2008年英語学会の報告と新宿東口ベルク

2008年11月26日(水)

2008年英語学会の報告と新宿東口ベルク

2007年の英語学会は、研究発表の場所と書店の展示場所が、中庭を挟んだ別のエリアで場所が悪くて、とてもお客さんが少なかった。日誌にもかなり憤りを感じて書いたように記憶していたが、見つからなかった。白日夢か?さて、今年はどうだったかというと研究発表の場所と書籍展示場所については、昨年に比べれば、中庭を挟んでということはなく、初日は展示場所のとなりの会場で研究会が行われたものもありましたし、開催の先生方にもご配慮をいただいたので、人通りがけっこうありました。

ただ、600人程度参加しているという事務局の方のお話しでしたが、その規模を感じさせるような人の出があったかというとそのような実感はありませんでした。前年比25パーセント増を密かにねらっておりましたが、昨年の実績をかろうじて上回るものでした。最後の昼休みで駆け込みセーフ。ありがとうございました。

私の印象としては、大学院生の来場が少なかったのではないでしょうか。特に関西から以外の大学院生はほとんど見あたらなかったように思います。彼らは、2日目日曜日の午後から、関心のある研究発表だけ聞きにくるということだったのでしょうか。もし、そうだとすると2つの問題があります。ひとつは、出版社自身が昼休みが終わった段階で撤収してしまうこと。午後からくるお客さんは、展示場所に行って、もう店がなくなっているのを見ることになる。今回、昼休みの食堂がお客をさばききれず、昼休み時間に書展展示場所に寄る余裕がなかったことである。食堂が混んでしまったことは致命的であるが、そういうハプニングのようなことはあることである。一方、院生の来る時間と撤収時間の時間のズレについては改善の余地があるだろう。

撤収時間を他の学会に出店した時と同じように、3時半までとする。大学院生の方々に告知して日曜日の午前中から来てくれるように告知する。このためには、教科書の頒布を主な使命として来ている英語教科書の出版社と相談する必要があるだろう。午後になるともうすぐにお帰りになりたいようになられるので。もう少しいましょうよとお願いしないといけない。

さて、先日、出版界の勉強会、でるべんの会があり、JR新宿駅東口を出たところにあるBerg(ベルク)という20坪の店の店長と副店長の話を聞いた。一日、1600人の来客があるという超繁盛店である。話が終わった後に、質問が出て常連と新しいお客さんの率はどのくらいかという質問が出た。現状は、7対3とのこと。7が常連とのことである。そして、副店長は6対4にすることを目標にすると発言された。

ベルクは実は現在新宿ルミネから追い出しをかけられている。嫌がらせ気味なこともされているそうだ。カフェとビールの店なのに、両側をピンク色の水着の店が出店している。以前は、ベルクそっくりの店をルミネが横に作ったりしたこともあったという。今月の『商業界』の特集は「大手にできない小者の戦略」ということで巻頭がBergの特集である。興味のある方は読まれたい。

ベルク

私が、何を言いたいのかというと邪魔をされているわけでもないのに、集客が悪いと文句を言うべきではないということだ。学会での販売もこれは、商売であり、お店である。屋台みたいなものである。であるのなら、最大限の力を注いで、集客しなければならないのではないか。日本近代文学会、英語学会は是が非でも集客の作戦を練ることにしよう。

英語学会ですが、もうひとつ感想を。談話研究、社会言語学的なものへの反応がほとんどないことに驚きました。英語学という割には、生成文法の比重が強すぎるのではないか、バランスが極端に寄りすぎていてよくないのではないか。社会言語学的なものがほとんど無いというのは今の時代信じられないことである。

ベルクの迫川副店長が、会の時に6対4を目指しますと言ったのにはおどろいた。店の仕事が本当に好きで、現状に満足せず、少しでも改善していこうと思っているのだ。店長は仕事は商売の基礎の積み重ねしかないという。朝は4時に起きて5時には店に入っている生活をもう今の店を作ってから続けている荘である。仕事が好きな人は見ていると気持ちがよい。私もそうだから。いろいろあっても、最後には前向きになることができるのは仕事が好きだからである。


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