を使うことにより、学習者がある言葉、表現をどの程度習得したかという事実を明らかにするだけでなく、それがどのような社会化につながっているか、第二言語習得研究を広い視野に置くことが可能になる。



■会場までのアクセス
【地下鉄の各駅からシビックセンターへの行き方】
都営地下鉄春日駅からお越しの方
・地下2階「文京シビックセンター方面改札」をご利用ください。改札を出て左方向へ進みますと、右手に「文京シビックセンター連絡口」がございます。
東京メトロ後楽園駅からお越しの方
・地下1階「春日通り方面改札」をご利用ください。改札を出て左方向へ進みますと、右手にある5番出口がシビックセンターへの連絡口となっています。

【シビックセンター内のご案内】
・シビックセンターまでお越しいただきましたら、エレベーターで3階まで上がってください。
(エレベーターは地下鉄5番出口近くに13階止まりのものが1台、地下2階区民ひろば脇の勤労者共済会前に3階止まりのものが1台、計2台ございます。3階止まりのエレベーターをお使いいただいた方が、すぐ来ますので便利です。)
・3階まで上がっていただきましたら、案内図がございますので会場の部屋までお越しください。「会議室1」が講演会の会場となります。同じ階に「会議室A・B・C」という部屋もございますので、お気をつけください。
http://bunkyocivichall.jp/access

■講演者略歴

クック(峰岸)治子 ハワイ大学マノア校東アジア言語文学科教授。主な研究分野は社会言語学、言語社会化理論、談話分析、語用論である。特に、敬語、終助詞についての研究が多く、研究はJournal of Pragmatics, Multilingua, Applied Linguistics等主要学会誌、編集された本の章に掲載されている。また、2008年にはMultilingual Matters社から日本語学習者のスタイルシフトについての本、Socializing Identities through Speech Styleを出版した。最近の研究は、企業の新人研修における言語社会化である。


★お問い合わせは、お電話かメールでご遠慮なくお問い合わせください。(9:00から18:00まで(通常19:30くらいまでは大丈夫です))ひつじ書房宛にお電話でお問い合わせいただくか(03-5319-4916)、メール(toiawase@hituzi.co.jp)にてお問い合わせください。

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