『日本文学』の発売元になりました。

2012年7月12日(木)

『日本文学』の発売元になりました。

これは、ひつじメール通信で配信したものと同文です。

○ひつじ書房は、7月から学術雑誌を、刊行し始めました。

といいましても、ひつじ書房が雑誌を創刊したわけではありません。創刊できたらいいのですが、今回は、これまでも存在していた雑誌の発売元を引き受けたということです。正確にいうと刊行をはじめたというよりも、発売元を引き受けたという方がいいですね。

言語学の雑誌ではありません。『月刊言語』を、復刊して、出せればいいのですが、残念ながら、そうではありません。言語系ではなくて、文学系の『日本文学』という雑誌です。言語の研究者の方でも、日本語日本文学科に所属している方はご存じでしょう。1946年に創立した日本文学協会という文学研究・国語教育研究の学会があり、その団体の機関誌である学会誌を、毎月刊行していまして、さらに書店経由で発売されているのです。発行部数は2200部のうち書店経由が450部ありまして、その流通を今後ひつじ書房が行います。毎月刊行ですので、隔月刊の岩波の『文学』よりも、総刊行部数は多いのです。また、ご存じのように国文学系の商業的学術誌2誌が昨年、休刊しましたので、国文学系の雑誌は、岩波の『文学』とこの『日本文学』のみになっているという現状があります。

今年の1月から日本文学協会の委員長の兵藤裕己先生(平家物語、浪花節などの研究で知られる。ひつじ書房からは、『物語・オーラリティ・共同体』を刊行)から、提案をいただいて、日本文学協会から、ひつじ書房への発売元の移動について協議し、そして、書店に届けてくれる取次店であるトーハン、日販、大阪屋とも連絡を取りながら、進めてきました。最初は、これまでひつじ書房が取次店に持っていた口座(取引可能な方法)は、書籍のみでしたので、書籍の口座で取り扱おうとも思ったのですが、学術雑誌の資格があって、郵便の優遇も受けているということもあり、その扱いを変えたくないということがあり、雑誌としての性格を維持するため、雑誌の口座を取ることにしたのです。実は、新規で雑誌の口座を取るのはたいへん困難と言われています。

おかげさまでひょんなことから、雑誌の取扱を始めることになりました。私は、ことばということでは、文学も言語研究に大いに関わりがあると思っています。また、ポスト記述文法の時代は、文体、ジャンル、語りということが重要になると思っています。数年前から、文学研究への関与の度合いを強めてきましたが、ここで、一段とコ ミットしていくことになりました。

出版社として、雑誌口座を持つというのはなかなかひとつの山のような意味がありま す。その幸運が転がり込んできたという点もあります。ひつじ書房は、雑誌の流通を 経験し、その上で、言語学の雑誌の創刊ということができればと思っています。どう でしょうか。

この機会にぜひ大学の研究室、国語科教室などで『日本文学』の定期購読をお願いします。書店経由の場合、発売元ひつじ書房を経由することになります。書店ルートの部数を拡販したい、と思っていますので、どうぞよろしくお願いします。


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